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shiokaze7000さんのChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-の長文感想

ユーザー
shiokaze7000
ゲーム
ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-
ブランド
インレ
得点
87
参照数
1912

一言コメント

文句なしの歴史+IFストーリーの良ゲー

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

プレイ時間二六時間(かなり速読気味)
内訳……一章:五時間 二章:七時間 三章:六時間 四章:三時間 五章:五時間


忠臣蔵に関して年表レベルの事前知識でプレイ

開始から三章まで一八時間ほぼぶっつづけで、起きた後、四五章も八時間いっきにやるほど引きこまれた
章毎に起承転結あるし、伏線回収時には大体回想入るので、一気にやらなくてもなんとかなるかも
意味のないイベントもなく、熱くも泣ける王道一直線なシナリオで、終わりもスッキリして後味もいい
極端なプレイ傾向を持つ人、実在の人物女体化無理な人じゃなければ、自信を持ってオススメできるゲーム






後はネタバレしつつ適当に思ったこと







タイトルに文句無いとか言ったけどすこしはある


小さいことだけど、
戦闘時の「!?」が多いこととそれの使い方が気になった(1章2章に多かったかな?)
意表を突かれたや力量差を感じるなど防御面で使われるのは全く問題ないのだけれど、
こちらから攻撃を加えるときのテキストにも使われていて何をしてるかわかりづらかった

あとは露骨なパロネタ
これも初期だけだったかもしれないが、歴史物なので結構微妙だった
せっかく300年前の雰囲気に没入してるのにふとギャグパートに入ると戻されるのでもったいなく感じた
パロきらいじゃないんで笑いましたけどね


一番気に入らなかったのは、主人公の態度・言動・行動

一章はよかった。タイムスリップに江戸時代に人に事件に翻弄され、わけもわからないまま忠臣蔵の物語に流され抗いながら強くなっていく主人公に好感を持てたし、自分も忠臣蔵の物語にのめり込んでいたのでちょっとのダメなところもスルーできた。
二章もギリ許せる。ループだって自分で分かっててもご城代に思いを寄せるのは仕方ない、見てるこっちはだるいが。
三章はダメ。もういいっちゅーねん。主人公のループへの葛藤こそがこの章のキモだとわかっていても、ダメ。二回目なんだから学べよ、安兵衛覚えてねぇから。何逃げ出してんの?途中で壊れるし、どうして自分のせいだと思ったのか、ボクジャナーイ。
四章は微妙。お前の目で見てきたものをもうちょっと信じろよ。まぁ、他の赤穂義士のアホさの方が目立つし、横にもっと糞が住んでるからそれどころじゃない。
五章は江戸に着くまでがダメ。どうしてそんなに偉そうなの?居候させて、更に修行までさせてもらってるのにどうしてそんなに偉そうなの?短気すぎます。最後なんだから完璧主人公並の精神が欲しかった。

全体を通してやることはやるので一般的なヘタレ主人公とまではいかない。が、デッドオアアライブな世界じゃなければヘタレ主人公の名をほしいままにしてただろうことが伺えるスペック。三章までは成長として仕方ないとしても、せめて五章はもうちょっとしっかりして欲しかった。



目に見えてダメだったのはこれくらいだろうか
ラスボスは色々微妙だが、赤穂義士の活躍でそれどころじゃなかったので問題ない
もう一個戦闘ボーカルソングあれば、四蛇戦がもっと盛り上がっただろうなとは思う




よかったところは、一言でいうなら見せ方がうまい



まず、戦闘演出がかなり臨場感あって何が起きてるかわかりやすかった
あまりバトルあるようなゲームやらないので他はあまり知らないが、
あまり凝ってないところだと

    「ハッ」    →   ズバッ  →   「ぐあっ」
立ち絵(上下揺れ)   斬エフェクト   立ち絵(左右揺れ)

↑こんなイメージだけど、
ChuSinGura46+1は

       「ッハ!!」         →    ズバッ      →    「っ!?」
若干ナナメ立ち絵画面右から中央へ   左袈裟斬りエフェクト   立ち絵中央から左へ(揺れ)orバッサリ切れる

みたいな感じで視覚的にどうしたかわかりやすく、見てて飽きなかった (上の説明じゃわからないだろうけど)
ラストバトルなんかは特にこの効果が顕著に出ていたように思う
細かいところはテキストでしっかり説明されるし問題ない



次は、ループならではのキャラクター描写?というか視点変更

名前が覚えられないほど大量にいる個々のキャラクターの内面まで割りとしっかり描いているし、
なにより章を経るごとに違うキャラクターにスポットが当たり、内情が明らかになっていくのが面白い
遠くの地で伝聞で聞いたものと、傍で見たものは結果こそ同じでも全く別ものだったり、
単に江戸にくるだけでも、実は知らないところで不幸があったり、努力していたりいることがわかった時の衝撃ったらない
結果だけでものを判断してはいけないんだなと教えられる

あと、人間関係がほぼゼロからスタートするのもかなり効いてる
毎回別の出会い付き合い方していくのも魅力で、三章なんかはそれだけでニヤニヤできた

ということで松之丞・主税が好きです。


あと覚えてるのだと、EDテロップの流し方がほんとよかったかなと



どうでもいいことだけど、エロシーンの主人公の肌黒過ぎ、和姦なのにレイプゲーっぽい