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serisuさんの残暑お見舞い申し上げます。 ~君と過ごしたあの日と今と~の長文感想

ユーザー
serisu
ゲーム
残暑お見舞い申し上げます。 ~君と過ごしたあの日と今と~
ブランド
めろめろキュート
得点
80
参照数
791

一言コメント

複数ライターであることによる整合性の無さは笑えるほどだが、そこさえ気にしなければ良作。

長文感想

メインライター側が担当した四人のヒロインのルートと、サブライター側の二人のヒロインの
ルートでは、キャラクター設定が全く違います。
前情報なしでいきなりプレイするとおそらく混乱するでしょうが、事前にその点を理解して
おけば、そんなにダメなゲームではありません。

メイン側のルートでは、普通の男の子である主人公が記録映画を成功させようと頑張る話であり、
四人のヒロイン全てで似たような展開になるので中だるみはするものの、エピローグを
しっかり作っているので、そこは中々楽しめます。

サブ側は、何でも知っていて何でもこなす頭の切れる万能主人公と特定のヒロインとの関係を
主眼においたストーリーであり、映画はほぼ無関係。
サブライターが書きたいものを書きたいように書いたんだろうなあ、と感じますが、
それだけに大変面白い。
シナリオ的にもテキスト的にもメインルートを完全に食っており、壬生シナリオは
本作で最も出来の良いシナリオだと思います。

ライター間での設定のすり合わせを全く行っていないのが丸分かりな本作ですが、
各ヒロインのエピローグでしか登場しないキャラのためにわざわざ立ち絵を用意して
いたりするので、手抜きという印象はありません。
OHPを見る限り、おそらくメインライター側を主筋とし、サブ側はあくまでおまけ程度の
つもりだったのでしょうが、サブ側の方が圧倒的に面白くなってしまったわけです。

メイン側:それなりに楽しめる佳作
サブ側:笑えて泣ける傑作

といった割合で、メイン側も決して駄作ではありません。
CGも結構綺麗だし萌え成分も十分なので、興味があるならやってみてもいいと思います。