劣化家族計画。本家と比べ、主人公の劣化が特に酷いが、その点に目を瞑ればまぁまぁ楽しめる。
魔法で変身するという要素こそあるものの、大枠としては
「他人同士が一つ屋根の下で暮らす家族になる」という家族計画の概要そのままの作品です。
テキストのレベル、全体のボリューム、キャラクター造詣、BGMなど、あらゆる面で
家族計画に劣りますが、これは家族計画があまりにも神すぎる超大名作だからであって、
普通の物差しで測ればきちんと遊べる出来にはなっています。
ただし、一言感想に書いたとおり、主人公が酷すぎる。
美点が全く無いとは言いませんが、度を過ぎたセクハラ(というかエロオヤジの痴漢。
警察呼ばれたらマジで逮捕される)が全てを台無しにしてくれます。
主人公に魅力が全く感じられないため、いまいちシナリオに集中できない。
エロゲーなんだからスケベな男子学生を主人公にするのは別にいいと思いますが、
物には限度ってモノがあります。
主人公のスキンシップはやり過ぎです、プレイヤーさえも引きます。
家族計画の主人公・高屋敷司が素晴らしい主人公だったことを思うと、この主人公の
人間としての格の違いが、作品としての格の違いにも直結してしまったように思います。
総評としては、主人公以外は概ね問題の無い作品でした。
劣化版家族計画ではありますが、コットンらしく一定水準のクオリティには達しています。
主人公さえマトモならより爽やかで気持ちの良い作品になっていたと思われる、非常に
惜しい一本です。