【全√クリア】【ネタバレ有り】丁寧に、そして壮大に練り込まれた物語、、、なのだけど・・・。色々勿体ない気がする、個人的には結構好きな作品ではある。
まず、最初に褒めたいのは、六花の設定。
武を司る赤の六花。
知性を司る青の六花。
芸術を司る黄の六花。
服飾を司る紫の六花。
”六”花なので当然、6人いるはずなのにキャラクター紹介にはこの4人しか紹介されていない。
これを見たとき、私は正直ガッカリしました。
他のブランドでも設定上、多くのヒロイン(登場人物)があるのに実際にストーリーに出てくるのは
その一部のキャラだけ。
そんな”未完成”なソフトが数多く、この業界では当たり前のように流通しています。
※無論、狙ってそういう設定で作り込んでいる作品も有りはしますが・・・。
今作も6人いなければいけないのに、4人しか絡まないのか、とプレイ前にちょっと残念な気持ちに。
当然、世界観的にあるべきはずの人物が全員いないわけですから物語は小さくまとまるでしょうし、
そんな小さくまとめた物は面白くなる可能性が低くなるのは大凡、予想が出来ます。
故にこの4人の六花という紹介記事は自分に取ってはマイナス以外何者でもありませんでした。
しかし、物語を進めていき、理解しました。
今作こそ、意図的に2名の六花は空位にしている作品なんだ、と。
蓋を開ければ、大した種明かしでは無かったのですが、期待していなかっただけに自分の中の評価は
これだけで非常に高くなりました。
また、ありがちではあるのですが、全√をクリアして、初めて全ての謎が繋がるタイプのシナリオです。
もし、途中でストップしている方がお見えでしたら、全クリアを是非ともしてみて欲しい所です。
さて、本作は賛否両論あるようですが、個人的には十分に楽しめる良作でした。
ただ、各√に伏線を散りばめすぎて、しばしば混乱する場面もあり、これが原因で、評価しづらい
作品になってしまったような気がします。
本作の時代背景は「現在」「18年前」「300年前」と大きく分ける事が出来ます。
これらの時代背景がめまぐるしく変化していくのですが、3時代に渡って同じ人物が出てきたり
しますので非常に現状を掴みにくいです。
しかも、他のヒロインルートの話も絡んできたりしますので気合いを入れてプレイしてないと
最終的に何が起こったの??という感じになってしまう気がします。
理解をする事が出来れば、話自体は面白かったし、ヒロイン全員が何よりも魅力がある。
※ジゼルとリノ=レノは好み分かれる気がしますが・・・。
エッチシーンは少ないながらも尺がそれなりに長く、絵も素晴らしい。
差分も異様に多くて、特にフレアルージュの2回目のHの表情にはぐっと来る物がありました。
設定を練り込みすぎ、丁寧に作りすぎた故にわかりにくい作品になってしまった、といった感じです。
特に各√をクリアされる毎に語られる、男と女の子の会話の顛末。
個人的にはすごく好きなカラクリで「おお、なるほど、そうきたか!」とクリアの余韻がより
大きな物になりました。
賛否は分かれる作品でしょうが、中古でも値段が下がりつつありますので興味がある方は
是非、プレイしてもらいたい作品だと思います。