自分を見失った時、必死で探した 『たった一つの大切なもの』 あなたの心の中に、『夢』はありますか？ 何かとても大事なことを、見ないフリはしていませんか？
ゲームをインストし、さあいざプレイとフルスクリーンにした途端、
画面全体が不気味な色合い（１６色）で埋め尽くされ、解読不能……。
サークルＨＰをすぐに確認すると、
どうやら当方の環境（OSはME、GAボードのドライバ）が原因……？
修正パッチ・ファイルも未だ（発売後約１ヶ月経過）公表されていないので、
久々のウインドモードで仕方なくやるせなくプレイ。
誤字脱字が目につくのは同人クオリティなら、ある意味デフォだとしても、
セリフの枠（ふきだし）そのものが度々入れ替わって、
男の主人公が女性言葉で、突然、語りだしたり、
ヒロインが、突如、男らしくかっこいいセリフを言い出す素敵不具合。
……型にはまらない新たな手法（技術）ですか？
不具合に遭遇した時、必死で探した『たった一つの大切なもの』
スタッフは発売前に、『デバッグ』を行いましたか？
何かとても大事なことを、見ないフリはしていませんか？
さて、シナリオ。
テキストを読んでまず思ったのが、
「うーん、若いなぁ」という感じ。
なんというか肩に少々、力が入りすぎているというか、
いっぱいいっぱいで書こうとしているというか、
文章がシンプルというところ。
けれども、
背伸びをせずに自身の言葉で、
『いい文章』を書こうとせずに、一生懸命に自身が描きたいシナリオを、
最後まで綴った事、
物語の舞台設定、各ヒロインの境遇を上手く活かして、
最後まで話しが綴られていた事は、好印象。
シナリオ、キャラ設定がしっかりしていたからこそ、
元々魅力ある『絵』が、ヒロインの魅力をさらにアップさせ、
各キャラが活き活きと描かれる。
あと特筆すべきは、
エンディング・エピローグの丁寧さ。
絵、音楽、そして、シナリオと、
それぞれがしっかりと仕事をしており、見事な相乗効果にて、
各ヒロインともに、『読後感』は、抜群に良い。
短所もかなりあり、
長所も充分に持ち合わせた、それなりの良作品評価、
で終わらない、終わらせないのが、
クリア後に現れる『サイドストーリー』。
物語の視点が、主人公サイドからヒロインサイドに移って描かれる、
ショートストーリーの数々。
……これで、やられました。
総評。
バグ多め、システム今ひとつも、
絵は抜群、キャラの魅力充分、シナリオ、音楽水準以上、
そして、クリア後の満足感は高め。
値段もお手ごろ、
プレイ時間も、自力フルコンプ約６時間、社会人にもやさしい仕様にて、
感動という大作ではないが、心地良さを充分に味わえる、良作品。
次回作も、更なる上積み、期待充分……あ、バグは少なめでお願いします。
長文、御一読、
ありがとうございました。