これがいわゆる未完成商法なのか
ネタバレ超長文になるので気になった方は飛ばしてください
正直、未完成でフルプライス品でも体験版のような状態なので定価で買わないほうがいい
様々なショップで話を伺ったが初回限定版は画集がなければ値段がつけられないと教えてもらった
PVの雰囲気と主人公のヴィジュアルに惹かれ初回限定版を購入して数年経過してから再度プレイ
何故か起動する度にウイルスバスターが作動し強制終了になってしまうのと、発売当初難易度が高く某掲示板などでクリアできないという阿鼻叫喚の書き込みを見て攻略情報が出揃ってから攻略しようと思ったのだ
んで、当初の感想とこちらの感想を見てからまた攻略してみたのだが、なるほどこのゲームの不満コメントに関して概ね納得してしまった。何故ならば総括してしまえばこの作品は『未完成のまま世に送り出されてしまった』からである。実際にこのメーカーの殻ノ少女のシリーズ作品の開発期間と比較すると短い期間で製作されたのが分かる。この作品は5周年の作品として製作されたそうだが開発期間があまり掛かっていない事と未完成である事などを考えると色んな事を勘繰ってしまう
何故未完成なのかというと大雑把な点を上げるとシナリオの起承転結のうち『承と転』が抜けているのと
(適当にルート攻略したらいわゆるトゥルーエンドの核心に繋がる最後辺りのシナリオがあっさり見られてしまって驚いた。エンドに行き着くまでの必要不可欠なシナリオの中身がごっそり存在しなかったのだ)
この作品は珍しい推理物のジャンルである筈なのに事件を解決する為のヒントが極端に少なくぶっちゃけ攻略サイトを見なければクリアできない、なんというか事件→推理→解決の一連の流れが存在しているようで存在していない。作業ゲーという感想もあったがそもそもしっかりとした個別ルートのフラグ管理が存在しないからゲームとして成立していない。気がつけばプレイヤーが本来製作者側がきちんとしていなければならない筈のシナリオのフラグ管理を強制されているような感じがした
攻略ルートを見てみるとなるほどこの2人ほどの割合でキャラ事のシナリオルートを分けたかったのかというのは分かるが、ほとんどが共通ルートで個別ルート(?)にしても唐突なHシーンと一部攻略対象のセリフが追加されるだけで攻略キャラの個別ルートは存在していないのと同じであった
主人公が全然ダメとの多数の感想も納得。守ると言いつつ個別ルートでも最低2人キャラと同時に関係を持ってしまうのを目の当たりにすると確かにダメだと思う。ゲームとしてもダメ。自由度の高い進行方法の取れるゲームジャンルだからっていう言い訳も通用しない
主人公に関してはもっとキャラ立ち、というか曖昧な味付けよりもしっかりと存在を確立させていた方が良かったせっかくビジュアルがいいのに何故活かさないのか
主人交格を物語の読み手として徹しさせたいという製作者側の意図がひしひしと伝わってきたが、そも推理小説のような作品のジャンルであるのであればたとえ脇役のような立ち位置であっても余計にこのジャンルの場合はキャラクターとしての味をしっかりとつけなければならない
屋敷の中を歩き回って画面内で探し物をしたり歩き回れるのは楽しかったが
物語の舞台の滞在期間が短く、時間制限と特定のルートへ行く為の必要な行動の回数が非常に限られているのと
攻略対象との親密度を上げるのは会話するわけでもなくただ遭遇するだけでいいというのが衝撃的であった
普通であれば攻略キャラとの会話が必須でそこで事件のヒントを回収してゆかねばならないのにそれもあまり必要としなかった
自由行動の際キャラが館の地図上のどこにいるのか主人公と同じように全キャラのアイコンを配置しておかないといけなかったと思う。またその前の共通ルートでキャラがどこに何時に移動しているかのヒントを置いておくのも必要だった
ノーヒントで攻略できるのはよっぽどやりこんだ人かエスパーしか存在しない
修正した方がいいのではないのか、実際に製作者は何度もテストプレイをしたのかと思うほど
自由行動のターンは無味乾燥で不便でならなかった
自由行動のターンとシナリオを両立させたいのであれば目的のキャラとの会話→キャラの会話のヒントを元に必要な物(人)を探索→また目的のキャラと会話をし自由行動のターンを自然消化→個別ルートのように余りの時間を強制的に終了させ次の個別or共通ルートに進められるように製作者側が個別ルートに分岐したらオートで個別ルートへ進むように作っておいたほうがよかったのではないかなと。会話とヒントが細かく用意されていないと推理物探索ゲーとして成り立たない
あと1週してみると分かるが1人キャラを攻略するだけで物語の全貌と犯人とその共犯がなんとなく分かってしまうのが残念だった。トゥルーだったり全体的にキャラを攻略してから分かってくるようにしてほしかった
個別ルートで色んな見せ方ができたのではないだろうか。結末がかなり異なるとか、生存者の人数(有無)とか、ベタであるけれど館が全焼するとか、犯人が違うとか…いきなり物語の結末のネタバレを全開されてしまうとトゥルーまで攻略しなくてもいいような…って感じになってしまう
1人のキャラに対しノーマル、ハッピー、トゥルーのエンドを用意したかったのも分かったが作業ゲーでのフラグ管理でそれを分岐させるのではなく(というか本来プレイヤーにさせてはいけない)ハッピーエンドを一度見てから2週目をしてトゥルーに行き着くようにすればよかったんじゃないかなと
ある悪役が生存しているエンドも全部回収してからでなくバッドエンドに組み込まれていたほうがトゥルーエンドを見ないととプレイヤーがやる気になったのでは。
シナリオライターさんの技量、推理物として用意された題材と物語りの起承転結と行動、探索、アイテム組み立てのゲーム性が良く
すごく惜しい未完成品なので再度ちゃんと個別ルートを用意してリメイクしてほしいなあと思ってしまった
1週目だけでクロウカシスの世界観と物語の全貌、ゲーム性を満喫できたのでそこで100点にさせて頂きました
しかし、1週しただけでゲームとHシーンが手軽に楽しめてしまうのは体験版まででなければいけないと思うのです