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shiratoriさんの月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbowの長文感想

ユーザー
shiratori
ゲーム
月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow
ブランド
tone work's
得点
65
参照数
532

一言コメント

雨音(レイン)の個性を殺した罪は重い!!! (10/15追記)

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

履歴
2020/10/08:初版
2020/10/15:追記(○本作をなぜ制作したのかを考察、○その他)

○はじめに
今回、私のプレイメモ量は、一万字程度でした。最近は、二万字以上はメモってましたから、本作については、それほど長文感想を書きたいっていう情熱はありませんでした。そもそも、発売以来、五箇月以上も積んでましたからね。その理由は、パッケージイラストの雨音が、あまりにも甘甘し過ぎていて、最近、大人な世界観のストーリーを求めている私にとっては、カロリー過多で糖尿病を患ってしまいそうな眩暈を誘発してしまったからです。tone work's ブランドだから無条件に買ってはみたものの、正直、後悔の念を覚えずにはいられませんでした。

その結果、五箇月以上も放置していたのですが、最近、暇ができたので、積み木崩しの一環で、プレイと相成ったのでした。そのため、当初は、長文感想を書く気はさらさらなかったのですが、実際にプレイしてみると、本当にパッケージのイラストから受けた印象どおりの作品であることが分かりました。ちょっと、ヤバイです。糖尿病どころか、合併症を誘発してしまいそうな内容です。

そのため、早急に治癒のための啓蒙活動が必要だとの義憤に駆られ、長文感想を書く決意をするに至りました。まぁ、今更感想を書いても、私の実力では、良くて50人が見るくらいでしょうから、もう手遅れですけどね(笑)。

因みに、本作、ファンディスクではなく、飽くまで公式Webページのコンセプトに書かれているとおり、佐倉雨音のスピンオフ作品であることを、先に啓蒙しておきたいと思います。


○本作の意義
意義というより、レゾンデートルは有るのかといった方が適切だと思うのですが、私は、無いと考えました。なぜなら、佐倉雨音のスピンオフ作品なのに、スクール編はまだしも、アフター編(ダイジェストとSSR)では最早、雨音のアイデンティティは喪失、主人公(奏汰)専用の肉便器に成り下がってしまっていたからです。

私は、本編の長文感想で、雨音ルートについて次のように書きました。
「一言でいうと『ツンデレ中二病“雨音”の更生物語』です。ただ、中二病不思議ちゃんは、そのスタンスを貫いて欲しかったです。雨音がだんだんまともになってしまい、最後は単なるギャルゲーになってしまったのが、残念なところですかね」

もう、本編の時点で、最終的に雨音はアイデンティティ喪失状態に陥ってはおりましたが、本作では更に病状が悪化して、共依存の肉便器にまで落ちぶれてしまったのです。その結果、SSRアフター編では、雨音の社会人生活(シトロン社での仕事)には全く触れられず、奏汰視点での主婦業生活(主に肉便器稼業)に焦点が絞られることになってしまったのです。

公式Webページでのコンセプトでは、「溺れるように濃厚なエッチと、あきれるほどの幸せな日々…いつも隣にキミがいてくれる…その感動をすべて描きます」となっているのですが、私の意訳では、「共依存の肉便器生活……その調教巨編」となります。まっ、ロープライス作品だから、巨編にはなりようがなかったですけどね(笑)。

本作のキャッチコピーは『月虹の先にある、幸せの物語』だそうですが、結局、私には『肛門の先にある、肉便器の物語』にしか思えませんでした(エンディングロール後のエピローグが、ボテ腹乳出しアナルセックスですからね。もう、何をか言わんやです)。

本サイトで、この作品が高評価なのが、本当に不思議です。私は、もっとビジネスを中心にした大人な物語を期待したのですが、これは駄目だろってのが、嘘偽りの無い気持ちです。


○世間一般の評価
できるだけ客観的な評価を求めるのなら、感想内容とかの定性評価より、数値での定量評価になると思うので、ここでは、発売後五箇月経過時点でのAmazonの販売状況を参考にして、考えてみたいと思います。

  Amazon限定特典付き版:価格¥1,954 OFF:¥1,346(41%)
  通常版:価格¥2,266 OFF:¥1,034(31%)
  新品&中古品(29)点:¥1,100 + (¥370点の発送)

