現代における『非日常』。
ハードボイルド系ビジュアルノベルと謳われた作品。
一般的なハードボイルドで描かれる世界観である、『熱血』『情緒』『郷愁』。
本作をプレイする前には、おそらくそのような期待を持っていた方が少なからずいたと思う。
このゲームをプレイすると、その期待は見事に裏切られる。
表の世界では体感できない事象が多く発生する非日常。
だが、そこで描かれたスカーレットの非日常は、
血潮が滾る熱い展開等は一切無く、ただ平坦で起伏の無い『淡々と』したものであった。
時代が進んで、もうドンパチとはおさらばした国家間。
平和で淡々とした日常の裏にある非日常というものは、
そこにあるのもやっぱり『淡々と』した世界なのだろうか。
５０～７０年代などを舞台とするハードボイルド作品とは、全く色調が異なる非日常。
例えるなら、どこか淡い印象を受けるスカーレット（緋色）な世界観。
「Scarlett」は、そんな『現代における非日常』というものを強く反映させた作品であったと思います。
制作陣が意図していた主題とはかけ離れているかもしれませんが、
私はこのゲームをプレイして以上のような印象を強く受けました。
お気に入りのシナリオ：３章
お気に入りのキャラ：エレナ
お気に入りの曲：already settled down...、loose