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shiratoriさんのユニオリズム・カルテット A3-DAYSの長文感想

ユーザー
shiratori
ゲーム
ユニオリズム・カルテット A3-DAYS
ブランド
CLIP☆CRAFT
得点
60
参照数
3113

一言コメント

よく盗み聞きしている主人公が、性格的に嫌いだ!!!(2016/12/24:予約特典『ユニオリA3お返しコンテンツ』について最後に追記。2022/1/3:「ユニオリ新作制作中について」を追記)

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

取り敢えず、ティア、セルフィ、ユリナ、レミリア、天音までプレイした時点での感想です。まだギブアップしていないので、ミリィ以降で何か書きたい事柄があったら、追記していきたいと思います(2016/12/24「以下、思ったこと、あれこれⅢ~Ⅵ」を最後に追記)。

最初に、本作は一体どういう位置づけの作品なのでしょうか? ファンディスクみたいなものなのでしょうか。なぜなら、前作ユニオリをプレイしていないと、世界観もストーリーも???になってしまうので、前作プレイが必須だからです。そのため、豪華パック(前作との同梱パック)も併せて発売されている訳ですが、最近増えてきましたよね、この手の商売方法。

勿論、本作の冒頭で前作の振り返りシーンがあるのですが、本作自体のストーリーが脆弱なので、前作のストーリー概略だけでは、(前作をやっていたとしても)もう忘れてしまっているため、私の場合は最初、本作の世界観をイメージできず、話に没入することが難しかったです。メーカー側も気がついたのでしょう。11月15日になってやっと世界観ページを公開しています。しかし、発売3週間後に世界観ページが公開されても、遅すぎって感じです。販促方法を誤りましたね。

実際、本作は売れていないのかもしれません。なぜなら、Amazonでは発売3週間で44%引きです(大量の中古が原因?)。このサイトでのコメントなど、現時点で私を含めて5件しかありません。ドンびき状態です。一緒に届いた『Re:LieF』をやらずに、こっちを優先したのに、何この仕打ち。因みに『Re:LieF』初回版のAmazonでの販売価格は13,500円以上。定量的評価とは、かくも残酷なものです(但し、ユニオリには――『Re:LieF』にはない――華はあります、見た目にも)。

そんな訳で、本作単体での評価など無意味との結論に至りましたので、私は前作のコメントは特にしていなかったので、ここでは前作込みで評価したいと思います。


さて、私は、前作のプレイメモで、次の様な事柄を書いておりました。
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・最初のうちは「やっぱり燃える展開は、私の好みだと自覚した。文章のテンポも、シーンのリズムを壊さず最高です。文句なしです」だったのが、その後プレイし続けると、以下の様な感想になり、コメントする気力が失せてしまったみたいです。

・高度な科学文明と中世の様式美の同居っていう世界(ガラス張りの近代的な建物と中世然とした建物の同居など)なので、違和感がおきない様にストーリーを作りあげるのが腕の見せ所といえる訳ですが、それでもライブスフィアがあるのに、書類って感覚が何とも……。

・演出面は、シーン切り替え時のぶつ切り感が良くない。同人じゃあるまいし、プロとしてどうなのよっていう気がする。

・よく主人公が、誰でも知っている常識(例えば"みなも")を知らないという設定があるが、そういう設定は、いつもおかしいと思ってしまう自分がいる。萎える。

・話の骨子が面白くない。そもそも、大決闘祭(ヴァルトーク・フェーダ)で優勝して、ユリナの願いを叶えるという目的が小さ過ぎ。つまりません。

・主人公の本質的な性格が嫌い。例えば、天音ルートで天音の喘ぎ声が聞こえるかもって天音に囁きながら、喘ぎ声を出させ続け、「ここでも、どうしても天音を困らせたい衝動を、俺は抑えることができなかった。」っていうところが。この性格で、どうして好かれるのか。
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そして、その後日譚でもある本作は、それに輪をかけて、面白くないです。

