この作品を楽しめた私は…不適格者だったのだろうか?
ネタバレを激しく含みます。
基本的に普通に楽しめたので良かった点が目立つ感想となっておりますがその点はご了承下さい。
『時間を超え、因果を覆す、万物の敵対者!あらゆるもののコントロールを受け付けない、真の不適格者だ!』
そう、そうなのだ。我々は…いや、楽しめた者達はあらゆるもののコントロールを付けつけない、真の不適格者だったのだ!
『放課後の不適格者』という作品は、つい最近入手し、一気にプレイしました。ひたすらのめり込む圧倒的な魅力!堪りませんね!ツイッター上で非常に話題となっており、私もいつかプレイしなければ!と思っていた作品だったので、新年明けてすぐにプレイ出来たのは、新年早々幸先の良いスタートを切れたと言っても過言ではないと思います。
故に「不適格者は神!」との感想飛び交うTwitterのTLはまさに“真の不適格者達の控え室”と言っても差し支えないでしょう。不適格者は連鎖する…名言(迷言)感想、ストーリーの要約。正直どういう作品なのかもサッパリでしたし、ネタゲーなのかな?とも思っていました。しかしそんな事は無く(要所要所でシュールな笑いはありましたが)、全くストーリー展開が想像出来ない作品でした。だからこそ惹かれる要素満載でしたね。……正直な話今でも何が起こったかよく分かってはいないのですが、物語の勢いや最大瞬間風速は非常に強く、とにかく印象に残ります。この勢いに乗って一気にプレイしなければ辛い部分はあるのかもしれません。しかしながら、額にマークが出るのが比較的早いのもあり、クラス内終末感と言うか、「もう俺達には時間が残されていないんだから」というメッセージは何となく伝わりましたし、テンポ良く読み進められるのは非常にプレイ上助かりました。
システム周りは可も無く不可も無く。ショートカット設定なんかも出来ましたが、特に使いませんでしたね……。ただ最近の作品に慣れているせいか、バックログからのシーンジャンプ機能が無かったのが若干辛かったですね、仕方の無い事ではあるのですが……。
因みに私が大好きな「あーん」シチュはありませんでした(憤怒)。しかしながら、この作品は感情移入するものでは無いのでまあ…と思っていたのですが、晴香ルートでクラスメイトの二人(康介と理香)が主人公達の前で「あーん」をして食事をしているのを見て「え、イツカ君達もやろうよ!!」と血の涙を流したとか流さなかったとか。クラス内でカップルが多く出来たのは驚きましたが、これも同時期にマークを出すためだったのかなとか。
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まず不適格者の魅力と言えば、名言(迷言)が多い事と、主人公とヒロイン達の関係性、BGM…と挙げれば枚挙に暇がありません。スタート早々、ヒロインである夕顔(攻略は出来ないのでめちゃくちゃ辛い)の日記を読む形式で物語がスタートし、チンプンカンプンなまま進んでいきます。転校生である晴香が来て主人公イツカ君の顔を見て驚いた事や、急に夕顔の額にマークが現れ、皆が泣き崩れている様子を見せられて「何が起こっているのか」と困惑したのを覚えています。
しかし夕顔と戦い、その戦いの果てに夕顔を殺し……イツカ君の役目が分かった上での過去の回想―合唱コンクール後の展開を見ておぼろげながらにも物語の形が見えてきました。イツカ君のみ改造が完璧ではない状態だったため、不適格者として額にマークが出た級友達を殺す事で救っていく…何とも悲しいお話じゃないですか。そんな悲しいお話なんですが、イツカ君はヒロイン達の励ましや級友達の助けも得てひたすらに戦っていき、傷ついてはまた立ち上がり……を繰り返すイツカ君は魅力的な主人公として映りました。ただ、展開が唐突且つ中途半端過ぎて感情移入が出来ないのは痛かったですね。ヒロイン達も同様で、恋仲になってえっちしたらもう額にマークが出るぐらいの勢いだったので、イチャラブする暇も無い。これはイツカ君の活躍や葛藤を1プレイヤーとして見て「イツカ君ガンバレ!イツカ君負けるな!」と応援するような楽しみ方が一番楽しめる気がします(適当)。
