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sakurakanonさんのStarTRainの長文感想

ユーザー
sakurakanon
ゲーム
StarTRain
ブランド
mixed up
得点
90
参照数
1011

一言コメント

前作メジャーデビュー作品が冴えず低評価によりブランド信用力低下。 物語世界観から察するに、開発遅れによる発売遅延が窺え、システム面等に懸念材料があったものの、本作では前作の反省をしっかりと活かし、各所で巻返しを図り克服し大幅に良化している点に注視。 OPは秀逸、絵、音楽何れも上位級のデキ、前半軽快・後半シリアスな良い意味で『読める』シナリオも好印象。 各ヒロインの配役は絶妙かつ見事で、キャラの魅力は抜群。 本作品を軸にブランドの再生を目指す意気込みが感じられたデキ。 

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 
 久々に、長文感想、
 各ヒロインごとの感想というよりもむしろネタっぽい何か、
 を以下に、纏めてみます。
 
 
 
「……ごめんね」
「本当に、ごめん」
「無駄に長文で、ごめんさない」
 
 
 
  
 
 
 長文感想(激しくネタバレ等に注意)   
 
 
 
 
 
 
ごく一部で公表した、
各ヒロインシナリオの「本作品発売前2週間前の予想」、
あくまで「事前予想」したネタ(一部修正・削除済み)。
 
 
(敬称略 順不同)
 
◎ 遠日奏 CAST:風音
まだまだ上昇余地充分な名手をヤネに、
シナリオともども、耐えて耐えて我慢して、
最後にやっと報われる「君望水月シナリオ風」を予測。
シナリオ&キャストともども上位クラスで期待大。
 
 
○ 藍田奈美=羽田七美? CAST:安玖深音
シナリオの展開で恵まれ、
上位争い必至。 底力にも注目。
「君望遙シナリオ風」を想定。
 
 
▲ 夢原飛鳥 CAST:みる
スルスルっと先行して、
意外にも、そのまま押し切れる力ありそう。
絵&キャスト&キャラの好マッチを評価。
 
 
 
そして、何よりも、注目は、やはり、この人、
 
特注目 神崎蓬 CAST:長瀬桃花
 
 
ミクストアップ ミステリー 調査隊 レポート
(通称 MMR)
 
我々、MMRも、
今回のスターティレインで、特別に注目すべきキャラは、
満場一致で「神崎蓬」であることに、疑いようもなかった。
 
順を追って、注目ポイントを挙げていくと、
 
 
注目ポイント
 
①他3人の有名CV勢に対して、
神崎蓬役に、(削除済)長瀬桃花さんを起用している。
 
②HP音声サンプル、神崎蓬と神崎高音(母)の会話で、
母が娘に対して、あまりにも理解が良すぎる。
 
③オープニングデモムービーにて、
神崎蓬は、ハンディムービー(デジカメ)を扱っている。
 
④オープニングデモムービーにて、
神崎蓬と主人公が、旅行っぽく並んで歩いている。
 
⑤ゲーム体験版にて、
神崎蓬が彼氏(?)に振られても、
どこか悟った諦めっぽい雰囲気があったこと。
(↑ このあと主人公の恋の相談にのってあげてアドバイス)
 
そして、最も特別なキーワードになるやもしれないポイント、
⑥ゲーム体験版にて、
七月中旬頃、主人公が自分の部屋で、
先々先輩と旅行に行きたいと考えて、
部屋のPCで旅行に詳しいサイトを検索、読んで、
さらに、その旅行サイトからリンク先で、
助からない病気にかかりながらも、
死ぬまでにやっておきたい(旅行や恋)を願い、
書き綴ったサイトを、主人公が少し読んでいたこと。
 
 
MMR「!? 」
 
MMR「こ、これは、まさか………」
 
MMR「……死ぬまでにやっておきたい(旅行や恋)を願い、
    書き綴ったサイト………」
 
MMR「このサイトの管理者であり、悲しい当事者こそ……」
 
MMR「神崎蓬、その人では、あるまいか!! 」
 
 
 
 
MMR一同 「な、な、なんだってーー!!!! 」
 
 
 
 
予測&解説編
 
ポイント
⑥ゲーム体験版にて、
七月中旬頃、主人公が自分の部屋で、
先々先輩と旅行に行きたいと考えて、
部屋のPCで旅行に詳しいサイトを検索、読んで、
さらに、その旅行サイトからリンク先で、
助からない病気にかかりながらも、
死ぬまでにやっておきたい(旅行や恋)を願い、
書き綴ったサイトを、主人公が少し読んでいたこと。
 
