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sakurakanonさんの俺たちに翼はないの長文感想

ユーザー
sakurakanon
ゲーム
俺たちに翼はない
ブランド
Navel
得点
90
参照数
950

一言コメント

 速筆であられるライター大先生と、ヒロイン多彩な表情が魅力の絵の御大により紡ぎ出された、すすみません、閻魔様に舌を抜かれますので以後自粛。 本題、各主人公・ヒロイン展開により、上下のブレは大きく、やや冗長かつ躁鬱激しいシナリオながら、超抜のCVも手伝って、キャラの魅力は高く、物語として痛さを伴いつつも面白い。 ゲームクリア後に、やはり何か始まりそうな予感を感じつつ、『 この作品が平穏でありますように 』。 

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 
 
最初に、
ライター王雀孫さんの、「言葉の飛び道具」、
本作品の、
小粋な小ネタの数々をちょいとピックアップ。
 
 
羽田鷹志編。
主人公、ゲームが趣味ということで、
 
名作ゲームネタ
・ドラゴ○クエスト
・ゼル○の伝説
・信長の○望
・ときめ○メモリアル
 
その他ゲームネタ
・SHUFFLE!
 
 
千歳鷲介編。
主人公が出版関係、ライターのアルバイトをしているということで、
 
漫画ネタ
・はっぴ○直前
・バリバ○伝説
・ハレン○学園
・守って○げたい【歌ネタとも併用】
(星くず○ラダイス)
 
歌ネタは、成田隼人編中心に多数あり。
 
 
『フリッキー5』
ミルキーウェイを切り、ピーターパンのように、
《滑走する》ということで、
名前は「フィン○ー5」っぽくもありつつ、
人数は兎も角、実体は、「光○ENJI」ですよね?
 
 
と、上記のとおりに、
実生活において、知らなくても困らない趣味ネタ・雑学が、
そこかしこ随所に散りばめられた、本作品。
ちょっとばかしOldテイストのネタ多数ゆえ、
 
何処ぞのテキストで、
『スーパーカー消しゴムをぶつけるぞ、こんちきしょう』
とか、大爆笑したんですけど、その、ね、
、、、伝わりにくいかも?
 
そういう意味では、
テキストに関して、文章・ネタの意味を理解し、
本作品を『楽しむ』にあたってのハードルは、ちょい高めかも、
面白いんだけども、伝わりにくいネタも少なくなさそう、かも?
 
 
 
以下、
各章の簡単な纏め。
 
痛い、凄く痛い主人公達と、
悪役街道猫まっしぐらの悪役どもと、
不愉快不快な思いを抱きやすい悪友達によって、
高められる、癒しのヒロイン達。
それはきっと何処にでもある、ありふれた物語ではなく、むしろ(自主規制)ふれた物語。
 
羽田鷹志編は、
ダブルヒロインにて、
両ヒロインともに、堅実味あり。
女性徒Aも、しっかり。
 
成田隼人編は、
香田亜衣がメイン同然魅力断然。
鳳鳴は善戦どまり。
 
カローラようじ??は、
躁鬱激しいシナリオながらも、ヒロイン安定底堅い。
 
そして何より、
感情移入し易い&応援し易い主人公は、千歳鷲介。
ラブコメ王道どんと恋のシナリオは終始かろやか、
テーマ曲『きんきんクールビューティー』は最高、
絵も、旧アレキサンダー制服着用正面立ち絵良く、(ほ、本当ですってば)
演技力、魅力あるCVの好演技にて、
ヒロインキャラ魅力は抜群。
「んむむむむむ」(わかりました)
これこそまさにタマイズム、
玉泉日和子シナリオは、マーベラス&ワンダフル!
 
総じて、
メリハリある各主人公&ヒロインも、
最後は、綺麗に収束し、どんどはれ。
 
 
残念な点は、
各ヒロインと結ばれてから、
エンディングまで早く、エピローグも短すぎるという事で、
その後のアフターストーリーや、ヒロインの補填を実施し、
 
俺たちに翼はない ~concerto~ (仮称)
2010年冬発売予定
2009年5月4日開催の『Live in TOKYO か○ら2009』で発表。
 
と、如何にもなファンディスクを『予想』してみましたが、
実際は、どうなりますか。
 
あ、そうそう、余計な特典商法はせずに、
作品の中身を充実させて欲しいですよね。
 
 
 
総評。
 
ユーザーに対するメーカー姿勢は、
高額有料体験版や、52,500円ライブなど、ネガティブというか最悪の部類も見受けられるが、
作品単体としては、
痛さを伴いつつも面白いシナリオに、場面に都度ジャストフィットした音楽、
男性陣、女性陣、メイン・サブキャラともに抜群のCV勢にて、キャラクターの魅力は堅実。
演出充実、とりわけシステム関係は、快適で最適にて、
『楽しめた』というよりも、むしろ『面白かった』本作品。
 
手放しで褒めちぎることは出来ないものの、
総合的には『名作品』到達の完成度かと思います。
 
 
 
 
長文ネタ、
御一読の程、
有り難う御座いました。