初回プレイはすごく面白い。セカンドプレイ以降は一気にダレる。
本作は、霊能力を持つ主人公が配下の鬼を使役し、さまよえる霊たちを成仏させていくのが
メインのストーリーとなっています。
このメインストーリー自体はとても面白く、笑いあり涙ありホラーありのハートフルホームコメディ
といった按配で、文句なしに楽しめるのですが。
残念ながら、ボリューム面での不満が二点あります。
一つは、そもそものストーリーが短すぎること。
具体的に言うと、序盤(体験版に収録されている範囲)で大きな事件が起こり、その解決を目指す
ことになるのですが、これが解決したらもうエンディングです。
普通の探偵モノなら物語への最初の導入事件くらいの位置づけの事件が終わったところで
エンディングになってしまうのです。
自分もプレイしていて「さあ、最初の事件が終わったしこれからだ」と思ったところで
スタッフロールが流れてポカーンとなってしまいました。
あまりにも短すぎます。
そしてもう一つの不満点は、ヒロイン個別シナリオであってもこの事件の真相について
何一つ違いがないことです。
ヒロインごとに事件を違った角度から観察して隠された真実が少しずつ明らかになっていく、
などの仕掛けは全くありません。
だから、プレイヤーは初回プレイで犯人も真相も分かっているため、セカンドプレイ以降
主人公たちが必死に警戒したり捜査したりしていても何の感慨もありません。
答えの分かってる探偵ドラマを何度も見せられたところで面白いわけがない。
ストーリーの内容やキャラ・テキストなどは悪くない分、初回プレイしか楽しめず
ストーリー自体も短い、という物足りなさが残ってしまうのが惜しまれます。
まあ全体としてはよくまとまっていて、下手に付け足すと蛇足になってしまう可能性もあるので、
文量を増やすのではなく値段を下げる方向で頑張って欲しかった。
自分が感じた不満も、ミドルプライスだったらまた違った感想になったと思うので。