評判よりは悪くなかった
セールで安く投げ売りされていたので購入。
Compleat版はⅠとⅡとミニゲームが収録されたパック物です。
巷ではクソゲークソゲー言われている作品ですが、個人的にはそこそこ楽しめました。
これまでもっとひどい地雷作品をたくさん踏んできたせいか、評価が甘いかもしれませんが。
擬人化できる本や黒猫が住まう、私設図書館(洋館)で、主人公が司書として住み込みで働く
という設定や世界観に惹かれました。
当時はメーカーが後出しで連作販売の情報を出したりと、えげつない商法でユーザーの怒りを買った記憶が。
定価で買ったり、Ⅰをやって投げた人はクソゲーだと思うでしょうし、怒りたくなる気持ちは分かる。
あと、同メーカーの他作品(あさきや蒼天)が割と重厚なシナリオだったせいか、それらと比べるとどうしても評価が下がるかと。
確かにⅠはボリューム不足で子供だまし。埋蔵金発見で資金不足の危機もあっさり解決するし。
物語的にはⅡからが本番だと感じました。(といってもⅡも短めですが)
Ⅱの真相ルートで、ようやく「わらべ歌」の歌詞の本当の意味や、ダイダラボッチの正体が判明します。
主人公が可愛くて嫌味のない子で、本を愛する気持ちが伝わってきた。
本好きな方や図書館好きな方は共感できるかと。(ただしバッドエンドは除く)
一見こんな可愛い絵柄で癒し系なのに、バッドエンドはなかなか怖い。
Ⅱの方が、攻略キャラ達が精神的に主人公を支配していて、狂気度が増している。
DV被害者もこんな心理なのかなあ。
怪我を負わされて、包帯まで巻いてても攻略キャラから離れられない死んだ目の主人公のスチルにぞっとした。
主人公は複雑な幼少期を送ったせいで、愛情に飢えているというのもあるんでしょうね。
図書館を離れたら住む場所と職、自分の居場所まで失ってしまうという恐れもあって、攻略キャラや図書館そのものに囚われる展開も説得力がありました。
一方で、Ⅰでの主人公が嫉妬心や独占欲をむき出しにして、悪堕ちする展開も印象深かったです。
貸し出した本(攻略対象)が汚されて返って来たり、美人の利用者が借りて行ったら、「もう誰にも借りて欲しくない」となる思考は分からなくもない。
Ⅱで登場する女の子、「はじまりの本」幸葉もいいキャラでした。
開かずの間に籠って、主人公に本の朗読をせがんだり、一緒にお気に入りの本を読み進めるところはほっこりしました。