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sakuranomoriさんのChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-の長文感想

ユーザー
sakuranomori
ゲーム
ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-
ブランド
インレ
得点
95
参照数
287

一言コメント

歴史ものの傑作のひとつ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

GIKEIが面白くて、みんなの評価読んでたら「忠臣蔵の方がよかった」みたいなのが多かったのでプレイ。

評判がいいのは知っていたけど、エロゲの歴史モノは適当なのが多い中、インレはブランド買いしていいくらいちゃんと作っている。
もともと歴史は好きなので赤穂浪士事件を調べて登場人物を全部女にして・・・
っていう安易な萌えパターンものではなく、歴史に物語をうまく絡ませ、
ラストまで結構長いけど飽きずにプレイできた。

主人公は歴史の赤穂事件で確か一人だけ討ち入りに入って行方不明になった人がいたはずで、
それが未来から来た主人公という設定なのかなぁと軽くおもってたけど。

最初の1章から3章は純粋なタイムスリップ歴史ものとして楽しめる。
赤穂事件の最後は全員切腹なのはみんな知っているけど、討ち入りなんてのは暴挙でしかない。
現代でいうと「裁判の判決に不服、悪いのは被告。被告を許さない」という現代だったらひどいはなし。
そんな話が今でも愛されているのは、「忠義もの」だから。
その本質を崩さないのはすごくよかった。「武士道とはなにか、なぜ死ぬのか。」
現代から来た主人公は最初それがさっぱりわからないが最後はその精神を理解できる。
そういうテーマにもフォーカスをあててすごくおもしろい。
エロゲの安易な歴史ものはこの辺の時代の本質を大きく外し「萌え」を大きく打ち出してくるので
あまり興味なかったけど、インレの歴史ものは大好きになった。
シナリオ作っている人すごいよね。相当歴史や時代をよく知っているとおもう。

どっぷり江戸時代の楽しい毎日にひたってしまい、3章の最後でとても寂しい思いで終了。
その後は現代が絡んで、話は大きくかわって、赤穂事件に対する歴史の見解が全く違う人がでてくる。
この視点もなかなか面白い。
「まぁ武士道とかで美化されているけど、ぶっちゃけ赤穂事件ってテロだよね。」
ていう視点をもっている人と主人公が対話していく。
この辺は面白くないって感じる人もおおそうだけど、自分はすごく好きだったな。
歴史で悪役とされた人達は「本当に悪いやつか」と言われれば、家庭をすごく大事にする良い人だった
なんてのはよくある話。

最終章は、今までの仲間全員でてきてオールスターでファンタジー。
最後まで歴史モノでいってほしい人はこの辺はうけつけないかも。
日本のRPGあたりでよく見かけるパターン。全員登場で真の敵をたたかうーー。みたいな。
俺はそういうの大好きだ!

とにかくことごとく自分のツボにハマる展開とストリーだった。
GIKEIと基本的な物語の作りかたは近い気がするけど、どっちもちゃんと王道してて面白い。
多分タイムスリップとかはファンタジーな方向でもっていく方が収集がつき易いのかな?
史実とかけ離れたゲームらしい素敵なエンドですごく気に入ってる。
これぞまさにエロゲだよね。

ファンディスクあってよかった!
まだこの世界の話が読めるんだ
と40過ぎの糖尿のおっさんにおもわせてくれる久々に楽しいゲームだった。

なので早速武士の鼓動買ってくる
でもそれ終わったらもう続きでてこないんだよね・・うーん寂しい

GIKEIのファンディスクはよ