特典付き版が通常版より安いという摩訶不思議な逆転現象。そもそも、発売後五箇月経過しているのに、未だに限定特典付き版が完売していないところをみると、恐らくAmazon、売れると勘違いして限定特典付きパッケージを作りすぎたんでしょうね。その結果、ロープライス作品なのに41%OFFって、つまり投売り状態に移行したと……。そして決定打が中古品の29点。つまり、手元に置いておく価値なしと判断したユーザー多数という結論が出てしまったわけですね。私なんて本来の価格で購入したのに、何という仕打ち。現実とは、かくも残酷で無慈悲なものなのでした。

まぁ、見た目、いくら砂糖菓子で包んだところで、結局は『肛門の先にある、肉便器の物語』でしかないですからね。手元に置くのを躊躇せざるを得なかった方々が多かったのは、致し方ありません(笑)。

ところで、Amazonの価格設定、よく見ると面白いですよね。限定特典付き版、二千円より安くしているわけです。つまり、送料無料じゃないってことです。これは想像ですが、限定特典付きは梱包の関係で送料が高くなるから、送料無料設定にするには、通常版より高くせざるをえない。でも、そうすると倉庫からはけないから、見た目、通常版より安く見せたかったというところでしょうか。私は、パッケージ販売の知識など皆目ありませんが、限定特典付きパッケージって、Amazonがメーカーから買い取った資産扱いなのかな。だから、売れないとAmazonの不良資産となってしまう。そのため、なんとしてでも売り抜けたいという想いが、価格設定に表れているのかなって思いました。


○本作の構成と問題点
本作は、四部構成で、私がそれぞれの構成にかけた時間は、次のとおりです。

 ①05時間15分:つきかなスクール編ダイジェスト
 ②15時間55分:SSRスクール編
 ③03時間25分:つきかなアフター編ダイジェスト
 ④11時間15分:SSRアフター編

私の場合は、プレイしながらの調査、分析、メモ書き時間も含まれます。それぞれの私の感想を簡単に述べると、次のとおりです。

 ①本編のスクール編での雨音に関する内容が、満遍なく網羅されています。これだけプレイすると、今更ながら、本編、良くできていたなって思ってしまいました。
 ②サマースクールでサンフランシスコへGoという内容。面白いのですが、徐々に雨音のパーソナリティが喪失し、奏汰への共依存が鮮明になっていく過程が描かれていき、「ちょっと方向性、間違ってない?」状態が明らかになっていくという、サイコホラー展開が恐怖を呼びます。
 ③雨音のシトロン社勤務の話をばっさりカット。雨音のアイデンティティは何処(いずこ)へという、世にもおぞましい記憶改変の幕開けとなったのでした。最悪です。
 ④『肉便器雨音の調教生活』というタイトルがどんぴしゃなストーリーです。超最悪です。

本当に「どうしてこうなった!?」ですよ。私は、本編の長文感想で、次のように書きました。

「雨音ルートは普通のストーリー展開ではあるのだけれど、雨音自体が成長するに伴い普通に成り下がってしまったのが、唯一の残念な点ですかね。素材は良かったのですが、成長のベクトルを間違えて、デレすぎです。それがなかったら、もっと面白い違ったストーリー展開も可能だったと思うのです。灯華、うぐいす、雨音の順に、だんだんストーリーがしょぼくなっていってしまったのは否めません。もっと、スカッとするストーリー展開を今後の攻略ヒロインには期待したいものです」

そして、私の指摘した間違った方向性に、更に突き進んだのが、本作です。しょぼくなったストーリー展開を更に突き詰めるだなんて、どうかしていますよ。ここまで書けば、私の一言感想「雨音(レイン)の個性を殺した罪は重い!!!」の意味が、十分にご理解いただけたかと思います。

とはいえ、上記の問題点を無視するのであれば、『星織ユメミライ』以来の tone work's ブランドのエッセンスが、あちらこちらにちりばめられた正統派内容であることは間違いありません。そこは良かったのですが、ヒロインの人格を改変してしまったのでは、元も子もありません。私は、雨音と奏汰の対等な丁々発止のやり取りを見たかったですよ。それが調教されて、肉便器状態にまで落ちぶれるだなんて……この世に神はやっぱりいなかったか(笑)。


