衣鈴ちゃんルートのための作品
数年ぶりに生まれ故郷に帰って来た主人公が人と共にあることの良さを教えてくれた展望台の彼女との再会を願いながら日常生活を送る話。作中で「展望台の彼女」というまどろっこしい代名詞がまかり通っていることに違和感を覚えたり、主人公は有能なのだが客観的に見ればサイコパスだったりそれなりにぶっ飛んだ作品だった。
○明日歩ちゃんルート 75点
クリアした時に、「えっ、こんだけ!?」となったルート、FAVORITE作品において赤髪ヒロインというのはメインのサブヒロインと相場が決まっているので長丁場になるかと覚悟したが、そうでもなかった。お父さんとの和解のシーンやヒロインが主人公に告白をするシーンはよかったが他には特に印象に残るものはなかった。明日歩ちゃんが展望台の彼女のことをなぜそこまでしきりに気にしているのか、主人公がヒロインの片耳が良くないのではないかと思ったからって直接尋ねるでもなく、聞こえない方の耳のそばで大声を出すなんて、なぜそんなヒロインを試すようなことをするのかイマイチ理解できなかった。やはりサイコ野郎か。ヒロインのビジュアルはとても可愛い。
○衣鈴ちゃんルート 85点
このルートのために本作はあるのではいかと思えるルート。いくら他人を拒絶してるっつったって言葉に棘がありすぎんだろとか、古河坂兄妹はなぜそれを気にも留めないのか不思議だったが、ヒロインが主人公に嫌われたと勘違いするシーンはとても胸が痛く、プレイするのが凄く辛かった。そこからの千波ちゃんとの和解シーンは良い演出。五十鈴ちゃんの「コレ(主人公)は、私のものです」発言やラストの「だから私は、先輩のことが大好きです」はとてもいい。
○千波ちゃんルート 80点
ヒロインの悪夢がヒロイン自身というのが良い。大好きな母親と兄を苦しめる原因を作った父を嫌いになり、そこからさらに、足を引っ張るのが得意な自分が母親と兄を苦しめているという現実に自分が嫌いになるという展開は好み。そこから引っ込み思案だった今までとは打って変わって人と打ち解けようとするところなんか泣ける。こう、背徳感や罪悪感の類を感じながらキャラを演じるという行動理念には深い感銘を覚える。セリフがほとんど3行に渡るくらいのウザ可愛いマシンガントークは個人的に好きだった。が、異常なまでに性に関する知識がないのと、近親相姦であるにもかかわらずエロシーンに突入する動機が弱かったのが残念。オルゴールにまつわるストーリーとオルゴール曲はとてもよい。
○こももちゃんルート 75点
あまり印象に残らなかったルート。あえていうとすれば、悪夢周りのイベントは白々しいなと感想を抱いたくらいか。主人公に助けを求めるシーンは良かった。
○こさめちゃんルート 70点
これも、あまり印象に残らなかった。夢幻状態になれば幻想を観れるというだけの根拠で主人公がリスカするシーンについていけなかった。正真正銘のサイコ野郎かなと思った。
○夢ちゃんルート 70点
これがグランドルートなのかプレイした今でもイマイチ判断がつかない。なぜ途中で歌澄さんが出て来てループするのかイマイチストーリーを追いきれなかった。主人公の視点がメタ的な目線に変わったのもよく分からなかった。メアちゃんと共にあることを誓って、生まれて来た娘がメアちゃんの(多分)転生体ってそんなのありかと思った。夢ちゃん自身は可愛い。
○メアちゃんルート 70点
結局このルートで夢ちゃんどうなったんだっけって思うくらいあまり印象に残らなかった。