何かが足りないと、私の本能は告げた
ゲームをやり始めて1時間くらいで、話が動いてきて、面白くなり始めました。早く先読みたいなって思った。
ただ、何だろう。最後の朔ルートは、あまり感心しなかったかな、いろいろ。
そのため、締めが弱かったので、良作品と評価しました。
朔ルート、何が良くなかったって、最後の戦闘シーンの文章、冗長すぎ。文章が長すぎて間延びするため、緊迫感が無くなって、だれる、だれる。瑠璃のゆっくりした話し方も、それに拍車をかける。本当に困りました。戦闘シーンなんだから、もうちょっとテンポを上げて欲しかった。あと、人が沢山死んだ(殺した)割には、あっさりとしすぎで、物語の着地点として安易かなと。
逆に一番良かった場面は、黒髪眼鏡の珠緒。意表をつかれて、ちょっとビックリ。即座に通常モードで、本当にガッカリ。戦闘シーンより、こっちを冗長にして欲しかった。
美鳥を退場させたのは、やっぱり開発上の大人の事情ですかね。なんか、近年、攻略ヒロインがだんだん減ってきている気がします。以前は6人くらいだったのに、5人になり、そして、4人、3人とカウントダウン気味。
因みに、ライターはSFが好きなのかな。「国家に変わる次世代支配者の代表格は、企業帝国だ」とか、資本主義の元締め、アメリカ人が描くSFの世界観みたいな。また、次の文章は、ティプトリーのSF小説タイトル「たったひとつの冴えたやりかた」から取ったのかな。
菱吾「それはもう、こういった事情で成るようになってしまったからには、冴えたやり方は、たった一つしかございませんでしょう」
印象的なフレーズは、やっぱり使いたくなるよね。
ところで、私、最近、エロゲーの品質管理が、以前より悪化している様に感じております。
今回も、一番最初にゲームを起動しようとして、その開始メニューの「その他の開始オプション」に「取扱マニュアル」があったので、取り敢えず最初に内容を確認してみたところ、「(10)システムウィンドウ」となるところが、とんでもない編集状態に。それ以前に、説明を(1)、(2)と表記しながら、ゲーム画面上の該当位置を①、②と表記する感覚が、なんだかな~。分かりゃ良いだろ的感覚でいる限り、品質アップは期待できないよね。
さて、取説すら満足にチェックできない体制なのだから、ゲーム本体の品質はもっと怪しいと考え、修正パッチ出てからゲームすることにしました(結局、取説、直ってないし)。
ゲームの品質もだけど、声優さんの日本語力も、なんだかな~って感じ。「正しく」って言葉が良く使われているのだけど、美鳥と真理の声優さんは、これを「ただしく」と読んだ。しかし、ここでは「たしかに。まぎれもなく」の意味の副詞として使用しているのだから、「まさしく」でしょう。というか、本人も含めて誰も違和感をいだかなかったのだろうか。真理の声優さん、他にもいろいろ読み間違いが…(脳裏を過ぎるを「すぎる」とか)。冷静な低い声で読み間違えられると、ちょっと興醒めというか、ぶっちゃけ悲しくなりました。
今や声優さんは専門学校で量産時代なので、今後も質は低下する一方なんだろうなと思う。ゲームのストーリーよろしく、こりゃ日本もいよいよ駄目だなって、何、エロゲーやりながら、言ってるんですかね、私。
シナリオもちょっと気になりました。久しぶりに、読ませるタイプの文章だったので、読むことに真面目に取り組んだのが仇となったのか、エルルートなんか、けっこう誤植が多かった。今や植字時代じゃないから、昔だったらありえない変換、入力ミスな訳ですが。「スルメのスメルとはこれ以下に」は笑ったぞ。せっかくの駄洒落も台無しだ。「学生機離脱」ってのも、最初、何のこっちゃと思ってしまった。学籍離脱ね。
言葉の間違いとかもあった様な。例えば「不純異性行為」。普通は「不純異性交遊」だろうとか。それなりに難しい言葉を並べる力量はあるのに、看過できない間違いもありました。
成田「まるで神話の英雄のように、だ。しかし、キミでは、随分と役者が不足だな」
二重の意味で用法を間違った痛い文章。そもそも「役者が不足」は「役不足」の誤用なのだが、ここでは前後の文章から本来は「力不足」が正しいと分かる。つまり、ライターは普段から「役不足」の意味を取り違えており、あまつさえ「役不足」と「役者不足」を同義と思っていることが判明した訳だ。そういえば、ちょっと前の某アニメにも、あったっけ。速攻で視聴者から指摘されてたけど。ライターの罪は重いが、監督はそれ以上だ(今や監督も量産時代だから仕方がないか)。
また、私ではイメージできない表現もありました。
「部屋の隅で蹲るように立ち尽くしている背中」
何、このチェシャ猫の笑いみたいな描写。こういった二律背反の表現、困るんですけど。私の拙いイメージ力では「猫背?」が限界でした。誰か正解、教えて欲しいです。