○本作のテーマは何?
一見すると、「家族」がテーマなのかって勘違いしてしまいますが、全体をとおして考えると、「縁」や「絆」がテーマでしょうね。「家族」は、「縁」や「絆」のエッセンスであるコミュニケーションやコネクションの対象としての一要素と考えるべきでしょうね。実際、本作では、次のように書かれています。

最初、奏汰の新作に対しての霧子とのやり取りでは、次のとおりでした。

★新作の考え方1
霧子「でも、もうひと要素、なにか欲しいわね」
霧子「黒野くんは、なにが足りないと考えてるの?」
奏汰「自分で出しておいてなんなんですが、家族にフォーカスしすぎている気がしてまして……」
栞菜「でも、それが近作のテーマなのでは?」
奏汰「はい、テーマなので、フォーカスすることに問題はありません」
奏汰「ですが、そこに焦点を当てすぎた結果、なにか、物足りなさがあるんです」

★新作の考え方2
奏汰「はい、俺は家族というものに固執しすぎてたんだと思います」
奏汰「いいかえれば、家族そのものを、描こうとしすぎてた、とでもいえばいいんでしょうか」
ト書き:家族を構成するのは、なにも家族だけとは限らない。
ト書き:現に俺たちだって、多くの人に支えられて生きている。
霧子「ふふっ、なにかヒントを得たみたいね」

そうして、奏汰の結論は次のとおりです。

★縁
奏汰「俺、今の生活…人生にすごく満足してるんだ」
奏汰「雨音っていう素敵なお嫁さんがいて、つきこみたいな可愛い娘もいて、愉快な大佐もいて…」
奏汰「賢斗や円や聖衣良っていう、昔からずっと付き合いのある友達がいて…」
奏汰「松宮編集長、月ヶ洞先生、岬先生たちとも出会うことができた」
奏汰「これって、俺が人生を歩まなかったら叶えられなかったことだと思うし…」
奏汰「これからも、そういった縁を大切にしたい」
雨音「縁…」
奏汰「そう、縁。それは俺たちが生きてきた証だ」

★絆
雨音「ワタシたちがこうなることは、全部、運命だったって思う?」
 :
雨音「今、ワタシたちが生きてる世界は、正史なのかなって…」
 :
奏汰「俺たちが今ここにいる。それが、俺たちにとっての正史だ」
 :
雨音「うん、これがワタシたちの正史」
雨音「だって、ワタシたちは永遠の運命で結ばれてる。決して失うことのない絆で、これからもずっと…」

結局、tone work's としての考え方は一貫していて、『星織ユメミライ』での以下のテーマに収束するわけですね。

「星は、それ1つでは星座になりません。他の星と結ばれることによって、星座として、様々な物語を私たちに語りかけてきます」
「私たち人間もそう…1人では何もできなくても、他の人たちとつながることで、様々な物語を生むことができるのです…」
「星は、出会いをくれます…たくさんの素晴らしい出会いと思い出をくれます」
-------------------------
「なるほどな…。このコンペをおまえが取った理由がわかった」
「おまえはこの街の人と人の絆を大切にして、過去から未来へと繋がりを作ろうとしていた。大したもんだ」
-------------------------
「星に願いを。あなたとずっといられますように」

因みに、本作での星は、月ってことですね。また、キャッチコピーは、公式Webページの最上段に「初恋は、ふたりの未来へ」と掲示されていますね。未来を見据えるスタンスは、相変わらず。

ところで、「縁」と「絆」の違いって何?って思って調べたところ、
 「絆は柵(しがらみ)や束縛のようなものでマイナス思考的な感じで、縁はチャンスのようなものでプラス的な思考だと言えます」
 「縁には自由があり、絆には責任があります」
とのことでした。でも、もっとも衝撃を受けたのは、超次元 透視 超能力者が語る「絆と縁はどのような違いが?」の、セミナー形式の動画での以下の内容でした。

・本日のポイント
 1)「ご縁」に努力を積み重ねた末に出来るのが「絆」
 2)「ご縁」は切れるが「絆」は切れない
 3)「ご縁」や「絆」を結びつけるのは「心」
  「心」こそが「運命の糸」