これが、神崎蓬その人であるとすると、
①から⑤までの事象が、「伏線」として浮かび上がってくる。
 
 
①他3人の有名CV勢に対して、
神崎蓬役に、(削除済)長瀬桃花さんを起用している。
 
CVの知名度の少なさも、シナリオの爆発力でカバー、
っていうか、もし、この読みがあたっているとすれば、
実は、真のヒロインは神崎蓬になるというサプライズ。
 
  
②HP音声サンプル、神崎蓬と神崎高音(母)の会話で、
母が娘に対して、あまりにも理解が良すぎる。
 
もし、母親が、娘の命の先が短い事を知っていたとしたら、
せめて生きているうちに、娘の願いを出来る限り、
アシスト、理解し行動するのは自然であり必然。
 
 
③オープニングデモムービーにて、
神崎蓬は、ハンディムービー(デジカメ)を扱っている。
 
旅行に行きたい、あるいは、そのサイトを運営しているのが、
神崎蓬であるとしたら、、、
風景を撮影、サイトに載せる為にも、
ハンディムービー(デジカメ)は、まさに必須のアイテム。
 
 
④オープニングデモムービーにて、
神崎蓬と主人公が、旅行っぽく並んで歩いている。
 
旅行に行きたい、あるいは、そのサイトを運営しているのが、
神崎蓬であるとしたら、、、
旅をするという、蓬の願い、一つ叶った………
旅行っぽく並んで歩いているシーンは、必然であり当然。
 
 
⑤ゲーム体験版にて、
神崎蓬が彼氏(?)に振られても、
どこか悟った諦めっぽい雰囲気があったこと。
 
彼氏(?)に、神崎蓬自身の病気の事を打ち明け、
そして、引かれてしまって離れていってしまって、
またか、と、悟った諦めっぽい雰囲気も納得。
 
 
更に、追加事項として、
HPの「物語紹介世界観」にて、注目点も、
 
『神崎蓬は、不思議な言動を繰り返した。』
『自分の存在を確かめる為に、』
 
これって、つまり、
「近い将来、消え行く運命」、「自分の存在が亡くなること」を、
神崎蓬本人が、知っているのでは?
 
 
そして、同じく、
 
『傍から見ればどうでもいいようなことなのかもしれない。』
『かと思えば、本当に辛い悩みなのかもしれない。』
 
この、「本当に辛い悩み」というのが、
蓬自身の「残り短い時間」を示しているのかも……しれない。
 
 
 
 
MMR「神崎蓬、彼女こそ、真のヒロインでは?  」
 
MMR「………残り少ない時間をわかった上で、」
 
MMR「それでもなお精一杯生きる彼女のシナリオこそ、、」
 
MMR「スターティレイン、彼女が、輝く星に生まれ変わる…」
 
MMR「夜空には、今もなお、彼女の優しさと面影が………」
 
 
 
 
 
MMR「MMRは、ズバリ、神崎蓬シナリオに特別注目です。」
 
 
 
 
 
 
 もしも願いが一つ叶うなら
 
 留まる切なさをかき消して
 
 「サヨナラ」 戻らぬ恋から始めよう
 
 君と歩き出すその向こうに
 
 
 
もしも、願いが一つ叶うなら、
神崎蓬、彼女の願いは、きっと、……………
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
上記、
以上が「本作品発売前2週間前の予想」、
「事前予想」でしたが、
 
 
さて、結果は、
 
思 い っ き り 読 み を 外 し て い ま す よ ね !
 
 
思い過ごしも勘違い、勝手に死んでバッド、と申しましょうか、
発売前「事前予想」は、見事に読みを外しました。
ぶっちゃけ、今、これを読み直しても、ネタとはいえ「痛すぎ」です。
 
 
外したというか惑わされた最大の原因が、
 
-CAST-
【藍田奈美・羽田七美】 安玖深音
 
一見二役にみえるキャスティングも、
二人の名前の読み方に、近いもの【あいだなみ・はたななみ】があって、
主人公と七夕の別れ以後、もの凄くつらい出来事が後に降りかかり、
記憶喪失ないし記憶障害、もしくは何らかの事情があって、
藍田奈美が「羽田七美」と名乗り、
主人公と、再び再会し、そして物語が動き出す………
そんな恋の物語。
 
………かと思えば、
「藍田奈美」、「羽田七美」、
まったく無関係の別人とは、これまた正直、意外杉でした。
 
一見、プレイヤーに、藍田奈美=羽田七美?という風に読ませる手法、
ミスリードが上手だったのか、あるいは………?
 