描写不足は確かに否めない感じでしたが、私の理解力が乏しいというのもまあ、あると思いますね(ほぼそれな気がしないでもない)。イチャラブとは違いますが、攻略ヒロイン達は以前から主人公に思いを寄せている一途系ヒロイン達ばかりだったので、そういった意味ではブヒブヒ出来た部分はありました。個人的には夕顔と朝顔のエピソードなんかはもっと見てみたかった気がしますね。全体的に短かったのが残念でしかたないです。
戦闘描写はまあ…正直言ってそこまで突き動かされるものは無かったのですが、ヒロインや級友は改造を施されて異形となり無差別に攻撃する言わば“化け物”のようなモノになるのですが、身体の自由は奪われるものの、精神は何ら束縛を受けていないので、イツカ君にどのような攻撃方法をしようとしているかであったり、能力の予想をアドバイスしてくれるんですね。そうやって共に異形のモノと戦っていく感じは胸にくるものがありました。しかしながら、状況説明と言いますか…次にやろうとする行動を主人公に教えるのは良いのですが、そのせいでテンポが悪くなり、真面目な場面ながらシュールな感じになっているのは残念ではありましたね。例えとして、
イツカ「夕顔も重力を操るのか!?」(イツカ君の能力は重力)
夕顔「違うよイツカ君!これ、多分磁力だよ!」
イツカ「そうか、それで鋼材か!」
夕顔の助言のおかげで、彼女の能力が俺にも想像できた。
といった具合にシュールさが出てしまうのはありますが、それでもヒロインや級友と共に戦っていく姿。葛藤しながらも友達を。愛する人を…人間のまま旅立たせてあげる場面は物悲しくもありましたが、同時にイツカ君の優しさを感じましたね。額にマークが出る時は大抵クラス内のカップルが一緒に…というパターンが多かったのも相まって愛する人と共に悪を倒し、二人一緒に旅立たせてあげる事が出来る面でも涙を誘いますね。
戦闘は基本的にイツカ君が仕掛ける→相手の能力が分からず相手から助言を貰う→そうか!それなら…!(被弾したりダメージ喰らう)→励まされる+アドバイス→悲しみや葛藤を振り切り勝利……というパターンが主なのでまあ、うん。戦闘は楽しかったですね…特に名言が多い。真面目なんだけれどもシュールな笑いが出てしまう。お気に入りは『ジャブは牽制っ、本命はその後の回し蹴り!』ですね。度々ツイッターで流れてきていたのもあり、「ようやくきたー!」と別の意味で興奮してしまいました。ヒロインが行動を教えてくれるのはいいんですが…こう…何か。わかって(念)。
そんな異形の存在となってしまう者達も種類があり、原型を留めていない程の…例えるならば、ヒーローモノの悪役のような容貌になってしまうキャラと原型を留めており、髪の色や瞳の色が変わるキャラ(こっちはヒロイン)に分かれるのですが、それでもヒロイン達を攻撃するイツカ君はどんな気持ちで戦っていたのだろう…と思うと心が痛い。ヒロインの場合、主人公と思いが通じて「やっとこれからだ」という時にマークが出てしまいます。それだけに主人公もヒロインも絶望感が凄いでしょうし、読んでいるだけでも「あぁ…遂にきてしまったか」と何とも悲しくなります。
上記の『ジャブは牽制っ、本命はその後の回し蹴り!』でもお馴染みの栞先生ルートの戦闘では非常に印象に残る台詞がありました。『考えちゃ駄目っ!目の前にいるのは敵よっ!味方は私だけっ!私の声にだけ、心を開いてっ!』という台詞。唯一の大人であり、イツカ君を支えてくれた栞先生。攻撃をどうしても躊躇ってしまうイツカ君に対して放ったこの台詞は深く重かったですね(?)。攻撃をすれば、当然ヒロイン達は呻くし出血もする。そんな心が壊れそうな状況でもイツカ君を励まし、身体の自由は失われようとも共に協力して…声に集中してイツカ君の罪悪感であったり、躊躇いを極力軽減してあげようとする栞先生との戦闘シーンはきっと涙が滲むに違いありません(私はちょっと泣いた)。