縁も絆も糸偏。糸だから結びつけることができるって、凄いな今時の超能力者。何しろ、この内容が透視した結果だというのだから、笑っていいのか、真面目に受け止めるべきなのか、凄すぎて、頭が追いつけませんでした。

なるほど、tone work's 作品のテーマって、SFを超えて、超能力をも包含していたのか。もう、オカルトですね。


2020/10/15
○本作をなぜ制作したのかを考察
前提として、発売時期を元に考えてみましょうか。本編と本作の発売日は、それぞれ次のとおりです。
 本編:2019/06/28
 本作:2020/05/29(当初は2020/03/27だったのが延期)
つまり、本編から1年かかっていません。そのため、本編の制作時から計画されていたのだと思います。きっと、本作のSSRスクール編など、本編の一部として既にシナリオは書かれていたのだけれど、尺的に長いから本編ではカットされてしまったのではないかと。そのため、せっかく書いたので勿体無いから、SSRアフター編を追加で書いて、本作を制作しましたって感じではないのかなぁなんて、思ったりします。なぜなら、SSRアフター編って、本編のサブヒロイン(社会人三人衆)をこぞって参加させていましたから、本編のシナリオが完成した後でないと書けなかったのではないかと思ったので。

また、最近のエロゲーにおけるビジネスモデルは、抱き枕カバー制作での高粗利で売上をカバーが流行っているので、キャラが立ってた天音だと都合が良かったというのもあるのかもしれません。tone work's のオフィシャルWebサイトを見ると、10/14から【日紫喜うぐいす】 抱き枕カバーの受注販売受付を開始とかアナウンスされていたので、抱き枕カバー、よっぽど儲かるんだろうなぁなんて思ったりもします。


○Amazon限定特典のドラマCDについて
Amazon限定特典のドラマCDの内容って、「雨音と栞菜のもしも2人が同級生だったら…」というものなのですが、この内容の企画元が、本作の中で既に書かれていたことが分かりました。

 栞菜「もし学生の頃に出会ってたら、絶対、お友達になりたいって、憧れちゃってました」

そっか。この一文から発想して、ドラマCD作ったのか。手元にあるから、後で聴こうっと。
(2020/10/15追記:聴いてみたのですが、24分16秒のしょうもない内容でした。聴く価値なし)


2020/10/15追記
○その他
気になった事柄について、適当に書き連ねたいと思います。

【スクール編ダイジェスト】
満遍なく網羅していて、良くまとまっていました。特に書きたいことはありませんが、敢えて書くとすると、雨音作成のスマホゲームを二人でプレイ中の会話で、
 雨音「挑んでくる者は、全力で潰す。それがワタシの礼儀」
というのは、個人的にはやっぱり面白い。ただし本編でも思いましたが、「礼儀」は「流儀」が言葉としては適切な気がするのですが……。

【SSRスクール編】
★匂いの表記
このライターさんは、良いにおいを「匂い」、良くないにおいを「におい」と書いて区別しています。
 雨音「今日…いっぱい汗かいたからぁ…。うっ…絶対、におうと思う…」
 奏汰「そんなことないぞ? いつもの雨音の、甘くていい匂いだけどな?」
 奏汰「あ、いや、ちょっと汗っぽいか。ツンとした匂い」
具体的には、雨音の台詞だけ「におう」と仮名書きにして「匂う」との相異を明確にしています。
 雨音「ダーリンには…いつもワタシのいい匂いを嗅いでほしいのに…臭いにおいが好きなんて…」
 雨音「オマンコにもたっぷり中出ししてもらったし…ワタシ、すごいにおいになってる…」
 雨音「ダーリンもすごい匂い。くすっ、エッチしたのバレバレ」
雨音にとっては、奏汰に対してはどんな場合でも「匂い」で、自分自身に対しては「におい」なんですよね。逆に奏汰にとっては、雨音に対してはどんな場合でも「匂い」なんですよね。お互いに自分は「におい」、相手は「匂い」で区別しています。では、次の文章はどうでしょうか?
 ト書き:すんすん…と自分の身体の匂いを嗅いでいる。
この場合の自分とは雨音のことですが、セックス後の体臭(精液と愛液まみれの)について「匂い」と書いています。しかし、これは奏汰視点での地の文です。だから「匂い」としているのだと思います。

