終末由来の圧は凄まじく,キャラ萌えが緩急として消費されてしまう結果,読者も平常心が失われた状態でキャラ愛が求められる。狙い通りだとしてもファッキンマニアック。今どきセーブデータがログを持っていないのはありえないと思うのでそこは減点。
終末のいろんな面を見せるために登山キャンプから段階的に提示してきたんだなあ。
(肯定ペンギン「前提を共有してえらい」)
よく分からん空間に話が飛ぶの面白いし,世界改変設定もありだなあ。
(肯定ペンギン「適切なサブテーマを選んでえらい」)
むしろ前提の共有というメタ目的と終末に向かおうとする何者かの目的が揃っていてファッキン天才だなあ。
(肯定ペンギン「感情移入助けててえらい」)
とはいえ読者への精神負荷かかりっぱなしで設定把握の負荷もあったからエロが「チャレンジオナニー」になってしまったなあ。
(肯定ペンギン「書きたいものを徹底していてえらい」)
……みたいな感じで一言感想と得点決めたら,
「相対的に高得点だったら長文感想必須」
という自分ルールが発動して困惑してる。
見どころが何だったかという点で振り返ってみると,
作中ずっと終末に関係する行動ばかりしていていたはず。
この極端さをあえて「部活もの」の基準で比較するなら,
例えばサッカー部として,
「ボールは友達」とばかりに,
デートをするときも,えっちするときも
いつも側にサッカーボールがあるというレベル。
イベントCGの端にサッカーボールが描かれていることで興奮することは難しそうだが,
ランドセルが描かれていると興奮できるロリコンと同様に,
終末が描かれていると興奮できるといえなくもない。
若い方が良いが自然の摂理なのと同じくらいに吊り橋効果は自然の摂理なので。
一方でロリコンに罪悪感を感じる程度には,
緊張感のある状況でヒロインを好きになってしまうことへのもどかしさもある。
まあ,エロゲーとして万人受けを目指せる方向性だったかはともかく,
プレッパーズ描写に極振りしたスペックだったのは好感度高い。
いち渡辺僚一ファンとしては,『なつくる』『あきくる』でバランス悪かった点が解消された良作だった。
基礎部分のバランスの良さは大事。
細かく書くとネタバレになりそうなのでパス。
他の人の感想読んでると不安になるけど,
「終末」について書くことが最優先みたいな作品だったよね。
まあ,「終末である必然性がない」とは矛盾はしないが。
世界改変メイン,終末サブと思って読もうとすると,うん……。
あと,本番の「終末」来てたよね。
終末は広い意味でっていうのは更紗が繰り返し言っていたはずなので,
それより狭い意味での終末を期待して期待外れっていうのは違うんじゃないかな。
なんかやっぱり批判すべき点は細部にあって,
1. 選択肢が不親切だったこと。
私は短い分岐を先に選ぶ派だったから助かったが,長い分岐を先に選ぶ派への印象は悪そう。
選択肢ロックか,選択肢をなくして「リスタート」みたいなのが妥当だと思う。
2. 体験版が「共通ルート」最後まで相当だった(らしい)こと。
私は体験版の半分くらいまで確認してライター買いしたので助かったが,
体験版最後までやって考察しながら発売を待っていたら「八乙女ルート」をそこまで楽しめなかったと思う。
……というのが致命的だったとしてもおかしくない。
キャラについて
八乙女さんの下ネタも良かったし,辻花がネットで炎上しているらしいのも良かった。
甲乙つけがたい。
そういえば,攻略順2人目が烏森さんだったのは予想外だったけど,
その時点で「辻花はアウトドア要員じゃないぞ」って予想が立つので親切。