銀時計のせいで…
ブランドネームのせいで埋もれてしまっているが、間違い無く名作。
クセのあるシナリオだが、体験版である程度の概要を把握することができるので、
まずはそちらをプレイして判断するのがベスト。
内容に関しては、恋愛部という部活動を通して、恋とは何かを探求する事が主題。
恋子先輩の恋愛講座（これが意外と面白い）や、ラブロワイアルという実践を通して、
多感な年頃の少年少女達が各々の恋愛の在り方を模索していく。
それにしても、「恋とは何か？」という疑問をそのまま題材として扱ったゲームは意外と見当たらない。
今は大人の方々も、青少年期には折しも一度は究明しようとした命題ではないだろうか。
特に、この『こいとれ』という作品は、スタンダールの『恋愛論』にインスピレーションを受けている部分が多々見受けられ、
エロゲだからといって決してバカにすることのできない内容の濃さである。
このゲームを通して、「恋とは何か？」を哲学的に論究するのも一つの楽しみ方ではないだろうか。
ただ駄目な所として、攻略の難易度が高すぎる点が挙げられる。
10周近くプレイして一度も個別ルートに入ることができず、結局攻略サイトや掲示板を参照してクリアする羽目になった。
あと、共通シナリオが充実しているせいか、個別シナリオがいささか物足りない印象を受けた。
各キャラクターに課せられている命題に関して、
それぞれの解答というものが各シナリオにおいてしっかりと描写されている。
だが、もう少しエロゲとしてのイチャラブ、
特にカナ先輩と恋子先輩に関してはそういうのがもっと見たかったと個人的には思う。
お気に入りのシナリオ：共通部分（特に恋子先輩の講義）
お気に入りのキャラ：カナ先輩
お気に入りの曲：スプリング・エフェメラル（良い曲名ですよね）