ある種の萌えゲーの到達点。イチャラブ以外を極限まで削いだ萌え特化作品。刺さる人には刺さるし刺さらない人には刺さらないとは思うが……
世に存在する萌えゲーの多くにはヒロインが何かしらの悩みを抱え込むシリアスなシーンが存在する。そして、その悩みは(何故か)主人公とヒロインの恋愛の延長で解決することが多い。正直なところ私はこのような展開は不要だと感じでいた。シナリオに緩急をつけるためだけにヒロインに取って付けたようなシリアスシーンを与え挙句主人公と付き合ったことで解決してしまう。もちろん主人公との恋愛を経て自己肯定感を高めたなど理由はいくらでも後付けできるものだとは思う。が、それではヒロインも彼女の抱える悩みもどうしても薄っぺらくなってしまうものである。
本作品はコンセプト通りそういった展開を描くことはない。当然シリアスなパートがなくて退屈に感じる人もいるだろうが、だからこそそれが良いのである。