そもそも本作のコンセプトの一つが、「騎士養成学園での学園生活・日常生活を中心に語られる、さらなるユニオリワールド」となっています。非日常設定の世界で、日常生活中心の話を構成したら、つまらない話にしかならないのではないかと思うのですが……。私が前作ユニオリで高評価した部分を削ぎ落とし、コメントする気力すら萎えてしまった部分を増強したコンセプトな訳です。もう、がっかりです。おまけに本当に単なる連荘ヤリゲーになってしまって、しかも私にはエロく思えない。

背景画等のリソースは、前作の使い回しな訳ですから、開発費は前作よりずっと少なくてすんだと思うのです。そうすると、本来力を注ぐべきところはシナリオだった筈なのに、ビジュアルのリテイクに拘るという愚挙に出た訳です。何を考えているのでしょうか。

前作、私はそこそこ楽しめたと思うのですよ(このサイトでの評価は悪いですが)。続編を作るくらいだから、きっとそこそこ売れたのではないかと思います。だから近作を購入したのですが、如何せんストーリーがしょぼすぎです。メーカーには、今一度、ユーザーが何を望んでいるのかしっかり考えて拘る部分を見極めてから、作品を作っていただきたいと思います。


ここで最終的な評価ですが、前作72点、近作48点で、総合評価60点としました。

ところで、実は、本感想を書く上で調べていて知ったのですが、前作は発売後一ヵ月ちょいで、Ver 2.00 の修正パッチが出ていたんですね(出る前にプレイ完了で未適用)。それにしても、メジャーバージョンアップですからね。どんだけ改良したんだよって話です。修正内容を見ると、単なるバグfixにしか見えないのですが。メジャーバージョンの意味合いが、世間一般の認識と相違がある気がしてなりません。


2022/01/03追記
○ユニオリ新作製作中について
 ここ1年、本感想を参照する方々がちらほらいて何で今更と思っていたのですが、CLIP☆CRAFT公式ツイートを見てみたら、ユニオリ新作制作中となっていました。新作を作ってたんかい。今年(2022年)あたり、出すんですかね。今年出さなかったら、制作期間何年なんだよって感じですけど。制作費の回収できんだろって、他人事ながら思ってしまいます。

 それにしても、キャラが立っていると、作品の息が長いな。今年新作が出たら、前作から6年ぶりか~! もし新作が出るのなら、私はなんだかんだ文句を言いながらも、やっぱり買うのかもしれないナ!


●以下、思ったこと、あれこれⅠ

1.ガーター姿について

私は、ガーター姿の絵を見る度に、絵師の考えを推察します。つまり、実用性重視派なのか、それとも見た目重視派なのかを。どういうことかというと、ご存知のとおり、トイレやセックスシーンへの移行のことを考えると、通常は最初にガーターベルトとガーターストッキングを身に着けてから、ショーツをはくとなります。しかし、広告などでは商品デザインを見せるために、ショーツの上にガーターベルトとなっているみたいです。

では、セルフィのガーター姿はというと、ショーツの上にガーターベルトです。この絵師は、見た目重視派ってことですよね。しかし、セルフィの性格から考えると、実用性重視なのではとも考えられます。単に見た目だけでなく、登場人物の性格なども考慮した拘りってものが、制作者側には有るのか、無いのか。そういうところも私はチェックします。

また、ガーター姿になって以降のセックスシーンの描写が、ショーツがガーターベルトの上か下かで変わらざるをえないと思うのですが、辻褄がきちんと合っているのかどうかも、私はチェックします。つまり、ちゃんと考えて絵を描いているのかどうかってことです。製作者側がきちんとした仕事をしているのかどうかを評価するポイントの一つになる訳です。

今回の場合は、最初にブラジャーをとり、次にガーターベルトとショーツを一緒にとり、ガーターストッキングだけ残すというものでした。しかし、これは何か違和感がありますよね。ガーターストッキングのずり下がり防止のためにガーターベルトをしているのですから。という訳で、考慮不足という評価になると思います。ショーツだけとるというアホな展開にならなかっただけマシですが……。まさか、滑り止め付きガーターストッキングだったなんていう言い訳は無しですよ。だったら、そもそもガーターベルトいらないじゃんとなるだけです。

