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sasaburoさんのダブルキャストの長文感想

ユーザー
sasaburo
ゲーム
ダブルキャスト
ブランド
SIEJA(SCEI)
得点
80
参照数
264

一言コメント

やるドラシリーズ一作目。夏を冠した作品。全体的に高水準な出来。

長文感想

全体的に可もなく不可も無くと言った感じで、
個人的には正直いろいろとごった煮された印象が強い。

本作におけるキー要素は「かこひめの寝屋」という映画シナリオと、
それの主演を演じる事になる記憶喪失の少女赤坂美月。
この、赤坂美月のダブルキャスト(ネタバレなので伏せる)が本作の主題であるが、
分かってしまうと案外呆気なかったりする。
ミステリーやサスペンス慣れしている方がプレイすると、
若干物足りない所感を抱くかもしれない。

ただ決して力不足のシナリオというわけでは無く、
少なくともプレイしている間は話に没頭できる事は間違いない。
エンディングの数は結構多いが、
それぞれ探していく過程はアドベンチャーゲームとしてなかなか面白い。
中には笑えるエンディングや、ゾクっとくるエンディングもあり、
バリエーションが非常に豊富で飽きることはないだろう。

アニメーションは今でも充分満足できるレベル。
絵はナデシコの後藤圭二クオリティ。(美月とユリカはほんとそっくり)
声優さんの演技は抜群。
サウンドも非常に高品質。
特に主題歌のdoorは個人的に名曲である。

やるドラに興味があり、中古で安く入手できるのであれば、
とりあえずこの作品からプレイしてみるのがお勧めである。
笑いあり、ホラーあり、ミステリーありで、
「やるドラマ」というエンターテイメント性を満遍なく堪能することができる作品である。


お気に入りのシナリオ:二村のバッド(あの怖いやつ)
お気に入りのキャラ:赤坂志穂
お気に入りの曲:interval、door