★香盤
ベロニカ「奏汰は、このあと残りなさい。ロケ地の選定と香盤も決めないとね」
 ⇒「香盤」が何のことだか分かりませんでした。調べたところ、「出演者と出演時期(出演順番、登場時刻、場面)を対比させた表。 演劇・撮影・イベント等で裏方が用いる進行表・スケジュール表。細かな時間単位で区切られる」とのこと。勉強になりました。

★中二病の飲み物
中二病の飲み物といったら、ドクターペッパーが思い浮かびますが、本作ではルートビア。どっちも、私にはまともな味とは思えませんがね。

★雨音の成長
雨音「みんなで1つのことをやるのが、こんなに楽しいなんて知らなかった。ふふふ」
 ⇒これは、感情の発露の一環だと捉えると、悪くはないですよ。ただ、その代償として、その後の個性喪失の方向性は違うだろうって思いました。

★★★雨音への違和感(超重要)
奏汰「そういえば、最近EFにログインしてないよな?」
雨音「しばらくはいいかなって」
奏汰「あ、っと…だって雨音、三度の飯よりEFって感じだっただろ?」
雨音「ワタシだって変わる。ううん、このサマースクールで変われた」
奏汰「……」
ト書き:これまでの雨音が、どちらかというと異質だったんだ。
ト書き:それなのに…
ト書き:なんというか、今まであったものが失われてしまったような…
ト書き:言葉ではいい表せない喪失感があった。
ト書き:それに、なんだこの違和感は…
奏汰「あ…」
ト書き:すぐに、その違和感に行き当たった。
ト書き:中二病だ。
ト書き:思い返せば、演技以外で、雨音の中二的な台詞を聞いた記憶がない。
 ⇒私も、本編で、これが残念って書いたのですが、ライターもそう思ってはいたってわけですよね。これを雨音の「成長」と捉えた方々は、本作を高評価するのでしょうけれど、私は違います。まるで、ロボトミー手術を受けて去勢されたかのような個性喪失状態の雨音など、見たくなかったです。そもそもライター自身、「喪失感、違和感」って書いているくらいですからね。成長のベクトルを間違えたが、やはり適切な評価だと思います。
 :
ト書き:直接の俺の言葉は、雨音には届かなかった。
ト書き:それは、俺が天音の心に深く入り込みすぎていたから。
ト書き:雨音にとって、俺の言葉はすべて彼氏というフィルターがかかってしまう。
ト書き:だったら、そのフィルターを取り除いてやればいい。
 ⇒本編霧子ルートの『ガチ婚活』みたいなノリになってきました。SSRアフター編では霧子やきらりが登場していたので、霧子ルートと雨音ルートって、ライターさん同じなのかもね。しらすネタも書いていたし。

★この作品世界って避妊はどうなってるのかな?
毎回、エッチする度に中出しだし、これで妊娠しないんだから、本当に不思議。そう思っていたら、【SSRスクール編】の最後の方で、
 雨音「中出し好きのダーリンのために、ちゃんと安全な日を計算して中出しエッチしてる」
って、書いてありました。ライターさんも、自分で書いてて、やっぱり変だよなとは思っていたみたいですね。だから上記の会話文を、最後の方で敢えて書いたわけですね。

【アフター編ダイジェスト】
★食事当番
ト書き:今日の食事当番は雨音だ。
雨音「朝ご飯作る。ベーグルでいい?」
ト書き:ベーグルといっても、昔のようにベーグルそのままじゃない。
ト書き:ベーグルにはチーズやハムが挟まれ、同じ皿にはスクランブルエッグとサラダ、カップにはコーンスープ。
ト書き:シンプルな朝食は、けれど学生時代の雨音からすると大きな成長だ。
ト書き:あの雨音がなぁ…
 ⇒SSRスクール編をプレイした後だと、これ違和感が……。そもそも、【SSRスクール編】での雨音は、奏汰の家に通って、奏汰のお母さんに料理の手ほどきをみっちり受けて、相当に料理上手という設定になっていたからなぁ。ちょっと整合性に問題が出ちゃいましたよね。

★★★月の彼方で逢いましょう
雨音「ママ…パパ…見てくれてますか?」
雨音「きっと、ワタシたちは繋がっています」
雨音「だから、どうか見守っててください」
雨音「そして、またいつか逢いましょう」
雨音「あの、月虹の向こう岸で」
雨音「…また逢い~ましょう~♪」
 ⇒最後は、きっちりタイトルで締めくくったのは、本編のシナリオは、やっぱり良く出来ていましたよね。

