無駄の多さは否めないし、またそれぞれに理由を追求すると長続きしない
まず、確かに本作は長い。
田舎のゆったりとした日常を追体験できる点は評価している。漠然としているが、雰囲気や世界観は一目見て「なんだかおもしろそう」という期待感を持たせてくれる。
しかし、物語の展開がおおよそ読めてくるなかで同じようなことを繰り返されると嫌気がさしてくる。当たり前だが「長い=充実している」ではない。
本作で感じた違和感としては特に、いろいろ設定を詰め込んではみたもののその背景にあるものがほぼ明示されない点だ。乙女やルシアに関しては顕著といえる。テキストに分かりやすく伝えよう、明かそうという気概は感じなかったし、もはや"そういうもの"だと初めから見なして読み進めるのが適しているだろう。
私自身が設定の詰めを重視してしまう人間なので、小菜や時雨の個人ルートの方がよっぽど無駄なことを描写していないので好印象だった。
イラストCGは問題の無い出来だが、シナリオがそれを惹きたたせられていない感じがして勿体なく見えた。システム・BGMに関しても印象がぱっとしない。ただ雰囲気は良かった、そんな感じのゲーム。