こぢんまりとした、壮大な話
個人的に前作はイマイチだったので、少し警戒しつつプレイした今作。
今回も、上流階級と庶民との道ならぬ恋がメインの物語に入ってます。
単にそんな設定が好きなのか、狙ってシリーズ化してるのかは解りませ
んが。
ライターは、田舎のまったり話を書かせれば業界一？との呼び声が高い
北側氏。
結論を言えば、予想を大きく外す事もなかったけど、予想を超える出来
でもなかったかなと言う感じ。
今作で特に印象深かったのは、第一に選ばれなかったヒロインに対する
描写が結構しっかりあった事。第二に、先輩以外のヒロインには、選ば
れなかったときのフォロー役としての相手があてがわれている事。
上記は二つとも、ある意味諸刃の剣みたいな要素なので、最近の萌えゲ
では避ける傾向があるように思います。
幼なじみヒロインに片思いする親友キャラって割とよくあるけど、まさ
か許嫁付きが二組もいるとは思わなかったｗ
ルート確定後も登場人物みんなでワイワイってのは、北側氏が好む作風
でもありますので、その手のフォローが必要不可欠だったのかも知れま
せんね。
一番残念なサブキャラとして、見た目おっとり天然系の先生がいます。
他ではそんな素振りを欠片ほども見せないくせに、とあるルートで先生
のキャラが確定してしまうので、ちょっと穿った見方をしてしまうのが
なんとも。
キャラ設定や物語の背景、シナリオの流れを考えると、普通はもっと壮
大な話になりそうなもんですが、何か結局内輪揉めレベルで話がまとま
ります。王女様真ルートにしても、何かそんなのねえよ的なご都合主義。
自分を主人公に投影させて没入と言うより、ちょっとした物語を読んで
楽しむ、週間漫画誌的な作品だと感じました。