二人の出会いがすべて。
Allegro(速く、楽しい)編と、Largo(ゆっくり)編。
前者の主人公は早熟の天才。Allegroの言葉通り楽しい人。
演奏する事がとにかく楽しく、夢に向かってパブで修行中。
後者の主人公は言うなれば未完の大器。
実力に関して将来性はあるかもしれないが、現状は田舎のピアニストレベル。
演奏する目的を失っており、ただ惰性のままにパブで演奏を続けている。
実力も性格も全く違う両主人公。
だけど、二人の進む道は全く同じ。
結論を言えば、どちらのシナリオもリコッテとの出会いを機に音楽の本質を知り、
アルペンブルに向かってサクセスストーリーを歩んでゆく。
特に両シナリオに共通するのは、どちらも演奏の楽しさというものを軸にして、
幾多の困難を克服していくという点だろうか。
とまあ、両者比較して小難しい事を書きましたが、
実際、両シナリオの違いから特別何かが引き立つというわけでは無いんですよね。
正直このゲームに関しては、難しい事を考えずにゲームの雰囲気を楽しむのがベストです。
19世紀ぐらいの西洋的な雰囲気は大変居心地が良く、
下町のパブでの喧騒?は、どこかプレイヤーの心を温かくさせてくれます。
アルペンブルへと出立した後の物語は、正直予定調和な嫌いがありますが、
その分安心してゆったりと読み進められます。
そんな感じであまり心構えず、純粋におとぎ話を楽しむ感覚でプレイするのがよろしいでしょう。
あとこのゲーム唯一のヒロインであるリコッテに関してですが、
印象としては、我がままな可愛い妹って感じでしょうか。
ぶっちゃけ幼い性格なのでイラっと感じる方も多いと思いますが、
微笑ましいぐらいの心境で見守るのがよろしいのではないかと思います。
声も良く合っていて、数多いエロシーンは今でもお世話になってます(笑)
画は草薙さん担当の背景が素晴らしいです。
西洋的な雰囲気作りに大変貢献しています。
キャラCGも概ね良好です。
サウンドは、とりあえずBGMは素晴らしい。聞いていて心地よい曲調が多いです。
だけど、歌に関しては駄目です。本当に。無い方がいいくらい。(ありがとうの歌は例外)
歌い手はリコッテの声優とは別で佐藤裕美さんですが、無理して幼く歌っている感じですね。
佐藤裕美さんを知っている方が聞くと、(悪い意味で)大変驚くのではないかと思います。
そんな感じで点数ですが、歌が良ければほんとよかったと思う今日この頃。
85点くらいを付けたかったのですが、やっぱり減点はやむ無しで82点とさせて頂きます。
余談ですが、Allegro編とLargo編、私はどちらかと言うとLargo編の方が好きですね。
苦悩しながらも、リコッテと共に音楽の本質を見い出した主人公。
その結晶として生まれたのが「ありがとうの歌」。
二人の出会いに対する感謝の気持ちを唄ったこの曲。
作詩はリコッテですが、ありがとうの言葉にはバノンも含めたお互いの気持ちが詰まっているのではないでしょうか。
お気に入りのシナリオ:Largo編
お気に入りのキャラ:リコッテ
お気に入りの曲:ありがとうの歌