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scapecloverさんの超昂神騎エクシールの長文感想

ユーザー
scapeclover
ゲーム
超昂神騎エクシール
ブランド
ALICESOFT
得点
82
参照数
2447

一言コメント

催眠が多いとよく聞く作品。実際にやってみると敗北Hに限れば催眠の割合はエクシール5割、キリエル3割弱な印象。同シリーズ作品と比べると少し見劣りするが、変身ヒロインゲーという枠組みで考えるとクオリティの高い部類なはず。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

超昂シリーズはハルカとエスカリブートをプレイ済みです。
本作の評判を調べると「手抜き」と「催眠が多い」というものが目立っていました。

まず「手抜き」に関して書くと
・シリーズ過去作にあった昼イベントの選択肢がない
・エスカレイヤーリブートにあった各回想のあらすじがない
・キャラ図鑑のコメントが雑
・フィニッシュ演出が変化に乏しい
・√ヒロインとの絡みが乏しい
辺りが印象に残っているところです。Hシーンの量に関しては正確にカウントしてませんが恐らく過去作よりは減っているのかなと思います。敗北Hがある魔将(怪人)は今作10、その内レベルがあるのは8でレベル2までです。
 また今作は1周で全ての魔将と出会えます。過去作では敗北Hを埋めるために周回必須でしたが今作は1周とロードを使えば埋まります。ここはボリューム減とも言えますが個人的には楽で良かったです。その他にもゲーム面では楽になった、ぬるくなった部分は多いと思います。敗北回数もそこまでこだわらなくて良いし。
手抜きに関連した点はそんなところです。


次に「催眠が多い」について
確かに過去作に比べると明らかに多いです。敗北Hだけでなく鬼畜Hにも各ヒロイン1つずつ催眠シチュがあります。また学校で周りに催眠かけてやる通常Hもありますが、それは過去作にもあったので増加とは言えません。
 「催眠」と言っても様々あり、今作の催眠シチュは認識改変と淫乱化、洗脳に大別できるのかなと思います。幼児化したりママ化したり、喜んで犬とやったりスライムを彼氏と思い込んでやったり、喜んでおっさんに手コキしたり生ゴミみたいなモンスターとやったり…そんな感じです。心の声は1シーンだけありました。
 過去作の催眠と言えばハルカのルリージョーが人気という声も見ましたが、ルリージョーやエスカのウェーブフラストのようなシーンは1つ2つあったかくらいの印象です。過去作で人気だったシチュを踏襲しようとしているのなら中途半端感が否めないです。
 催眠が占める割合は一言コメントで書いた通りです。(内訳は、エクシール:ワーズリー2ハウト1オベレ1,2ダイアン1,2シェム1,2、キリエル:シェム1,2アゼル2です。名前横の数字がレベルです)
ただ催眠以外のシチュでも「脅して淫語を喋らせる」「媚薬で淫乱化させる」というシチュも複数あるので結果として催眠シチュと類似したシーンが増えてしまっていたように思います。またふたなりや擬似スカトロといったシチュもあるのでノーマルな凌辱は大分少ないと言えるのかもしれません。
 催眠シチュについてはそんなところです。個人的には催眠が嫌いではないしゲテモノシチュもいけるので問題は無かったです。


その他感想
個人的にキリエル(キリカ)が大分はまったのでキャラゲー的に楽しめました。ハルカやエスカではハマるキャラがいなかったので純粋にキャラゲーとしての比較はできません。そのため今作のキリカ純愛EDは物足りなさが凄いのですが今作が特別ダメ!と断じれません。
キリエルについて言えばCGが全体的に微妙だったのは悲しいです。原画のおにぎりくんさんはどんどん画風が熟女寄りになっているなと思ったのですが、案の定キリエル関連は微妙なCGが目立ちました。あと悪落ちコスがどれも微妙だったのは悲しかったです。
 また鬼畜Hが過去作とは少しテイストが違うのかなとも思いました。ハルカなんかでは「最初いやいや→最後ノリノリ」という流れが共通していたイメージがあるのですが、今作はヒロインの心を淫乱化とは別のベクトルで変えていく感じでした。シーン終わりに泣いて教室を出て行ったり、主人公のチンコなんてもういらないから消えろ、みたいなこと言ったり。ここは結果として個人的に良くも悪くもなかったです。
 最後にシナリオの盛り上がりについてです。個人的にこの超昂シリーズにはここを期待しています。
結果を言うとまあまあ、あるいは少し物足りないかな?くらいの感じでした。シナリオのざっくりとした流れに不満はありません。2人で戦闘に臨む都合上最終フォームにも2人同時になるのですが、そこが残念でした。ハルカのように√ヒロインが思いっきり輝いてくれるとテンション上がります。またその時のフィニッシュ演出も上で書いたように微妙な感じでがっかりなところ。
 色々残念だった点は書きましたが、この作品は一々格好良かったので超昂シリーズに求めていたものは満たされました。私が普段やる変身ヒロインゲーはトライアングルの旧作なので、それらと比べると音楽も場面転換時の演出も、上でなじったフィニッシュ演出も一々格好良いです。もちろんコスチュームも良いですし口上も良い。またCGの塗りの質感も良い。シナリオも敵を討つのに一生懸命でそこそこ熱くて良い。キリカは可愛い。また過去作で自分が気に入るシーン数というのは片手に収まる程度だったので今作の偏ったシチュ構成でも問題ないです。
 確かにシリーズ過去作と比べると残念と感じる点はある、だが単体で見れば貴重なクオリティの作品、といった総評です。