田舎の雰囲気を醸し出しつつも、伝奇モノであり、謎解きモノ、そして『ダーク』要素満載で、ご都合主義にさようならの、傑作再び。 低価格ながら、改良、追加要素、おまけも充実、プライス&バリューは文句なし。 本題、悲惨で悲しく痛すぎるバッドエンドの数々と、手放しでは喜べない、痛みを伴うハッピーエンド。 9年越し、名作品への道のりは、果てしなく遠かったものの、『悲願達成』。
最初に、
本作品を、より楽しむ為の、『時代背景』の確認です。
Wikipedia によりますと、
『バブル景気』とは、
【概ね、1986年12月から1991年2月までの4年3か月(51ヶ月)間を指すのが通説であり、
過度な投機熱による資産価格の高騰(バブル経済)によって支えられ、
その崩壊(バブル崩壊)とともに急激に後退。】
【バブル期には、投機熱が加速、特に株と土地への投機が盛んになった。
なかでも「土地は必ず値上がりする」といういわゆる土地神話に支えられ、
転売目的の売買が増加した。
地価は高騰し、数字の上では東京23区の地価でアメリカ全土を購入できるといわれるほどとなり、
銀行はその土地を担保に貸し付けを拡大した。
資産価格高騰は資産保有者に含み益をもたらし、
心理的に財布のひもをゆるめる資産効果によって消費が刺激され、
景気の過熱感を高める効果もあった。】
【バブル期には、大都市等の優良な土地の高騰にとどまらず、
収益の見込めない遠隔地の土地もリゾート開発を名目に相当の値段で取引された。】
本作品、元の発売は、2000年6月30日と9年以上前に遡りますし、
物語の舞台は、1980年代ですので、今から実に20年以上前になります。
ですので、ある意味必然、全体的に、古い感じです。
20年前とか、大概のものは、とてつもなく古いです。
本作品、始業式・序盤に、
悪役・堂島が主人公の家に押しかけてきてのセリフが、次のようにあります。
堂島
「来年中には安曇学園は取り壊されて
安曇駅が出来、この村にも隣町から
の電車が通る予定ですが、いや……
もしかすると、再来年かもしれませ
んがね。
それを私も応援してましてな……線
路が通ればこの村は町に発展して、
もっと豊かになるでしょう」
堂島
「その時に、私はこの村に最初から住
んでおられた人達に感謝の気持ちを
込めて、色々と優遇したいと考えて
いるんですわ。
高級ホテルや老人ホーム、ゴルフ場
も作る予定ですし、山沿いには高級
住宅街も作ります。 (以下省略 )」
上記、バブル景気(直前)の時世、
20年以上前の、当時の世相をわかり易く表現しているセリフですが、
2009年にプレイすると、果たして‥‥うまく伝わっているでしょうか。
参考までに、
2009年10月末現在TV放送中の『WHITE ALBUM』も、
1980年代後半が舞台ですので、
都会では、森川由綺や緒方理奈がアイドルしていて、
病院では、藤井冬弥と弥生さんがギシギシっと、
そして、
田舎では、堂島が、ひひ、
っと、そのような感じでしょうか。
要約しますと、
本作品・物語は、
1980年代、バブル景気の頃、
とある田舎の超常現象、ということになるかもしれません。
次に、
各ヒロインの、適当な、一言コメント。
・松倉姉妹‥‥‥メガネ。猫。
・穂村悠夏‥‥‥痕の柏木梓。のような感じで、段々と良い感じに。
・芳野雨音‥‥‥悲劇(犠牲)のヒロインポジション。
おっとりしつつも、優しく、包容力あり、魅力充分。
登場ヒロイン全員にいえることですが、
物語上、痛々しい展開が多々ありつつ、
中でも、雨音は、
他ヒロインと主人公が『ハッピーエンド』をむかえた際に、
雨音自身は、命が助かっても、心は壊れてしまうなど、
物語ポジション上、ご都合主義にさようならの、
対価を支払わされる、ある意味、犠牲ヒロイン。
ゆえに、
雨音ハッピーエンドをむかえられた際に、エピローグ部分、
最後の最後で、‥‥がつんと感動させられます。
・矢車文乃‥‥‥痕の柏木楓。のような雰囲気も持ちつつ、
コンチェルトノートの神凪莉都がしっくりとくる、
最初から最後まで、
9年(7年)の時を経た今もなお、最高のヒロインでした。
ありがとうございました。
ごくごく個人的な、
ストーリーを味わいつつ、
楽しさ面白さ最優先の攻略推奨順は、
文乃バッド→文乃ハッピー→悠夏バッド→悠夏ハッピー
→雨音バッド→雨音ハッピー→文乃ハッピー (以下繰り返し)
その他、特記事項
・アナウンサー役で、CV 西田こむぎ さんの出演
・インストールディスクのラベル、松倉猫と矢車文乃の絵が、
ヤヴァいぐらいに、魅力的で良い感じ
・スペシャルコンテンツCDのドラマCDを聴くべく、
CDウォークマンに入れて再生したら、無音でした。
(CDはすべて、PCにインストール必須です)
・EDで流れますあの名曲は、フルバージョンかつ音質クオリティアップ
・スペシャルサンクス
tororo(サーカス)
ヨシダという生き物(アージュ)
メイザーズぬまきち(オーバーフロー)
っと、近年のTOPCATスタッフの仕事動向から、
団長の存在は、ある程度、織り込み済みだったものの、
なんと言いますか、………………………………………
お纏め。
物語舞台が20年以上も昔ですので、
どうしても、古さと懐かしさを拭えませんが、
田舎の雰囲気を醸し出しつつ、伝奇モノであり、謎解きモノ、
悪役・堂島他、かなり『ダーク』要素も満載で、
悲惨なバッドエンドの数々と、
手放しでは喜べない、痛みを伴うハッピーエンド。
完全版となり、
バグなし、システム廻り改良、
CV他、追加要素もあり、
おまけCDなども充実かつ、低価格となれば、
お見事、大満足のデキでした。
※ 適切な利用に関する説明、特記事項
この長文感想は、フィクションと概ねネタで構成されており、
実在の人名、団体名、地名等は、一切関係ありません。
また、本長文で記述されている感想は、
『果てしなく青い、この空の下で…。』約40時間(フルコンプ)
『どこまでも青く・・・』約20時間
『果てしなく青い、この空の下で…。完全版』約7時間
プレイ時点で入手可能な情報に基づき、
レビュー判断したものであり、
潜在的なリスクや不確実性が含まれています。
そのため、様々な要因の変化により、
プレイヤーによっては、大きく異なる結果となる可能性があることをご承知おき下さい。
古(いにしえ)の名作品ということで、
キリッ、と、
もう少し真面目に書けば良かったかもと、思いつつ、
長文ネタ、
御一読の程、
ありがとうございました。