初恋1/1なんてなかったんや。
そう言いたくなるくらい、メーカー前作よりも初恋らしさに溢れており、
これが20周年記念作品だったら良かったのにね、と思える作品になっています。
本作は、建築家になるという夢を持つ主人公が、1人のヒロインと出会い、
お互いの夢へ向けて、互いに支え合いながら共に成長していき、
社会人として一人前になるまでを描いた青春味溢れる物語です。
出会ってから友人となり、そこから恋人へと変わっていくドキドキな手探り感、
付き合いだしてから、さらに身も心も近づいていくラブラブな親密感、
結婚や出産といった、一つの家族へとつながっていくワクワクな一体感、
これら一連の流れをすべて味わえる充実した内容の作品となっています。
そう、それはまるで
無敗でクラシック三冠を制し、圧倒的な強さから皇帝と称されたシンボリルドルフ、
父同様、無傷で二冠を制するも怪我に泣き、その後奇跡の復活を遂げたトウカイテイオー、
そして伝説は第三の舞台へ、親仔三代で牡馬クラシック界を席巻するサードステージ、
という流れみたいな。
ちなみに、サードステージとは競馬ゲームに登場する架空の馬の名前です。
先日、トウカイテイオー最後の産駒が誕生したとニュースでやっていたので
つい書いてしまいました。
さらにちなみに、その母馬の名前はキセキノサイクロンだそうです。
ロマンがあっていいですよね。
閑話休題
出会いから友人となり、
互いの魅力に惹かれ合い、やがて恋人となり、
さらに年月を重ねて結婚、あるいは出産へと、
そういった時の流れと人生の歴史を感じさせる構成になっているので、
そのようなゲームを求めている人には特にオススメ出来る内容だと思います。
このゲームではそれらを丁寧に描いており、
一般的なゲームの本編+FDくらいの内容を網羅しているので、満足度はとても高いです。
シーン数は61、内訳は
そら:11
真里花:10
夏希:10
美砂:9
律佳:10
透子:11
どのヒロインも大体、
物語前半はゴムを装着して、後半は安全日だからとか妊娠したいから生で、って感じです。
まぁ結婚だの出産だのというのがゲーム後半のテーマにもなっているので
家族計画的な描写としてはゴムを使うのも有効だったのかなと思います。
えちぃシーン的にはゴムならではってのはあまり感じられませんでした。
総評としては、学園物の純愛系を求めている人にはドンピシャな内容だと思います。
1人のヒロインと出会ってから結ばれるまで、
そしてその後の結婚や出産といったイベントまで綿密に描かれているので、
これ1本でFD分も楽しめる内容になっています。
目新しさこそありませんが、先に述べたように丁寧に作られた作品なので、
広くオススメ出来るレベルです。
あ、ただ1点例外が。
それは、個人的に美砂ルートだけ低レベルな内容に感じられた点です。
具体的にどんな点がダメだったかというと、
例えば、美砂と手をつないで歩くときの会話において
「どうして私は左隣なのでしょう」
「車とか、右側通行じゃないですか。だから、左のほうが危なくないかと思って…」
いや、日本では車は左側通行ですよ…。
何をどうすれば間違えられるんでしょうか。
ちなみに歩行者は右側通行なので、原則で言えば左側は車に近い方ですね。
他にも、先輩との日常会話において
「先輩のためなら、雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ…」
「雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ…太宰ですね」
「すぐにそういう返事を返すところさすがです…」
さすがですじゃねーよ、一瞬俺が間違えてるのかとおもっちまったじゃねーか。
勿論あとで宮沢賢治と訂正するでもなく、このまま会話は流れていきました。
なんていうか、百歩譲って間違えるのは仕方ないにしても
チェック体制はどうなっているんでしょうか。
他のルートはキチンとしてたんですけどね…。
あとはべつに間違いというわけでは無いのですが、
美砂ルートだけ初回のえちぃシーンは
主人公がおっぱい揉んで、ヒロインに股間をちょっと撫でられたら
そのままパンツの中で暴発して終わってしまいます。
ただでさえ9シーンと1人だけ少ない美砂ルートなのに、
1シーンそれで消費するのでなんというか…ねぇ。
それ以外のシーンでも挿入してから射精するまでが他のルートよりちょっと短めに感じられたり、
日常シーンでも主人公が空回り気味に暴走するシーンが多めだったりで、
どうにもライターさんが主人公を「ちょっとお馬鹿なペットほど可愛く感じる」みたいな
気分で書いているように思われてびみょーでした。
美砂ルート以外では、あまりネガティブな感情は抱かなかったんですけどね…。
美砂ルートをプレイして、思いました。
ああ、ここに初恋1/1あったわ。
※以下、追記
修正パッチを適用すると、歩道と太宰の件は修正されるようです。
発売前に出来なかったとはいえ、キチンと対応するのは良いことだと思います。