不条理の中で貫き通した愛
とにかく面白かった。
強烈な感情が交錯する物語に引き込まれ、あっという間に読み終えた。
初めてルクル作品に触れたけど、詩的な言い回しがかなり好み。美しい自然の描写や繊細な感情の機微の描き方が上手い。たまに比喩なのか実際に起こっていることなのか分からなくなることがあったけど、まぁいい。
物語の構成も上手くて、緊張と緩和、謎の提示とどんでん返しのバランスが絶妙。「ツイライトリッジの惨劇」を幕間に挟んで物語の緊張感を保ちつつ、レミとラズリエルが距離を縮めていく過程をじっくり描き、後半で一気に伏せられたカードをめくっていく。最後までだれずに読めた。
これ、三部作?四部作?らしいので、続きが楽しみです。早く出してくれ。