そうして改造を施されてしまったものの、皆で協力して“悪”倒していく…各ルートではちょこちょこと協力していく描写はあるものの、その描写は希薄でした。戦闘する当人同士であったり、点で協力していく形でクラス全体で、という形ではなかったんです。しかしながらトゥルーとなる晴香ルートでは、今まで一人で戦ってきたイツカ君に対して、級友が、幼なじみが、晴香が…決して戦闘の場となる裏山には来なかった皆がイツカ君と思いを共有するために集まるんです。皆が応援してくれて…支えてくれて心が軽くなり、殺してしまった後も殻に閉じこもる事なく普段通りを心掛けて学園生活を送っている様子を見て最後の最後で点と点で繋がっていた絆が線になった感じがして嬉しかったです。
特に印象深いのは純との戦闘シーンですね。サッカー部同士という事もあり、まるでサッカーの試合をしているかのような戦闘描写で…サッカーでの純の癖などを考えて突破口を作り、二人で勝利を掴み取るあの感じは親友である純ならではの戦闘シーンでしたしヒロインとの戦闘以外では一番のお気に入りかもしれません。純の『トドメだっ、イツカッ!本気のシュートを叩き込めぇっ!』の叫びからの本気の蹴り…シュートを決めて戦闘を終わらせた際の純の清々しい言葉…描写。これは泣いてしまう(わかる)。純の『………いいゲームだったよね、イツカ』からのイツカ君の『ああ………俺とお前のコンビプレーの勝利だ』の辺りが本当に卑怯なんでこの戦闘だけは真面目にディスプレイに張り付いていた記憶があります。……いや、特に真面目にって意味ですよ、うん。
そのような下地があったからこそ、晴香ルートラストでの戦闘での康介・理香・栞戦は凄かったですね。このような皆で戦うイツカ君を支え、共に分かち合う状況を作り出したのは、夕顔の日記を時間を跳んだイツカ君達(各ルートのイツカ君)に託された晴香。警察にイツカ君達の戦闘を発見されてしまい、無差別に攻撃を加えようとする栞達から警察を庇い瀕死の怪我を負ってしまう。その後は最早修羅。三人に苦戦していたイツカ君は怒り狂い三人を一気に殺してしまう。この部分は、晴香に対する愛が見れる一方で、今まで苦楽を共にしてきた三人を一気に我を忘れて殺してしまうので、残念でもあり、思いの強さを見せ付けられ…という形で短いながらも築いてきた二人の愛情が垣間見れるシチュエーションではありましたね。
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そう、イツカ君は優しい。級友を殺してしまった後はひたすら自己嫌悪の連続。泣き叫ぶ様子も描写もただただ悲しく、感情移入は中々出来ないのですが、この時ばかりは私もイツカ君と一緒に叫びましたね。
目が死んでいるのも、こうした経験をしてきているからこそのリアリティってやつがあってより涙を誘います。大抵、級友やヒロイン達は「またね」という言葉で別れを告げます。ありがちと言えばそうかもしれませんが、またいつか会える…というニュアンスを仄めかす事でイツカ君の心を少しでも軽くしようとしている上に「また純とサッカーが出来る日が来るのだろうか…」であったりとプレイヤーに対しても未来…即ちエンディングはどんな形になるのだろう?グイグイ引き込んでくる感じがしてましたね…(適当)。
正直に申しますと、私は委員長ルートを終えるまでそこまで不適格者にのめり込んではいなかったんですよね。攻略順序としては、奏→栞→朝顔→晴香の順番で攻略しました。委員長である奏ルートを終えるまでは「いい話だ…」とホロリときているだけでした。
