正直絵が目当てだっただけに、シナリオもしっかりしていて満足できた。
最初は絵がきれいだという理由だけでこの作品を手に取りました。
しかし予想外にシナリオがしっかりしていて驚いた。
攻略順は捺菜√→佳華√→羽衣√→月音√→神語り
良かったキャラ
月音>涼>佳華(恵)>捺菜>羽衣
捺菜√
この√は最初に始めたこともあり共通でのあまりの眠たくなる展開のため何度か投げそうになった。
個別も悪くはないもののパッとしない√であった気がする。ただ捺菜が巫女になった引き換えにした"願い"は胸を打つものがあった。彰人と結ばれなかったほかの√での捺菜のことを考えると切なくなる。だっていくら彰人を救っても捺菜は・・・
この点に関しては良かったと思う。ただ最初に攻略してしまったため感動が薄くなってしまった。他の√をやった後なら捺菜の強い意志に感動できたのかもしれない。
佳華√
正直この√は絆語も含めて色んな意味で驚かされた。特に個別に入ってからのシリアスな展開は予想だにしていなかった。現代編では何の力も持たず、ひょんなことから精霊が見えるようになっただけの佳華に、自分が尊敬していた人と町長の陰謀によって・・・みたいな展開になるとは正直思っていなかったので想像以上に楽しめました。
なにより町長が悪人だったというのが驚かされました。捺菜√では好々爺で、この√でも途中まではその仮面を被っていて微塵も悪いこと企んでいる素振りがなかったのですっかり騙されました。最初は精霊も見えない佳華だっただけに話の本筋から離れてもっと当たり障りのない話になるのでは?と予想していただけに良い意味で期待を裏切られました。
そして絆語り編なのですが、なにが驚いたってヒロインの老婆になった姿が見られるという色んなエロゲをやってきた自分でも初めての体験をしたことですw
奈津編では、不思議な力で姿は若いまま。みたいなある意味いつものエロゲ展開だったもののこちらではきちんと立ち絵まで用意されています。興味が有る方はどうぞw
で、肝心の内容は、と言いますと神官の血筋から生まれた双子の兄妹の悲恋の話なのですが、いい感じに感動します。最近やった「黄昏のシンセミア」でも兄妹の話が描かれていましたが、あちらは周りの理解が得られていましたが、こちらでは理解を得られず(普通はそうだよね。)妹のほうが、内に気持ちを秘めたまま兄の下を離れて禁足地で暮らし、死に際に兄の下に行き今までの想いを解き放ち兄もその思いを受け入れ、最後にある願い事をしてそれが叶うことを夢見ながら妹の最後を見届けるところで過去編が終わるのですが、それが現代で叶えられて、それまでの話の流れもあり感動できました。
羽衣√
この√はヒロインの羽衣よりも妹の優衣のほうに魅力を感じてしまい、"持ってかれてしまった"とういう感想かな
。個別は羽衣が持つ神具が物語の要となります。ただ話の内容は佳華√に比べるとビックリするような展開もなくイマイチだったかな?絆語りでは明人とはあまり関わらず、こちらも妹との絆の話がメインだったことあり少しこの作品全体の本筋からはずれた話となった印象です。
・・・どうせなら優衣の方を攻略したかったぜorz
月音√
うわぁ、なにこのかわいい人w
プリクラ撮るシーンとお賽銭のシーンはここまでプレイした他の√のどのヒロインよりも萌えた!!
そして初めてのエッチでのテンパリ具合が最高すぎて、ニヤニヤが止まらないw
ま・さ・かこんなにいいキャラだったとは。何気にこの作品、シリアスな展開が多くて萌え成分が少なかったけど
癒されるわー。ショコラとの食べ歩き珍道中も楽しかったですし、ホント良キャラでした。
さてシナリオは、と言いますと謎がいくつか残るシナリオでした。月音は元々過去の人間で、ショコラの力を使って現代にタイムリープしてきたことは分かりました。ただ分からなかったのはショコラとはなんだったのか?
ということです。捺菜√では奈津の未来の捺菜と彰人を助けたいという願いが精霊になり、佳華√は恵の願いを、
羽衣√では初と結の願いが精霊となり各ヒロイン達の前に現れて、最終的にはその願いを成就して昇華していったわけだが、結局ショコラは誰の願いが精霊としたのか?なぜ昇華したのか?というのが明確に描かれていないのでその辺は消化不良なところかなと思います。ただ消化不良なところもありましたが、自分は綺麗な終わり方をしたシナリオだったかなと思います。タイムリープが話に絡んできますが、なんか色々おかしくね?と思えるところもありましたがSFが題材の作品でもありませんし、華麗にスルーしましょう。
・・・まぁ、あれだ。深く考えずに物語を楽しめということなのでしょう。
涼√
4人のヒロインを攻略した後に出てくる神語り。さすがに最後の√だけあって各ヒロイン√に残された伏線が回収されていきます。月音√の月音の村で起きた悲劇の元凶。羽衣が持っていた神具に10年前に封じられていたもの。捺菜√で語られる10年前にあった"事件"がどのように解決されたかなど、各ルートの伏線をうまいこと回収されていきます。そして彰人と結ばれた初めての夜に語られる秋人との始まりの物語。涼が土地神として居つくことになった秋人との約束。とろゾーを神獣から精霊へと変えたみんなの涼への"想い"。そういった伏線を回収しながら、話は進んでいくわけですが、しかし終盤までは結構ご都合主義な展開が続くので、合わない人もいるのかも?
それでも涼と過去に繋がりのあった人達との邂逅、そしてとろゾーとの別れのシーン、エンディングまでの流れはとても良いものでした。ほかの√でも何度か感動しましたが、とてつもなく長かっただけにじわじわ感動の波が押し寄せてきた感じです。ずっと泣くまいと思っていましたが、最後は泣いてしました。
最後に。
シナリオは本当に良かった。最初にやった捺菜√が微妙に感じて、あの√の個別をクリアするのに時間がかかりましたが、次にやった佳華√が良かったので、続けていきました。序盤は睡眠導入ゲーかと思うくらい、なんども投げそうになったのですが、絆語りで物語に引き込まれ一気にクリアすることが出来ました。
面白さが分かるまでの時間がかかるため、時間がない人にはおすすめしませんが、ある人は是非。
最後のエンディングも一見の価値ありです。自分は土地神祭の演出が弱いというのが気になっていたのですが、
それも最後のためにわざと魅せていなかったのかなっと思いました。
ま、なんにせよとても楽しめましたので、次回作も期待してます。
・・・もうちょっとコンパクトにね!!