ボリュームで見れば値段以上なのは間違いないが、過去作は完全収録では無いのでやはり中途半端感が拭えない。新作5本についてはそれなりの出来という感じだったが淫蟲猟域だけは別格、かなりキてた。
収録された過去作は「豪華な体験版」という感じ。
一応ストーリーの流れは追えるし、各ヒロインのシーンも一通りあるけど
数は少ない上にあっさり終わるので作品を完全に楽しむ事は出来ない。
収録されているボリュームとしては
シナリオは製品の1/3くらい、回想シーンは1/5くらいだろうか。
とはいえ、21タイトルの1/5ずつなのでフルプライス4本分以上は間違いなくある。
なので、過去にあまりLiquid作品をプレイしておらず、
とりあえずシーン総量があれば良い、という人向けか。
しかし弊害として、作品自体はこれからという所で終わってしまうので
続きのシーンや展開がとても気になって製品が買いたくなるという
作品からのプロスパーの刑を受ける事は必至です。
なお、現在DL販売でセールをしているようなので
過去作の中で特に気に入ったのがあれば単品で買ってね☆
という事なんでしょう。
一方、新作5本はいずれも続編やスピンオフ企画物なので
こちらはLiquid過去作を沢山やっていた人にも嬉しい内容でしょう。
全て後日、低価格で単品販売するようで
内容やボリュームは価格相応といった所。
ですので、完全続編だ！と期待しすぎると肩透かしを食らうかも知れません。
が、しかし！
標題にも書いたように淫蟲猟域は別格です。
陵辱度合いが半端無かった。
ちなみに私自身、極度の陵辱やグロ描写は苦手なので
元となる「EXTRAVAGANZA ～蟲愛でる少女～」は未プレイ。
夏彦さんの絵にひかれてつい淫蟲猟域に手を出してしまった口なんですが…
結果は、もちろん絵も良かったんですがそれ以上に
さすが和泉万夜さんといった所でしょうか。
和泉万夜さんの過去作は「無限煉姦」くらいしかやっていないので
偉そうな事を言うのはあれですが、有名なだけはあるなぁと。
陵辱と言うより、もはや猟奇の域に達しています。
あまり猟奇的なのはちょっとなぁと思っている方も
怖い物見たさで単品購入されてみてはいかがでしょうか。
一応、細かい不満点をあげると
声優さんの演技にどうしても限界を感じた点と、
栞奈の表情が微妙な点でしょうか。
声優さんの絶叫はなかなか頑張っており、
普通に聞く分には十分な範囲だと思うんですが、
淫蟲猟域の陵辱シーンは非常識な責め苦を負わされるので
絶叫の方も非常識な範囲であった方が作風にマッチしたんじゃないでしょうか。
もう一歩、たがの外れた演技だとなお良かったと思います。
また、栞奈の表情については
一方のヒロインである瑠璃は陵辱されるとレイプ目になるのに
栞奈の目は陵辱されても爛々と輝いています。
いくら複数原画とは言え、作風にあわせて統一しないと
違和感を覚えてしまいます。
企画・監督が和泉万夜さんでは無いようなので、
このあたりの不徹底さはちょっと気になりました。
しかし、作品としてはやはり衝撃的な内容なので、
興味を引かれた方は是非プレイしてみて下さい。
シーン的には快楽落ちなども用意されているので、
触手がダメな人以外は大丈夫でしょう。
ううん、知らないけどきっとそう。
主に淫蟲猟域の感想ばかりになってしまいましたが、
Liquid Black Box全体の感想に話を戻すと、
過去作ファンで新作5品が気になると言う方はお財布に余裕があるなら買いじゃないかと。
後日単品販売されると言っても、聖隷嬢和歌子などは11月発売予定ですし、
BGVディスクやお返しディスクなど特典も豊富なので
お財布や発売時期、欲しい続編の本数など考慮して決めると良いと思います。
また、過去作をあまりやっていなくて、どんなものか興味があるという方も同じく買い。
公式ページにあるように、ヒロイン150人以上のシーンがあるのは圧巻。
メーカー入門用としては申し分ない容量だと思います。
ただ、前述したようにどの作品も良い所で終わってしまっているので
予定していた以上の出費になる恐れがありますし、
出費を出さないなら出さないでモヤモヤしたままになるのが何とも…。
オススメ出来る内容なんですがオススメするのもちょっとなぁという二律背反。
決してユーザーの為にならない記念作では無いんですが、
もうちょっとユーザー寄りなら…と思わずにはいられませんでした。