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shaneさんの光を…DELUXEの長文感想

ユーザー
shane
ゲーム
光を…DELUXE
ブランド
LiLiM
得点
72
参照数
65

一言コメント

みるく先輩のシナリオが良い

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

主人公が盲目状態の頃は、主人公の想像上のヒロインの立ち絵やCGが使われ(色合いは主にセピア系で統一)
快復後には、鮮やかに色が付いた、実の姿のヒロインの絵もそれぞれ用意されているのは斬新でした。
しかし、主人公が想像していた頃の容姿の方が魅力的というのは。
空想時のヒロインと接している時間の方が長いので、どうしてもそっちの姿に愛着がわく。
特に想像上の紫音のCGは幻想的で凄く好きだった。

主人公の目が快復した後でしかHできないのは残念。
空想時の姿のヒロインとのHシーンも欲しかった。
美桜に関してだけは、真の姿がまどマギの杏子風で可愛いですが。

シナリオも光る部分はあるゲームですが、どのヒロインもラストはほぼ同じ展開で飽きが来る。
1プレイが短めなのでコンプはしましたが。
みるく先輩、皐月先生、真ルートである紫音シナリオ、+αで気に入った他のヒロインを攻略すれば十分かと。

好きなシナリオはみるく先輩と皐月先生ルートですね。
お約束な泣きゲー的展開とはいえ、みるく先輩が健気で健気で可愛くて。
「もうすぐいなくなる、みるくちゃんの目もらってくれる?」は反則。
動物や獣医の和子ちゃんとの交流が切なくも心温まる。
あと一色ヒカルさんの演じるロリキャラって珍しい。

皐月先生は着物美人のおっとり上品系。
過去に婚約者がいたが肉体関係はなかった模様。
古風な大和撫子感が強調されたキャラなので、婚前交渉してないのも、そこまで違和感はありませんでした。
心因性で目が見えない主人公のために、献身的にカウンセリング治療を買って出て、
母親みたいな温かさで包んでくれていた彼女。
しかしルートに入ると悲しい過去が明かされ、「本当は嫌いなの! あなたのその瞳、無気力なその瞳が!」と泣き叫ぶシーンは軽く衝撃だった。
それでもいちいち傷付かず、皐月先生の全てを受け止める主人公は器が大きい。
(他ルートの主人公は身勝手さも目立ちますが。)
二人は保健室で結ばれ一夜を明かしますが、主人公の快復に喜び、「御馳走作って待ってる」と先に自宅で待ってた真奈が不憫。

メインヒロイン扱いのまどかと真奈ルートは手抜き感が否めない。
真奈の母親(毒親)の悪堕ち→和解展開のやっつけっぷりよ。
キャラは魅力的なんですが。
真奈は時折暴力ヒロインになりますが、献身的で健気で、自分のルート以外でも他ヒロインの力になってあげたり、主人公が自分以外とくっついても、「〇〇さんなら安心かな」と寂しそうな笑顔で祝福してあげる素晴らしい妹。
ヤンデレ系や腹黒系ヒロインが流行った後だと、逆にこういう素直に人を祝福できる方が新鮮で好き。

まどかは「うふふ」という笑い方の演技も自然で、声が耳に心地よい。
ただ、中身が優柔不断な八方美人で残念。
まどかは黒沢からの告白を受け入れ、主人公との中途半端な三角関係に発展しますが、終始煮え切らない態度で、最初から付き合うなよという感想しかない。
黒沢も、主人公に憎しみ向けたり真奈を巻き込んで脅すのは違うだろと。
まどかはまどかで、黒沢と付き合った理由を「だってあなたが黒沢君の事いい奴だって言ってたから」と責任転嫁してるし。

紫音はおそらく一番最後にプレイ推奨のヒロイン。
学校中のみんなに協力を仰ぎ、精神世界にいる紫音に呼びかけ、現実世界へと連れ戻す展開がありますが、Po〇traitの某ルートと似ていて驚きました。
この作品と(通常版の方)ほぼ同時期に発売されているので、偶然でしょうけど。

お手軽にプレイできるので、がっつり泣くというより、ほんのり泣きゲー風な雰囲気に浸りたい人にはおすすめです。