誰も溺れないように――。
｢人がそうしたいと思うのとは違うやり方で、人がそうなりたいと思うことを実現すること｣
作中何度も登場するセリフであり、主人公の持つ｢悪」の定義ですが、なかなかどうして面白い。
「悪」というシンプルなテーマの裏に潜む壮大な世界観はこのゲームの評価の分かれ目なると思います。
考察ゲーであると聞いてプレイしてみたのですが、結果として納得のいく考察には至りませんでした。
（点数の低さは考察の難易度にあります。）
というのも、ひとえに僕の理解力がこのゲームに追いつけなかったからなのですが、
完璧な答えが出ていないのか、人によって解釈が違い何通りもあるため、それもまた面白い。
このゲームは深いものであると考えれば考えるほど深みにはまってしまう、
しかし深く考えずに淡々と進めては面白みに欠けるという逆機能を併せ持つ、そんなやっかいなゲームかもしれません。
また、このゲームの見所は「思想のぶつかりあい」でもあります。
それぞれ自分の生き方をしっかりと持っているヒロイン達が自分たちの持つ思想を互いにぶつけ合うシーンにはプレイヤーである自分まで生き方について考えさせられました。
（筆者はこおりの思想と類似）
そして、なんといっても曲が良いです、この作品。
特にＯＰの「モラトリアム・クラスタ」にはテーマとなる「悪」を感じました。
モラトリアム期間にいる皆さん――邪悪であれ！！！