全く合わない人もいるだろうなと思った作品
とにかく文章の癖が強い。詩的と言えるのかもしれないが、それにしては語りすぎる。一つの事柄に対してくどくどと言葉を重ねるものだから、作品全体が間延びしてしまっているように感じた。私は正直苦手な方。無理な人は絶対に無理だろうな。
ストーリーもいまいち盛り上がりきらない。本筋の輪郭をなぞってばかりで、ちっとも核心に踏み込まない。裏で何かが進んでいる、こいつにはどうやら思惑がある。という匂わせだけしてちっとも触れない。いつになったらストーリーが始まるんだ?と思いながら読み進めていたら最終章の文字が出てきてびっくりしてしまった。結局魔女との因縁やテスラが異能を手に入れた過程なども大して掘り下げられることなく終わった。テスラの過去編をメインに据えた方が面白かったのでは?と思わずにはいられない。なんというか、すべて終わった後の番外編のような物語だった。面白くないことはないが、もっと面白そうな話が作中にあったのだから、それを描いてほしかった。
とまぁ色々非難してしまったが、それでも最後まで読めたのは偏にキャラクターが良かったからに他ならない。ネオンやテスラはもちろん、統治会や友人たちや一話限りのサブキャラに至るまで、皆良いキャラクターをしていた。語りすぎるモノローグも、人物描写においては有効に働いていたのかも。彼ら彼女らの結末を見たいという思いだけで最後まで完走できた。私はこのゲームはキャラゲーだと思っている。
かなり癖の強いゲームだったが、ヒロインたちがみんな可愛かったのでオッケーです。