なんだかすごいものを読んだ感
開幕からグロテスク全開で最後まで読み切れるか不安だったけど、なんとか最後まで読めた。
話の緩急の付け方や緊張感の演出が凄く上手くて、流石に虚淵玄なだけある。異常なグロさと倫理の向こう側へ飛んで行った主人公、恐怖感を煽るBGMなどが合わさって、とんでもないものを読まされているような気分になる。終始熱に浮かされるような気分で読み進めていた気がする。
この物語は色々な側面で読み込めるので、まだ上手く深掘りはできていないけど、面白かったのは間違いない。
主人公と沙耶の関係が純愛か否かは様々な意見があるだろうと思う。私は純愛だと思っている。確かにきっかけは利害の一致に過ぎなかったけど、共に暮らしていくうちに純愛と呼べる関係が育まれていったように見える。後発的に純愛が作られることだってあるだろう。私は沙耶が主人公のために世界を作り替えたのを見て、純愛といって差し支えないものだと確信した。