間違いなく心に残る名作だと思う。千春の優しさ、葛藤、そして奇跡の優しさが心に突き刺さりました。
■積みゲー消化月間
「名作」この作品を表現する妥当な言葉は間違いなくこれしか無いでしょう。
とても2003年の作品とは思えない良質なシナリオは素晴らしいの一言です。
2003年の作品ということでシステム周りは正直、最悪です。
動作が呆れるくらいに重かったり、コンフィグ周りが使いにくかったり・・・。
ルート中にも着せ替えシステムなどと言う、(当時は)斬新なつもりで搭載したで
あろうシステムがかえって古くささを際だてています。
けど、それらの欠点を我慢してでも進める価値のあるシナリオがありました。
「埋もれている名作」というPOVはこの作品の為にあると言っても過言じゃないと
思います。
未プレイでシナリオ重視型の作品を好きな方には本当にお奨めです。
特に「千春ルート」はSFチックではありますが、まじに泣けます。
泣き・感動ゲー好きな方は堪らないと思いますよ。
■藤原まどか
手の届かない、マドンナ的なヒロイン。
シナリオ的には無難な感じ大きな不満も満足も無いテンプレ通りの平坦な物でした。
ただ、美術部に顔を出し始めた辺りからの彼女の心の変遷は非常に良く描かれており
無難ではあるけど非常に丁寧な感じでした。
彼女の優しさや脆さがうまく表現出来ていた話だったと思います。
■平良理沙
元気いっぱいな後輩。
正直、好きなタイプのヒロインじゃないので舐めてました。ごめんなさい。
スキップして終わらせようと思っていましたが、最後の展開が予想外すぎて
話に引き込まれてしまいました。
千春以外のヒロインでは一番、面白いシナリオだったと思います。
■源本留美
幼馴染み。
「いじめ」をキーに話が進む、と思っていましたが予想外の展開にちょっと吃驚しました。
話としてはそれほど面白い物では無いと思いますが「予想外の展開」から最後まで飽きずに
読み進めることが出来ました。
※ミュージカル、、、あれはひどいだろ、なんでアレが世間で評価されるんだ?w
■立花千春
とにかく千春ルートは素晴らしすぎる、この一言につきます。
予想もしていなかった展開に思わずぐいぐいと引き込まれました。
※多少強引ではありましたがw
千春の主人公への想い、両親への想い、優しさ・・・。
まどかをはじめとする友人達の優しさや思いやり・・・。
主人公の千春への想いの強さ等、優しさが随所に散りばめてられており、シリアスな展開ながら
暖かい気持ちになることが出来ました。
そして、極めつけは「道化」のさりげない優しさ。
エンディングでの聖天使とのやり取りは地味ながらも激しく涙腺が緩みました。
出来ることならラストエピローグとして二人の結婚式を見てみたかったなあ、と思いました。
あそこで終わってしまうのは非常に残念。
■総括
オープニングテーマ「hello my love」がとにかく秀逸。
作品を通して全体的に描かれる”優しさ”は素晴らしいの一言です。
埋もれさすのは勿体ない名作です。
願わくば沢山の人がこの作品に出会えますように・・・。
※千春ルートだけで評点するなら100点でした。