鬼畜道よ永遠に
前の二作とはガラッと雰囲気が変わった作品。
遺作の主役は健太。臭作の主役はプレイヤーであった。
だが鬼作の主役はプレイヤーでも、その他のキャラクターでも決して無い。
鬼作さん当人こそ本作の主役である。
鬼作は作中何度も鬼畜モンであることを強調している。
しかし、はっきり言って鬼作は「半端モン」である。
鬼作のやる事は鬼畜道を極めた兄達に対して、非常に生ぬるい。
前の二作に比べてエロの実用性が劣っているのは、この辺りが要因として強い。
鬼畜ゲーを期待していた私としては、少々落胆を覚えたものである。
だがしかし、鬼作が詰まらないと言いたいわけでは決して無い。
世の中駄目な子ほど可愛いとはよく言ったものである。
言うなればそう。
鬼作はかわいいのである。
これがこのゲームの本質ではないかと思う。
気さくな鬼作さんとは言い得て妙。
どこか鬼畜になり切れない鬼作さん。
だが、不眠不休で努力し、鬼畜道をなんとか遂行しようとする姿は、
不思議と鬼作さんを応援したい心境へとさせられてしまう。
鬼作さんが紆余曲折を得て社長になったときには、非常に喜ばしい感情が芽生えたものである。
本作品は、そんな鬼作さんの魂を救済する形で幕を閉じる。
俺は芋虫 醜いだけの
俺は芋虫 卑しいだけの
俺は芋虫 嫌らしいだけの
ひたすら自分を呪った悲しい詩。
きっと鬼畜道に生きる上での、鬼作さんの心情を謡ったものであろう。
そんな鬼作さんにも、最期には救いの手が差し伸べられることになる。
鬼畜になり切れず、半端モンであったが故にだろうか。
前の二作と違って、鬼畜道に生きた者の魂の開放。
おやぢシリーズはおそらくこれにて完結してしまったのだろう。
だけど、鬼畜道の精神は、きっとエルフの心の中に生き続けるものであると信じたい。
最後に余談として、ボウリングゲームが難易度高すぎである。
5時間ぐらい粘って、なんとか160そこらのスコアで勝利できたが、
このミニゲームに関してはもう二度とプレイしたくないと思ったので追記しておく。
お気に入りのシナリオ:真エンディング
お気に入りのキャラ:優里
お気に入りの曲:芋虫