【SSRアフター編】
★編集者の仕事とは
きらり「作品が売れる売れないを考えるのは編集者の仕事。作家は、そうじゃないでしょ?」
 ⇒しかしラノベの場合は、作家自身が、販促活動をして売れる売れないを考えなきゃいけないらしいということを、最近になって私は知りました。きらりの場合は文学作品だから、上記で合っているのでしょうけれど。

★洋菓子屋のマスコット
きらり「あたし、男を知らなくて困ってるの。優しい担当さんに教えてもらいたいんだけれど?」
 ⇒ここで、良く見るとペコちゃんスマイル立ち絵のきらり。
奏汰「男を知らない女性が、そんな舌舐めずりするはずないでしょ」
きらり「だったらあの洋菓子屋のマスコットもとんだビッチね」
 ⇒きらりのペコちゃんスマイルに引っ掛けてて草。これ、立ち絵の顔の口元を注意していないと、「洋菓子屋のマスコット」ギャグが認識しづらいよね。本編からプレイしていれば、ピンと来るんだろうけど。

★しらすのホットドッグ
つきこ「ママ、パパ! お土産買ってきたよ!」
雨音「ふふっ、ありがと。なにかな~」
ト書き:つきこから袋を受け取って、開けてみる。
奏汰「しらすのホットドッグ…」
 ⇒本編霧子ルートのしらすネタ。引っ張るねぇ。ライターさん、そんなにしらすが好きなんでしょうか?

★つきこの病気
ト書き:医師の診断によると、つきこの病状は溶連菌感染症とのことだった。
ト書き:つきこくらいの年齢の子はよくかかる病気らしい。
 ⇒そういえば、私の職場にも「溶連菌が~」とか言って、よく熱出して休む人いるんですけど、実は、アイツは子供だったのか(笑)。

★奏汰の新作への雨音の感想
雨音「小説、完成したの?」
奏汰「ああ、まだ手直ししないといけないところもあるかもしれないけど」
 :
雨音「読ませてもらうね?」
奏汰「よろしくお願いします」
ト書き:それから2時間後…
 ⇒2時間で読み終わるって、短編なの? 本になるくらいだから、本来は長編なのでは? そう考えると、2時間で読み終わる長編って……。速読なのか? それとも斜め読み?
 ⇒そういえば、昔見た速読をテーマにしたTV番組で、速読の達人が長編小説一冊を、ものの数分で読みきっていました。もう、なんか目に焼き付けるようにしながら、本のページをぱっぱと捲っていましたね。読了後、検証のために、本の内容をいくつか質問されていましたが、見事に答えていました。そうすると、長編小説に2時間もかけるのは、速読の範疇にすらならないってことに……!? 今から考えてみると、速読時の脳の仕組みを解明できたら、AI研究って相当に進歩するんだろうなって思ってしまいました。

★セックスの意義
ト書き:俺たち夫婦にとって、エッチは身体の気持ちよさだけじゃない。
ト書き:何物にも代えがたい大事なコミュニケーションの時間でもある。
 ⇒でも、本作のセックスシーンは、コミュニケーションの時間として書いてないよね。殆どのエロゲーと同じく、従来どおりのストーリーに組み込まれていないセックスシーンですよね。つまり、スキップしてもストーリー上、何の影響も与えないエロシーンってことです。しかも、説明過多だから、ヒロインにエッチの状況説明をさせるため、雨音の声優さんでは、エロさが半減してしまう。つまり、下手。そして、長い。上記の地の文を書くのなら、そういう内容のセックスシーン書いてよって、本当に思ってしまいます。
  ただし、セックスシーンに至るまでの導入部分については、とても自然で違和感がありません。まぁ、ぶっちゃけ突き詰めるとエッチしたいからってことにつきると思うのですが、エッチしたことがストーリー上、何か影響があるのかというと、殆ど何もない。ストーリー上、有っても無くても関係ないのなら、単なるサービスシーンでしかないわけです。どのエロゲーでもそうですが、完全な抜きゲーではないのなら、これを本当に改善して欲しいと思っています。


以上、今更の感想でした。

The above is a long impression of shiratori.