 
 
 
 
すでに、長くなりすぎな本文、
以下は、クリア順に、簡潔に。
 
 
 
神崎蓬シナリオ 
『自分探し』で、なんだかなぁという感想を持ったシナリオ。
期待感が激高かっただけに、悪くはないが正直平凡な印象。
 
 
 
夢原飛鳥シナリオ
祭りのシーンでの誤字脱字 飛鳥が鳥と表示 鳥って誰やねん?
ふぁみこんネタ 「一揆」「スーパーマリオ」「ボンバーマン」が素敵杉。
「祭りの後 変な注射打たれて、のど掻き毟って死んでまえって」
ひぐらしネタ、パロディが良い按配。
 
貧乏というか、ワーキングプアっぽかったり、母親のみのハンデありで、 
「他の子は持っているのに、なんで自分は持っていないのか」と、
後半はシリアスに、母と子の絆でまとめる、
予想どおりに、まずまずのシナリオ。
 
 
 
遠日奏シナリオ
ネタとしては、
つ 






このオチをみた時に、ふと、
すーぱーふぁみこんの「かまいたちの夜」、宝捜し編、







が、自然と浮かんだ時点で、
その、色々と思うところがあるものの、それはまた別のお話し。
 
とにもかくにも、
耐えて耐えて我慢して、
最後にやっと報われる「君望水月シナリオ風」。
このシナリオで、本作品の評価 水準→良作品。
  
 
  
羽田七美シナリオ
『七月、主人公が自分の部屋で、先々先輩と旅行に行きたいと考えて、
部屋のPCで旅行に詳しいサイトを検索、読んで、
さらに、その旅行サイトからリンク先で、
助からない病気にかかりながらも、
死ぬまでにやっておきたい(旅行や恋)を願い、書き綴ったサイト』
これって、=羽田七美で、ファイナルアンサー?
ミスリードがありつつも、ある意味想定内。
このシナリオで、本作品の評価 良作品→名作品の二歩手前
 
 
 
 
 
 
難易度は、完全自力攻略可能なイージーで、物語の進行はスムーズ。
 
プレイ時間は、
共通シナリオ約4時間、
各ヒロインシナリオ約5時間×4人=20時間
およそ24時間で、フルコンプ可能。
 
 
 
  
総論。
 
 
減点材料。
各ヒロインごと、シナリオのバラツキ上下幅が結構あったこと、
やはり気になる誤字脱字があったり、
初回版付属のサントラCDには、
OP曲ED曲ともにショートサイズしか収録されておらず、
フルサイズで普通に聴きたかったら、
別売りの「StarTRainマキシシングル」、
あるいは、
「StarTRainオリジナルサウンドトラック」を購入せねばならないというのは、よくありがちとはいえ、メーカー姿勢、販売方法に早くも黄色信号。
………ぶっちゃけ、付属のサントラCDがあるのだから、分割販売せずに、
フルバージョン曲も入れて欲しかったという願い。
暖かいだけじゃなく冷たい――でも買うかもしれない。
そんな商売の物語。
 
 
加点材料。
OPは秀逸、絵、音楽何れも上位級のデキ、
前半軽快・後半シリアスな良い意味で『読める』シナリオも好印象。
各ヒロインの配役は絶妙かつ見事で、キャラの魅力は抜群。
とりわけ、名脇役の白雪麻衣子が、
各シナリオで活躍しすぎるぐらい活躍し、
物語のテンポ、味調整の一役をしっかりと担っており、
作品の魅力向上に貢献著しい。
 
 
 
  
《Are you happy?》
つまりは、
『幸せを迷い探し出すのではなく、(身近な)幸せを感じるようにする』
そういうメッセージ、でしょうか。 
 
そういう意味で、全体的にシナリオは、
『家族計画』や『パルフェ』と路線(絆)が近いように思いましたし、
読み終えた後味は、すこぶる良好でした。
 
 
 
 
 
 
最後になりますが、
文章は、要点を要領良く簡潔に、
長ければ良いってものではありません。
だから、
 
 
 
「……ごめんね」
「本当に、ごめん」
「無駄に長文で、ごめんさない」
 
 
 
 
 
長文、御一読の程、
本当に、ありがとうございました。