因みに、私だったら、ガーター姿からセックスに移行するシーンなら、ガーターベルトの上にショーツとするでしょうね。なぜなら、セックスシーンをショーツだけ脱がしたガーターベルトとガーターストッキングの描写にできるからです。そっちの方が見た目もいいし、エロいと思うからです。それ以前に、実際問題として、ガーターベルトとショーツをとるのは、けっこう面倒なのではって思ってしまいます。つまり私の場合は、実用性重視派であり、かつセックスシーンの描写重視派ってことになりますかね。つまるところ、リアリティ重視派ってことになるのでしょうか。

ところで、前作のレミリアもショーツの上にガーターベルトでした。しかし、今作のレミリアは、ショーツだけ脱いで足に掛けているので、ガーターベルトの上にショーツですね。何か一貫性がないですよね。

という訳で、ビジュアルのリテイクよりも、もっと本質的なところで拘る部分があるのではという話でした。


2.放送禁止用語について

実は天音ルートで、声優さんがテキストの一部を読み飛ばした部分がありました。
具体的には、次の箇所です。

 天音「どうして来るんだ! この変態! 痴漢! 強姦魔! 
    お前が今考えてることは、全部わかるんだぞ!」
  ⇒「強姦魔!」を読まなかった

私は、最初、声優さんのミスなのか、音響側のミスなのかと思ったのですが、
普通読み飛ばす筈ないし、よくよく聴くと、カットされたのではとも思えます。
それで、じっくりと考えたのですが、どうも「強姦」が放送禁止用語として
引っかかって、音声がカットされちゃったのではないかと。

これが正しかった場合、文字はOKで、音声はNGってのは、どうなのよとは思いました。


3.操作性について

(1)「オートモード時のページ送りタイミング」の設定
 ・ボイスの再生終了を待つ
 ・ボイスの再生終了を待たない
 ・次にボイスがある場合は再生終了を待つ
の3種類があるのですが、「次にボイスがある場合は再生終了を待つ」は、どのゲームでもデフォルトで用意して欲しい設定項目です。理由は、次がボイスで無いト書きの場合、さっさと読み進めたいんですよね、間延びしてしまうので。しかし、「次にボイスがある場合は再生終了を待つ」は、最後がボイス再生で終わる場合、ボイス再生が最後まで行われません。この場合、最後までボイス再生する様に仕様変更して欲しいと、私は切に思います。

(2)バーチャルオートモード
音声再生部分のテキスト表示カット機能のこと(よく演技モードとか言われている)ですが、バーチャルオートモードって一般的な用語とは思えないので、ちゃんと分かる用語にすべきだと思いました。

(3)マウスの右クリック
前作も同じなのですが、マウスの右クリックでMENUが表示されます。ここで、MENUを消そうとして再度右クリックすると、MENUが再表示されることがあります。そのため、MENUから抜けるのに数回クリックしなければならない場合があり、うざいです。


●以下、思ったこと、あれこれⅡ  2016/11/22追記

・駄菓子屋で
 アキト「へぇ……こういう店が好きなのか……案外レトロ趣味なんだな?」
 ティア「品揃えもいいし……ほら、おばあちゃんが店番してるってのも、レトロチックでいいと思わない」
  ⇒中世の街並み設定の中で、駄菓子屋だけレトロって言われてもなぁ
   西洋と東洋のちゃんぽんっていう世界観が許されるってのが、いかにも日本人的発想とは思うけど

・ポケモンGOネタ
 ティア「このゲームは実際に街へ出て、いろんな場所に行くことで、沢山モンスターをゲットできるのよ」
  ⇒旬の話題を即座に採用。やるな

・最後のティアとのHシーンで
 あまりの気持ちよさに、先端からは透明な液体がかすかに漏れてくる。
 ティア「あ……ちょっとなにか先から出てきてるけれど……これ大丈夫なの……?」
 アキト「気持ちいいと出てくるんだよ……んぅっ、ティアが上手だから……」
  ⇒今まで散々やっておいて、何を今更な会話

