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sakurassさんの真・恋姫†夢想 -革命- 劉旗の大望の長文感想

ユーザー
sakurass
ゲーム
真・恋姫†夢想 -革命- 劉旗の大望
ブランド
BaseSon
得点
69
参照数
916

一言コメント

キャラゲーとして割り切って楽しめる人なら佳作。蜀ルートは主人公が一番無能な上にヒロインもアレなので人を選ぶのは間違いない

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

恋姫は萌将伝で嫌になって以来、久々のプレイです。

概要としてはシナリオは恋姫と真恋姫を合わせて更にボリュームを大幅増加させたような感じ。
チャプター間の個別シナリオはともかくEDは全く同じではないので既存ユーザーも目新しさはあるはず。
個別は全部選択出来るので1周で終えられるのは良い。
あとあのクッソつまらない戦闘を最初からスキップ出来るのも良い。
これだけ昔の作品となれば仕方がないかもしれないが、何人も声優変更。違和感しかない。

中身だが、まず特筆すべきはボリューム。
インストールした時点で分かっていたことだが本当に長い。
蜀のキャラゲーとして期待している人には、これだけのボリュームはこれ以上ない満足出来るものだろうが
シナリオ的には無駄に長いと感じさせるだけだった。
理由は簡単、中盤以降は同じようなパターンを延々繰り返すだけだからだ。

劉備「話し合おうよ」
敵「文句があるなら倒してみろ」
劉備側勝利
敵「負けた、好きにしろ」
劉備「やったー分かってくれた!」
敵「なんなのこの子・・・」

この茶番の繰り返しなので後半は流し読み状態だった。

そして蜀ルートが嫌われるもう一つの大きな理由は劉備と主人公というツートップが無能すぎるから。
このルートの主人公は基本的に役立たず。知恵を生かす場面もほぼほぼ無い。
そして殴られようが嫌われようがあげくのはてには殺されそうになろうが女相手ならニコニコというか
ヘラヘラしていられる脳に損傷でもあるのではないかと思うような気持ち悪さと人並みの気遣いだけで
周囲全員から惚れられる意味不明さ。
その上、お約束のどんな相手でもイかせる超絶テクの高校生って何?っていう。

劉備も「自分は何も出来ないけれど全部守りたいからなんとかして」
史実(というか演義)では仁義や徳を建国統治の手段としていたが、こっちはそれが目的
呉ルートで劉備側の人間を狂信的で危ない連中と評しているがまさにこの印象。
キャラは嫌いではないがシナリオは「気持ち悪い」が先に来た。

戦闘描写も
「カキーン」「ガコーン」
「む、やるな、だが負けん!」
「カキーン」
「うわあああ」(以下略)
これだけのボリュームでこんなのが延々と続くのでもういいよ!ってなる。

この演義を適当に改変して引き延ばした薄っぺらい内容なら真恋姫の方が短く上手くまとまっていて良作だったと思う。

私は三国志モノは手を出したくなるのでプレイしたが、よほど好きでなければ蜀はオススメしない。
萌えゲーアワード金賞らしいけど、よく見たら金賞だけで毎年30作品くらい受賞するのね・・・