全体としてのテーマは掴みづらいが、概ね良作だった。
質量を持つホログラムを生成できるコンピュータ、AQUAを中心として展開される近未来を描いたSF作品。章構成が独特で、幼なじみルートのみ3部構成となっている。ヒロインのキャラデザとCGがとても可愛い。
○奈々璃ちゃんルート 75点
数年前に起こった放射能事故のために体の一部を失い機械の体を装着している、ただし機械を体の成長に合わせるのは難しいらしく、「よーし、体の成長の方を止めちゃえ!」というぶっ飛んだ発想により、脳内にECという装置を埋め込まれ、その副作用によって体の成長が止まっている、そして本人はそのことに気づいていない。というヒロインのお話。作中で体の成長を止めるためにECを埋め込むしかなかったという旨の説明がなされるが、ECにより体の成長が止まるのはあくまで副作用であり(まあ、言葉の定義の問題ではあるが)、成長に合わせてただメンテナンスすりゃよかったんじゃないの?という疑問が自然に湧いて出た。特にそれで問題もなさそうだったし。
ちなみに、このヒロインは体の方も頭の方も成長が止まっているため1留しており、クラスメイトからいじめを受けていた。なお、そのクラスには主人公のお友達であるロリコンがいるのだが、ヒロインがいじめられている時には特に行動に移るでもなく、主人公がヒロインを攻略した後になってなんやかんや口を挟んでくるようになる。ロリコンの風上にも置けない。
また、機械の体の方であるが、質量を持つホログラムを生成できるコンピュータが十分普及したような未来の世界で、本人すら自分の体が機械であることに気づかないレベルで身体所有感も自己主体感も触覚も体性感覚も温感・冷感もさらにはある程度の自己治癒能力すら担保しておきながら、成長に合わせて伸展させることができないというのはとても不自然だった。アリス粒子で伸ばせばいいんじゃね?
○凛ちゃんルート 95点
ツンデレ系ヒロインのルート。マナシキという未来を予知する能力を使うことができる。といっても、あまり強力ではないらしく勘が鋭い程度に留まるらしい。そしてなぜかマナシキの能力を持つ一族の血縁者のみを対象にAQUAを使って同一人物を作り上げるという計画のために、このヒロインは本物ではなかったという事実が明かされる。
以下、追加予定。