・ティアの補習シーンで
 ティア「それに、昼寝って普通に眠るよりも気持ちいいのよ。ほら、こんな風に――」
 アキト「あっ……話している側から寝るなよ!? 昼寝が気持ちいいのは分かるけどさ……」
 ティア「あんたもやってみなさいよ……机がひんやりしてて気持ちいいから……」
 アキト「今は補習中だぞ。自分でやるって言ったんだから、最後までがんばれって……」
 ティア「そんなにムキになってやらなくても……勉強なんていつでもできるけど、この机の上で寝るのは今しかできないよ?」
  ⇒この後、一緒に寝てしまうわけですが、『ソードアート・オンライン』の「圏内事件」のシーンをパクリましたね。ティアの会話部分とかそのまんま。分かりやすい

・学園長への報告の場面
 当然、学園長室でのシーンな訳だが、最後にパーティーをやるって話になったときに、
   天音「まぁ、この屋敷らしくていいじゃないか。私も準備を手伝ってくる」
   アーシェ「ここの屋敷の料理はかなり美味いぞ。いくらでも食べられてしまう気がするな」
  ⇒「この屋敷」「ここの屋敷」とか言うのだが、学園長室での会話だからどうも違和感が。
   「あの屋敷」「あそこの屋敷」なら納得できそうなのですが……

・セルフィ初めてのセックスで
 途中でぬめった感触に首をひねると、処女の証である鮮血が隙間からこぼれてくる。
  ⇒鮮血描写になってくれないのですが……


●以下、思ったこと、あれこれⅢ  2016/12/24追記
やっとフルコンプしたので、追記しておきたいと思います。

さて、全体的に思ったのが、誤字脱字が多過ぎです。50箇所以上あります。天音ルートからエロシーンを殆どスキップして読んでいない箇所もあるので、実際にはどんだけあるんだよってレベルです。やっつけ仕事にも程があります。

誤解を招く文章もありました。例えば、次のとおり。
アキト「だったらこうしましょう。みんなが出かけていない日に来てもらうって言うのはどうです?」
 ⇒「みんなが出かけていない日」が二通りに解釈できます。
    ①「みんなが出かけていない、日」
    ②「みんなが出かけて、いない日」
   私は、①で解釈したので「みんなが出かけている日」が正しいのではと思ってしまいました。

音声再生の不具合もありますね。例えば、次のとおり。
ミリィ「……好き、なんです……」
 ⇒この場面で、1つ前のミリィの言葉「あ、あの……わ、わたし……お、お兄様のこと……」
  を繰り返して再生し、本来の音声は再生されず

声優さんの読み間違いも色々あるのですが、とても驚いたのが、みなもルートでの百人一首シーン。
みなも「ほら本物の場合、上の句と下の句があって、その組み合わせを覚えてないとできないでしょ?」
 ⇒上の句を「うえのく」と読んだ。初めて聞いたぞ、「うえのく」って読み方。収録時に誰も指摘できなかったのが、信じられません。それ以前に、「うえのく」って読んで変に思わなかった声優さんに、-100点です。日本人なのか、本当に!?

言葉の使い方が?なのもありました。例えば、次のとおり。
ミリィ「……はぁ、はぁ……ふぅ。んっ……わたしの膣内(なか)……お兄様でいっぱいです……」
ミリィは絶頂の余韻に浸りつつ、どこか胡乱だけど嬉しそうな声で語る。
 ⇒ここでの「胡乱」って、どういう意味で使っているのか、良く分かりませんでした。
  辞書には「怪しくて疑わしいこと。不確実や不誠実なこと。うさんくさい」と書いてあります。
  私にはアンニュイの方が、まだ意味がとおりそうな気がしました。

敬語の使い方が変なのもありました。例えば、次のとおり。
セレーネ「――ですが、今は昇格祭の最中です。そう上手くいきますでしょうか?」
  :
セレーネ「はい、その通りです。先ほども仰ったように、現在学園では、昇格祭の真っ最中です――」
 ⇒「仰る」は「言う」の尊敬語なのだから、セレーネが自分で言った言葉に対して使うのはおかしい

ストーリーの整合性にもうちょっと配慮が必要な箇所もありました。例えば、次の箇所。
アーシェルートで、最初の「告白する」で出てくるウィンドウショッピングのデートイベントで、アイスクリームを気に入って、その値付けが間違っているという話があります。ところが最初の「告白する」を選択しない場合でも、後のシーンでアイスクリームの価格の話が出てきます。
  アーシェ「いやしかし、先日のアイスクリームの件もあったな。あれも同じ様な価格だった……」
しかし、ウィンドウショッピングのデートイベントがないので、「先日のアイスクリームの件」が何のことだか分かりません。

