シナリオが面白く、ストーリー展開も良い。エロも濃い、展開が、エンディングが熱い、なのに、やっぱりライアー作品、システムが欠陥品、インストールさえできない可能性も高い。にもかかわらず高評価をつけざるを得ないのはエンディングまでテンションを落とすことなく、熱くなれるゲームだから。
長文感想第1回 とりあえずは2005年度までの最高評価作品「CANNONBALL」
問題過多の作品。シナリオはいいのに、完成度がいまいち。
人に勧めるのは難しいゲーム。
にもかかわらず、これだけこのゲームに惹かれるのは読後感にある。
一点の曇りのない爽快感。これはエロゲーの中では非常にまれである。
無数のバグ、雑なストーリー、回収されない伏線、キャラクター描写の不均等、
いまいちなレースシーン、そして唐突な展開、ゲームとしてはあらだけが目立つ。
他の高得点の作品と比べれ明らかにゲームとして劣っている。
主人公も典型的な少年誌タイプ。
フィリオは正義感は強いが、無鉄砲で、馬鹿で、小心で、俗で、スケベだ。
フォクシーは理知的で、献身的で、わがままで、そして何よりも一途だ。
そして周りをとりまく無数の変人たち。まともなキャラクターなど一人もいなく、
みんなで共同で狂騒劇を繰り広げている。
その雰囲気は最後まで変わらず、何も失うことなく、何かを理由にすることもなく、ありのままの状態でENDを迎えた。
そして、END後も当たり前のようにこれまでと変わらず、物語後の世界を生きている。
これが評価の原因だ。
物語は王道だ。展開にひねりもない。だからこそ、作者の力量がものをいう。
個性的なキャラクターを次々に繰り出し、さまざまな舞台を用意する。
主人公はその騒乱を楽しみながらも、自分の目的をまっすぐ進む。
あれだけのキャラクターを確かに生きていると感じさせた。その力量はほめるしかない。
王道のストーリーでプレイヤーを力技でねじ伏せる。それは確かな実力を持ったものだけに許される特権である。
最後に、正直言ってこの作者(シナリオライター)には問題があるのだろう。このゲームがバグだらけなのは確実に作者のせいでもある。(メーカーの体質もあるのだが。)
恐らく、作者はシナリオを予算やスケジュールで妥協しながら、シナリオを書けないタイプなのだと思う。確実に開発にそのしわ寄せが回っている筈だ。
何がいいたいかといえば、ゲームの完成度の責任はシナリオライターも負うということ。 シナリオはいいのに、完成度は……というのは、別にシナリオライターにとっての救いでもなんでもない。
好きなシナリオライターだけにがんばって言ってほしいと思う。