しかしながら、委員長ルートは委員長ルートで普段通りの生活を続ける事でより一つでも多くの幸せを掴もうとした芯の強さ。『ええ。人間はいつかは死ぬ。でも生まれた時から、死ぬ時の事を心配し続けるのは馬鹿のする事よ』『だったら私達だって同じだわ。ショックな事に惑わされては駄目』という台詞や『暗い事を考えるくらいなら、私の事を想って』など主人公を励ます言葉が印象的でした。そんな普段通りの生活を続け、改造を施された事により絶対的な「死」が訪れる中でひたむきにピアノの練習を続けていた奏。『たとえ上手になれなくても、嫌いになる理由にはならない。』というイツカ君の言葉から段々とイツカ君に惹かれ、片思いしていた奏の愛らしさも然る事ながら、そうした奏の芯の強さ・ひたむきさが、反発して自棄になりかけていた豊島と桑田に生きる希望を与え、イツカ君も含めて四人で楽器を演奏するにまで至った展開には青春の風を感じました。
吹奏楽部の練習の音色…それはまさに青春の音色と言っても良いでしょう。たまに散歩などをしている時、ふと母校の近くを通りかかった時に聴こえるその音色は、聴く者にノスタルジックな感情を抱かせてくれますよね。心を締め付ける、不思議な魔力があります。そんな青春の詰まった楽器達を演奏する四人。短いながらも充実した日々になるに決まっている…確かに改造を施されていつマークが出るかも限らないこの状況。悲観するのではなく、いつまでも思い出に残るような…近い未来に額にマークが現れて死ぬ事になろうとも…この楽器を演奏している時の思い出が、楽しかったと思わせてくれる仲間達との日々が…掛け替えの無い救いとなり心を満たす事になるのだろう――そう思うだけでも、この四人で演奏している場面のやり取りは勿論、奏の額にマークが出た後での演奏シーンも最高の青春の一ページとなったに違いないですね…私は泣きました(涙腺ガバガバ)。ただ楽しみ、楽器を演奏する…見回りの用務員さんに怒られようとも、その怒られた経験も貴重な思い出の1ページとなると思うと感慨深く、そしてこれからの展開を考えると非常に悲しい。そんな思いでいっぱいです。
豊島と桑田に関してはあまり最初好きではありませんでしたが、豊島はどんどん好感度上がってきましたね。音楽や普段通りの生活を通して段々と笑顔になってくる様子が何とも言えませんでした。
そんな感じ(?)で奏ルートを終え、「あれ?もうエンディング!?嘘だろこれで終わりだったらヤバいぞ…!」と冷や汗が垂れてきたのですが、この後からの展開が非常に熱かったんですよね。もう私好みの展開で一気に惹き込まれてしまいました。どのルートもエンディングへの入り方が唐突でしたからね…。
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重力を操るイツカ君が、愛する者の死により現実を否定し、能力が暴走状態になり…何と時間移動をしてしまう。合唱コンクール当日の過去へと時間を跳び、改造される前にクラスメイト達を救おうと事件があった場所へと向かう!最高に熱い展開ですね!もう戦闘がシュールだとかイチャラブが出来ないとかそんな事はどうでも良くなっていました。ひたすら先が気になる!次はどうなる!?という気持ちでいっぱいで、どんどんテキストを読み進めていきましたね。
結果的に誘拐は阻止出来なかったのですが、アジトへ潜入したり…と過去を変えようと奮闘するイツカ君を見て私も思わず興奮していました。改造阻止に失敗し、敵の攻撃を受けて瀕死の状態で晴香と出会い夕顔の日記を託すんですね。こうして晴香以外の攻略ヒロインが3人おり、その3人のルートでそれぞれ過去へと時間移動をし、何とか改造を食い止めようとし、謎をばら撒いていく展開……もうこんなん心躍るしかないんだよなぁ…(大興奮)!!
攻略する毎に主人公の机に刻まれる晴香からのメッセージ。それは主人公が夕顔の日記に書いた改造阻止失敗の際の教訓……クリア毎に刻まれていくその文字のもうテンションは最高潮でした。失敗に失敗を繰り返し、それでも諦めないイツカ君。私は大好きですね。
まず最初の『大丈夫、あなたならやれる』という晴香からの激励のメッセージ。初回プレイ時はプレイヤーも「一体何の事なんだろう?」と不思議に思っていた事でしょう。晴香がイツカ君の顔を見て驚いた事から何か過去にあったのかな?という憶測はあったものの…まさかこんな壮大なお話だったとは!