また、総じてイベント絵や差分が少なすぎです。例えば、ミリィとの遊園地デートシーンなど、文章だけでは、片手落ちだと思いました。これでは、プレイヤーにイメージが伝わりにくいのでは。あと「ミリィは上目づかいで俺から目を離さない」って書いてあるシーンで、絵が上目づかいになってくれないから、画面を見ていると何か違和感が……。

ここまでの記述で何が言いたいかというと、前作に比べて品質が悪化しているのではということです。前作以上に Ver 2.00 修正パッチが必要なのではと強く感じました(2017/4/29追記:4/14に演出強化・修正パッチver1.02が出たので、これまで指摘した部分が、少しは改善されていると良いですね)。


●以下、思ったこと、あれこれⅣ  2016/12/24追記
ミリィルート以降の感想を簡単に書きたいと思います。

ミリィルートは、相変わらず盗み聞きアキト全開なのですが、久々のバトルシーンが、まさかミリィルートで拝めるとは、奇跡。ちょっと溜飲が下がりました。

シルヴェリアルートでは、やっぱり確信しました。ストーリーが小さ過ぎる。シルヴェリアの目標が校長のステラを超えることとかさぁ。

十兵衛ルートは、初回のセックスシーン、アキトの部屋に二人で入って、いきなり過ぎるだろ。過程はないのか、過程。闘いのシーンは良いのだけど、そもそも話のスケールが小さいのが、なんとも。あと、だんだんメインヒロインから外れたルートだと、話のおざなり感が半端ないって言うか。

マリエルルートは、マリエルのガーター姿が拝めましたね。ここではショーツが上。しかも、装飾で紐の交差部分をうまく隠しています。まぁ、装飾の位置でショーツがガーターベルトの上だったと分かるのですが、何か拘りを感じました。ただ内容がねぇ、「また一歩、マリエルさんと恋人として成長できた気がする。」と書いてあるのですが、本当にバカップルとして成長してるよ。もう疲れます。本作品のダメッぷりが如実に表れているとは思いました。

セレーネルートは、別荘のお掃除イベントから屋敷に帰って来ての次の文章が全てを物語っています。
セレーネ「それでは、また今夜にでも……」
 また今夜、か……そこまで待てるかな。
 ⇒もう、種馬かよ

アーシェルートは、何気に他よりは良かったです。個別に入る前のアーシェイベントの内容が、なんか面白いです。他のルートと違って、単なるイチャラブシナリオオンリーでなかったのが良かったです。それにしても、エンディングは短すぎます。

ユノルートは、戦闘シーンはなかなか良かったし、結構、内容が面白かったです。更に、ライブスフィアの名前に関する衝撃の事実が明かされ、ちょっとビックリしました。もっと高尚な意味のネーミングだと思っていたのに、いきなり梯子を外された感が半端なかったです。Web検索では、「Livesphere(ライブスフィア)とは、Life(人生)とSphere(球体)からの造語。人生とは、まっさらな球体に様々な経験を刻みこんで自分だけの多面体(個性)を作り上げていくようなものだ」とか、「life sphereとは"生活圏域"のこと」とか、はたまた「"ライフスフィア"は、"生命宇宙論"の概念に基づいて創り出された仮想宇宙のこと」とか、夢いっぱいの解説だったのに……。

珠緒ルートは、「完全に繋がったことで、結合部から赤い筋が流れているのが見える。」という文章があるのですが、絵ではそうなりません。手抜きです。他のルートでもあったし、こういうところが、この作品の駄目なところだと思います。

最後に、みなもルート。声優さんの上の句の読みが全てを物語っております。書くことなし。

全体的に、もうねぇ、どのルートも同じプロット(エロシーンも含めて)なので、どうでもよくなってしまうというのが、正直な感想です(2017/03/22追記:最近『真剣で私に恋しなさい!A』をプレイしたのですが、本作とのレベル差に、改めて愕然としてしまいました。同じフルプライス作品なのに。例えるなら、ハリウッド映画と邦画の差。邦画がハリウッド映画と同じチケット代で対抗できる様にする手段は何かが、本作が目指すべき姿なのでは。マジで)。


