独特の雰囲気に魅せられました。
この作品ってどこかもの悲しいんですよね。
ギャグパートでもシリアスパートでも、常にほのかな哀愁が漂っていた印象を受けます。
それが一体何に起因しているのか。
結局はRoutes(ルーツ)ということだったのでしょうかね。
絵はほどほど。
個人的には苦手な部類のタッチでしたが、それほど苦にはなりませんでした。
音楽は安心のLeafクオリティ。全体的にシリアスな曲調が多い印象です。
ボーカル曲はいずれも素晴らしい出来。
内容はハードボイルドと伝奇が折り重なったような形。
主人公は表向き学生、裏では世界一のエージェント。
コードネームはNasty Boy、作中頻繁に自分語りをしていたり等々、
それはそれはもう厨二設定バリバリなのですが、
不思議とあまり厨二の印象は受けないキャラクターでした。
やはり、この主人公もどこか儚げな感じがするんですよね。
各ヒロインルートは、永田氏担当のパートと、まるいたけし氏担当のパートとで結構毛色が異なります。
前者はハードボイルド色が強く、後者はノスタルジー色が強いといった感じでしょうか。
私としては、この両者を交互にプレイすることで、
両者の良い所がより一層引き立たされた感があります。
きっと、片方の毛色のみで5人全てのシナリオが描かれていたら、
おそらく途中で飽きていたでしょうね。
ちなみに、個人的には夕菜姉さんのシナリオが一番の好みでした。
文系で院に進学する方々って、モラトリアムな性格の方が多い印象ですが、
彼女もやっぱり大人になり切れていない感じがするんですよね。
ハックの冒険などの児童文学に捉われている所もまさにそれを際立たせていて、
どこか守ってあげたくなるような感じのするヒロインでした。
そして最後はROOTSシナリオ。
ここですべての真相が明らかになります。
広げた風呂敷をすべて回収できていたので、非常に好印象です。
温かいけれど、ほろ苦いストーリー。
さくやの歌は爆笑でしたね。あの音響的演出はうまい。
最後はハッピーエンドで幕を閉じて、良い気分でゲームを終えることができました。
お気に入りのシナリオ:夕菜シナリオ、ROOTSシナリオ
お気に入りのキャラ:夕菜、さくや
お気に入りの曲:Routes、あなたを想いたい、君をのせて、さくやのうた