その後も
『誘拐は阻止できない』
『東側を探せ』
『より強くなれ』
というメッセージが刻まれる。時間移動の際に「この机のメッセージはまさかこの事だったのか!?」ってなる展開は正直…大好きです。
『より強くなれ』の部分はしっかりと晴香ルートで修行描写があったものの、あれだけでは不十分だった気がするんですよね。結局晴香の死によって眠れる獅子を起こしてしまった状態のイツカ君+異世界イツカの行動に対しての怒りが振り切れた結果って感じも否めないような。愛の力、思いの力だ!という点では好きですけどね。特にラストは力技で捻じ伏せる展開が多かったイメージ。
異世界イツカが登場した際には思わず立ち上がって「きたー!」と叫ぶぐらい興奮しました。理由は凄く見慣れた顔だったからです。ツイッターのフォロワーさん達に“真の不適格者”が多い事もあり、異世界イツカの紡ぐ言葉のキャプはプレイしてないのにほぼ見た事がある…といった不思議な感覚に見舞われました。『そのマーク!君は不適格者か!』は勿論、お馴染みの『時間を超え、因果を覆す、万物の敵対者!あらゆるもののコントロールを受け付けない、真の不適格者だ!』という台詞が出てきても大喜びしました。勿論即スクショ撮りました。このように、不適格者は名言(迷言)が非常に多く、プレイしているだけでも楽しい。愉快な気持ちやヒロインやイツカ君の心情を思い悲しい気持ちにもなれますし、あらゆる場面で多様な楽しみ方が出来るわけですね。そうだろ、イツカ君…。
最後の戦闘は正直置いてけぼりくらった感じですね。イツカ君はパートボイスだったのですが、異世界イツカ君はしっかりフルボイス。梅咲チャーリーさんの美声に酔いしれる事必至!あの声で『そのマーク!君は不適格者か!』って言われたら笑う前にまず「うわぁカッコイイ!」ってなりますし卑怯なんですよね。
結局異世界イツカも「別の世界を効率的に侵略する手段を模倣している」と言っておきながら異世界イツカも操られていたというオチだったのは安堵はしたものの、謎を残して終わる事になったので、周回プレイも視野に入れ、もっと理解を深めたいところ。ツッコミどころよりも異世界イツカとの戦闘後の異世界イツカの『なあ、イツカ君。君は朝顔と夕顔、どっちが好きだったんだい?私には結局、決められなくてね………』という同じ悩みを持ちながらも操られ、幼い日の朝顔と夕顔を守るという約束を果たせずにいた異世界イツカの心境の吐露には思わず泣きかけましたね…こういう話弱いんですよね。きっと泣きそうになったのは私だけだと思うのでまあ、うん。
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全て終えた後、改めて晴香が転入してくるのですが、その際にクラスが全員揃っているという状況にとてつもない安心感と「悪夢が終わったのか」感があって嬉しかったですね。ニクイ演出もしてくれて、今まで晴香は激励の言葉と時間移動したイツカ君が残した攻略メモをヒントとして机に刻んできました。最後の最後でまたメッセージを刻み泣かせてくれましたねぇ…にくい(ここは泣いたのは私だけではないはず)!
『あなたは全てをやり遂げ、ここへ帰ってきました。おかえりなさい』
という言葉に、時間移動も、不適格者であった出来事も無くなってしまったイツカ君が涙を流すんですよね…こういう展開弱いから本当に最高でしたね…。清々しい気分で作品を終える事が出来、非常に満足した記憶があります。
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良い点悪い点はありましたが、私は楽しめましたね…こう、確かに色々考察し出したり、粗を探してしまったり…整合性云々と言い出すとそれは色々ある事だとは思います。しかしながら、ガツンと勢いを付けて一気にプレイする分にはお手頃ですし、そこまで悪い作品ではありませんでしたね。特に何も考えずにプレイする分には問題はありませんでした。ブヒゲーマーとしては、ヒロインとのイチャラブも注目したかったところではあるのですが、まあ…それは仕方ないですね。プレイした余韻も続いていますし、私は好きな作品でした。
またこの「放課後の不適格者」はBGMが最高に良いんですよ。タイトルBGMの「スノードーム」や「世界を探して」、「校舎の影」などがお気に入りですね。BGMのお蔭もあってより作品の雰囲気に入り込めたし「ん?」という場面でも集中出来たのではないでしょうか。サントラとか無いんですかね(欲しい)。
こうして放課後の不適格者をプレイした人が増える事で……不適格者は連鎖し、新たな不適格者を生む。次の不適格者は一体……(適当)?