【全√クリア】無料と考えれば文句は言えない、、、が次回作の為に敢えて色々書いてみた。
まず、この作品の一番の売り物は商業レベルの作品でありながら無料という点。
これはあまりに衝撃的なプロモーション策で正直、本当にいいのか?と思ってしまう。
直近の出来事としてリトルウィッチの解散が有る。
リトルウィッチのホームページによれば資金の問題が大きいようだ。
つまり、当たり前だが商業作品を作るにはそれなりの資金が必要と言うことで
うまく資金を回収(利益を出さなければ)しなければ当然、リトルウィッチ同様に
ブランドとして立ちゆかなくなってしまうだろう。
今作のプロモーションとして考えられるのは(ちょっと規模のでかい)販促費と
推測出来る(まあ、誰もがそう思うよね)
figmaで商売するという新しい商売の形、と言うのは勿論有るのだろう。
しかし、企業はそこまで楽観して商売を行う物では普通ない。
figmaの売り上げで足りない部分は販促費と割り切っているのであればまあ、この
無料というのも分からないではない。
で、一言感想にも書いたがあくまでも無料、、、だから文句は言えない。では無く
敢えて色々書いてみた。
本当に次回作、の為の販促だとしたらそれこそきちんと問題点を提起してフィードバック
するのが無料に対する礼儀、だと思ったからだ。
下記内容はあくまで私の主観における感想なので他の方と感じ方が違うかもしれない。
■良い点
無料とは思えない程、グラフィックレベルが高い。
また、声優も豪華である。
どちらも物語に感情移入するための大事な要素だけにここを手抜きしなかったのは
まずは高評価。
また、エンディング後にエピローグをきちんと作っているのは高評価。
余韻を上手にプレイヤーに践ませるのは次回作への期待へと変わるからである。
■ダメな点
全体の感想として、場面転換がなんか変である。
急に一気に進行が進んじゃっててついて行けない。
間にあるべきはずの説明が成されないため、週刊誌の連載で1週間読み飛ばしてしまった
ような違和感?を感じた。
我慢出来ないレベル、、、では無いので恐らく意図的にそういう演出にしたのだとは
思いますが、日常シーンというのはこういった学園物では非常に重要な要素であると
私は考えているので正直、看過出来ない部分だった。
また、シナリオ毎にライターが違うのも問題。
文体が違うのは100歩譲って良いとしてもキャラクターの性格が変わってしまうのは
如何なものか?
ヒロイン個々の√では当然、そのヒロインは魅力的に描かれていてエロゲ的に言えば
「俺の嫁」と呼ぶほどの感情移入をすることが基本的には多いはずです。
しかし、個別√で感じたヒロインが他の√で余りに変わりすぎていた場合、プレイヤー
は嫌悪感を持ってしまいます。
以下、個別ルートの所感。
■神楽亜矢ルート
個人的に言えば、亜矢√だけで言えば90点代を付けてもいい。
これぞ、美少女ゲーム・・・!と言わんばかりの展開で無茶苦茶好きでした。
シナリオだけ見れば王道中の王道で完全なテンプレ話なんですが、王道だけに
燃える(萌える)展開が非常に好感触です。
特に同棲から始まり、入院までの流れは個人的には文句の付け所が有りません。
正直、亜矢のfigma付きなら買ってもいいぞ、と思わせる位に魅力的なヒロインです。
この√だけ言えば、有料でも恐らく文句は出ないでしょう。
■志津野泉ルート
この√の存在が恐らく「無料だけどダメだ」と言われる大きな要因の1つなのだと思います。
この√を書いたライター及び、このシナリオを通した責任者はエロゲー業界から
去って欲しいと真剣に思う。
もう、アホかと言いたい。
OHPを見てプレイする人々があの超展開を本気で望んでいると思ってるんでしょうか?
ああ、思ってるんでしょうね、じゃなきゃシナリオ書きませんもんね。
企画通しませんもんね。
他メーカーの作品でも超展開な物はそれなりに酷評がついていますよね?
なんで、ダメなのか考えて来いと声を大にして言いたい。
巫女戦闘ものがダメといってるわけじゃない、それを望んでいないのに見せられたから
みんな怒っているんです。
また、泉というヒロインが魅力的だったからこそ、尚更に不評を買ったんだと思います。
■深雪真奈ルート
亜矢√ほどでは無かったが面白かった。
ただ、説明不足な部分が多く、ストーカー側の視点をきちんと描けばシナリオに
もっと深みを得る事が出来たと思うだけに残念さは残る。
また、咲が真奈に惚れる経緯も中途半端にしか描かれておらずフラストレーションが
溜まるのも勿体無い。
最後の学園際での練習風景なども足りていないのでライブ自体の重みが軽く感じられ
真奈の最後の涙も十分に生きていなかったと思う。
■秋山望美ルート
最後に書きますが、超展開への布石なシナリオ。
望美自身の魅力については十分に語られず、非常にやっつけ感が漂います。
「秋山望美」と「調律者」。
何故、望美はあんな電波だったんでしょう?
望美自身の過去をないがしろにし、調律者の側面をクローズアップする展開に終始したのが
そもそも間違いだったと思います。
”ヒロイン”にするならもう少し、きちんと考えてあげてもよかったんじゃないかと思う。
※関係ないんですけどね、望美がベットの上で消えかけたとき、「Present for you」の
千春ルートを急に思い出しました。まあ、そんだけw
■河村優ルート
まともなシナリオの3番手。
幼馴染みとの恋愛にはずせない、距離感から起こるすれ違いを書いた話・・・。
つまらなくはありませんでした。
平均的なシナリオだと思います。
しかし、ちょっとすれ違いを引っ張りすぎましたね。
もう少し、スパっと解決して、反動からのラブラブイチャイチャをメインに据えれば
もっと評価の高いシナリオになったと思います。
結構、好きなシナリオではある。
■リ・se・きららルート
ぶっちゃけ、これいらんだろ・・・。
誰得よ?これ・・・。
感情移入をしてきたヒロイン達との思い出は全て水の泡ですか、そうですか。
泉ルートと望美ルート、そして極めつけがこの最終ルート。
これらのルートの存在が今回の不評の大元ですよね、はっきりいって・・・。
この作品はどんな層にアピールしたかったんでしょうね?
Fateや11eyes、Dies irae等を主戦にプレイしている厨二好きにやってもらいたかったんでしょうか?
それともましろ色や妹すまいるのようなラブラブ系を主戦にプレイしている人にアピールしたかった
のでしょうか?
私はどっちの系統も好きなので、まああれなのですが・・・。
少なくとも後者を期待してプレイしましたけどね・・・。
■総 括
無料というアドバンテージを差し引いて考えても、まあ他の方々が言われるほどのひどい
作品だとは私は思いません。
有料、しかもフルプライスでもこれよりひどいのはいくらでも有ります。
けど、創作物という物は人の目に触れてこそ意味を成す物です。
自分(作り手)では無い、人に評価、満足されてこその価値を成す物と思います。
「無料」を免罪符にして妥協するのでは無く、寧ろ「無料」なのにすげーと言われる物を
作って欲しかった・・・。
Nativeさん、是非次回作があるようなら、自分たちがターゲットと考えているユーザーが
何を求めているかを考えて作品を作って下さい。
何とぞお願いします。