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sakurakanonさんのリアル妹がいる大泉くんのばあいの長文感想

ユーザー
sakurakanon
ゲーム
リアル妹がいる大泉くんのばあい
ブランド
ALcotハニカム
得点
90
参照数
2735

一言コメント

 ”看板(パッケージ)”に、良い意味での”騙し”あり。 

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 
 
ラノベ風の本作品ゲームパッケージ。
 
〔妹に罵られて喜んだり、今時、お風呂で妹と「ゾウさんごっこ」をするお兄ちゃん。〕
〔色々と残念極まりないですが‥‥‥〕
〔 本当に残念なゲームです。 〕
 
などとアピールしつつ、
コメディ全開かつ、やや重いテーマにも真摯で紳士に取り組み、
そして何より、
プレイヤーを、良い意味で泣かせる気満々の物語、
本作品が、よもやの”感動系”作品とは、
遠野そよぎさんだけに、”夢”にも思いませんでした。
 
面白く、それなりに楽しめる良作品を想定していただけに、
良い意味で、まさに”騙され”ました。
 
 
 
クリア順、個別ルート感想
 
 
妹尾美紀ルート 70~90点
 
美紀は、終始”イイ奴”タイプ・積極的且つ魅力充分なヒロインで、
美紀ルートのシナリオは、しっかりと堅実、安定推移で、納得のデキでした。
 
 
大泉麻衣ルート 40~80点
 
ルート中盤、麻衣が「どーてー、どーてー」しつっこく言っているシーンは、
やや失速気味、麻衣って、頭がよわ‥‥じゃない?と思わせるぐらい苦戦、
伏線っぽい展開もわかりづらく、
引けピンのラストで、なんとか格好をつけた感じでした。
 
  
大泉栞ルート 90~100点
 
ルート開始早々から、目頭が熱くなっていく展開、
抜群の好スタート、麻衣(舞)って、天使じゃない?と思わせるぐらい、
「handsonic」、もとい、病気が篤く、人情に厚く、ネタに暑く、終始熱い展開で、
素晴らしく纏った良い意味での感動の物語でした。
 
 
 
 
 【 以下は、激しくネタバレ注意 】
 
 
栞ルート、
エピローグ・ラスト&タイトル画面の、物語結末ですが、
 
月吉舞は、病院に戻った後、
 
解釈①→ 全てを受け入れ、残り短い時間を覚悟の上で戻るも、
最後の最後に、神様のきまぐれ?で、舞は奇跡的に助けられた。
 
退院後しばらくの時が過ぎ、舞は二人の兄妹と”偶然”すれ違う。
そして、
舞と兄妹、三人の新たな物語が”はじまりの唄”と共に紡がれていく。 《HAPPY END》
 
 
解釈②→ 全てを受け入れ、残り短い時間を母と共に穏やかに過ごし、
精一杯駆け抜けて、そして安らかに息を引き取っていった。
 
神様は、最後の最後に、ご褒美として、
亡くなった舞の想いと、二人の兄妹を”必然的に”すれ違わせて、
兄妹二人の物語は”はじまりの唄”と共に揺ぎ無くしっかりと紡がれていて、
舞を安心させる。 《TRUE END》
 
 
舞は、最後『助かった』または『助からなかった』、
いずれのエンドにしましても、
エピローグラスト&タイトル画面への見事な演出、
『救われた』物語の結末は、綺麗な最高の纏め方だったと思います。
 
 
 
 
おまとめ
 
作中、 
舞の視点・独白&BGM”Dear little sister”が流れます組み合わせで、
道中、2、3度、涙がうるっときましたが、
栞ルートラストの方は、涙腺が大変なことになっていました。
 
本題、
ライター・おるごぅる氏の奏でます、
偏りのないとても正統派の主人公とリア妹のハーモニーは、
予想をはるかに上回る美しい音色のピュアストーリーにて、予想外に泣かされました。
ボリュームもフルコンプまで約12時間弱で着地、
ミドルプライスなら、プライス&バリューも高評価。
何れのヒロインも魅力大のCVと、魅力激高の絵、
面白物語かつ感動エピソードも充分で、『名コンビ』、
良い感じに楽しめて、クリア後は爽やかに、少し優しくなれる作品でした。
 
 
 
 
 
長文感想、御一読の程、
ありがとう御座いました。