シナリオに難有り。エロカットの不完全版。
キャラデザは大変素晴らしい。どのキャラも個性があって良い。
BGMもさすがShadeさんと言わざるを得ないShade節に満足している。
キャラとの会話シーンでの遠近感の表現や細かいCGを挟むやり方もよく出来てるなと感心した。
褒めるところは以上である。以下悪かった点のみなので注意。
このゲーム、当初予約したときR-15と気付いていなかったほどエロありきのものだと思っていた。
しかしキャラデザがとても好みだったので、エロ有りの完全版が出るだろうと思いながらもキャンセルすることはなかった。今では後悔している。
例えばこれがエロゲなのだったならば例えシナリオが悪くても、キャラデザ(原画)さえよければ、その絵のエロCGを見るためにお金を出したのだと納得もできるが、今作で初めてエロなしの『ギャルゲ』に分類されるゲームをプレイしたので後悔の色が濃い。
プレイしていて情事シーンをそっくりそのまま切り取ったのが丸わかりの構成。
個性豊かなキャラが繰り出す無個性極まりないやりとり。
一体このゲーム中に何回同じセリフ回しで会話しているんだろうか。シナリオライターはこれだけ同じ様な会話を書いていて違和感を感じなかったのだろうか。テキスト量を稼ぐにしても限度がある。
そのあまりにも無意味な会話の多さのせいでメインシナリオの合間の幕間劇が億劫で仕方がなかった。
ご都合主義展開が多い事は他の方も指摘しているが、この手のハーレムものにご都合主義なのはつきものだ。それはあまり気にしないのだが、何よりも残念だったのが以下二つ。
・森一家との描写不足
・終盤のあまりにも見え見えの展開
前者に関しては何がしたいのかさっぱり分からずに混乱した。キャラゲーの重要な出会いのシーンをなぜか曖昧な回想シーンを挟み“いつのまにか”森一家の二人と仲良くなっていた。しかしこの二人の今作における役割は大きい。そしてこの出会いのすぐ後に一人が死ぬわけだが、それでどう感情移入しろというのか。その後の小夜叉の成長物語が描かれているならばまだわかる。実際は大人しくなってむしろ個性が潰れてしまっただけである。そもそも登場するシーンすら激減して用済み感がにじみ出ていたのが許せない。キャラとしては小夜叉はかなり好きな部類に入るためなおさらに。
長くなってしまったので割愛するが後半のエーリカが絡んできたときの失速具合もひどい。
結局そういうメタ思考で終わるのかと。本性の出し方もひどすぎる。あそこでエーリカが出て行った意味もわからんが、民間人を鬼にした実行犯であるエーリカを許そうとする展開に鳥肌がでそうだった。
松平衆も意味深なだけで特に意味もないし。鞠の城や越後は放置だし。打ち切りエンドかと。
少なくともキャラが良いだけに、どんな出会い方をするんだろう、という楽しみがあったのでモチベーションの維持ができたが、キャラが出切った後は同じやりとりを聞くだけなので苦痛が増すといってもいい。
恋姫でもシナリオはほぼゴミだったが、キャラゲーとしては成立していた。
今作ではキャラの個性を潰し、エロカットのせいでキャラゲーとしても不十分である。
完全版出すんだろうけど、シナリオの改修が入っていないと購入はきつい・・・。また同じやり取りを見るのはスキップでも苦痛