●以下、思ったこと、あれこれⅤ 2016/12/24追記
珠緒ルートの以下の内容は、ちょっと意見したいと思ったので、真面目に書いてみたいと思います。

アーシェ「教えられて得た答えと、自ら悩み、迷い、そしてたどり着いた答え――そのどちらが己の糧になると思う?」
アーシェ「問われなくてもわかるだろう。無論、自らたどり着く方が正解だ。お前も実感したことがあるはずだ」
アーシェ「今、ここで私が答えを言うのは簡単だが、そうしては珠緒が成長する可能性を摘み取ってしまうのだぞ」
アーシェ「与えられたものは、言葉を鵜呑みにして偽装するに過ぎないのだ。それでは意味がない」

私は、この考え方は、間違っていると思うのです。そもそも、この様な職人気質の考え方って、単に時間を浪費しているだけだとも考えられます。よく10年修行してってのがあるけれど、そのうち意味のある時間はどのくらいなのだろうかと、本当に考えてしまいます。そういう方針は非効率だから、マニュアル化することで、誰でも短期間で一定以上の品質に保てる様に均一にするっていうのが、現代的な考え方だと思います。

つまり、ベースに辿り着くまでの無駄な時間短縮の何が悪いってことです。自らの成長云々は、ベースに辿り着いた後の話であって、人生は短いってのが問題の本質であり、食べ物と同じで、旬の時期を外したら、何の意味もないと個人的には思います。アーシェの様な考え方は、能力が高く、修行時間が自ら短縮できて旬の時期を外さない人だからこそ成り立つ理論であって、大概の人達は旬の時期を外すので、努力は報われないで終わるっていう現実に直面する訳ですが……。


●以下、思ったこと、あれこれⅥ 2016/12/24追記
予約特典②の『ユニオリA3お返しコンテンツ』について書きます。といっても、何も書くことないんですけど。「ダウンロード期間変更:2016年12月20日~2017年02月20日」となり、今更感満載です。穿った見方をすれば、ダウンロード期間変更は、中古対策(発売直後に中古市場に流れるパッケージ抑制)の一環なのかもと思ってみたり。それでも内容が面白ければ良かったのですが、全部ワンパターンプロットですからね。もう、何をどう評価して良いのか、誰かご教示いただきたいです、本当に。

そうだ、一点だけ評価すべきことがありました。上記で「マウスの右クリック」時のMENU表示問題について書きましたが、それがだいぶ直っていました。こんな付録で直っていても仕方がないのですが……。

さて、何か書くとすると、今回の予約特典は、前回とは違って、本体へのアペンドではなくて、独立して動く仕様となっています。そのため、ダウンロードで認証し、ゲーム初回起動時に再度認証してと、もう面倒なことこの上ない。そもそも私は、ダウンロードしようとして、「DLカードってどこにあるの?」から始まりました。てっきりパッケージの中に入っているのかと思っていたのです。しかし無い。えっ、どこに!? と思って探したら、予約特典①の『サウンドトラックCD』のケース内に入っている二つ折りの説明書に挟まっていました。そのため、ぜんぜん気がつきませんでした。そもそも私は、この手の初回版付録類など、全く興味ありませんので、開封など一切しませんから。そういう意味では、私が中古で売った場合の作品を買った人は、けっこう儲けものなのかもと思ってみたり。

因みに、今作のハーレム内容は、次のとおりです。
  ティアとセルフィ~三人で過ごす甘い夜~
  ユリナとシルヴェリアのラブラブエッチ♪
  ユリナとマリエルの2人から誘惑されて…
  天音とみなもの仲良し姉妹といっしょに!
  レミリアとセレーネ、どっちからにする?
きちんと、どのタイトルも字数を合わせるという、こだわりよう。このこだわりを、もっと本編で実践して欲しかったですね。

因みに、前作のハーレム内容は、次のとおりです。
  ユリナたち屋敷組と過ごす
  シルヴェリア・ユノと過ごす
  十兵衛・セレーネ・みなもと過ごす
  アーシェ・白ユノ・珠緒と過ごす


以上