少年漫画とエロゲーを足して2で割った感じ。少し厨二よりだけど、家族愛や友情などの描写は綺麗だし、シナリオも伏線を上手く使っていてなかなか楽しめた。
真面目で誠実な主人公が、目的へ向かってひたむきに進んで行く様を描いた物語。
主人公たちは、それぞれ色々な思いを抱えており、
時には反発しぶつかり合いながらも、
最後にはお互いを分かり合い、支え合う。
メインシナリオは絵に描いたような友情物語となっています。
この辺りは少年漫画っぽいなぁと感じました。
そうした中に、太陽の学園では女学園特有の薔薇色の雰囲気とドロドロの陰謀、
月の学園では厨二的な設定とバトル展開が用意されており、
登場するキャラクター達の設定や性格もあわせて
実にエロゲーらしい内容になっています。
本作ではこの2つの要素が上手くまとまって1つの作品になっています。
登場人物たちにはそれぞれ見せ場があり、
その見せ場では家族愛や友情を綺麗に表現しており、感動的な内容になっていますし、
また、意外な所に伏線が張り巡らされており、
「おー」と心の中で感嘆の声をあげる事が多々ありました。
シナリオの完成度はなかなかの物だと思います。
しかしその一方で、恋愛描写だけはあまり上手では無いなぁと感じました。
主人公とヒロインは家族愛、あるいは友情で結ばれているのが
ある時を境に、恋愛感情へと変化するはずなのに、
結局そのまま肉体関係へ進んでしまっているように感じられます。
いや、一応恋愛感情なんだろうなぁと感じさせるものは勿論あるんですが
主人公が抱えている問題のせいで、えちぃシーンへの突入が唐突であったり
家族愛や友情描写は丁寧に描いているのに恋愛感情への変化の描写は少なかったりで、
こちらももう少しこだわって欲しかった。
えちぃシーンそのものはお互いへの愛情が感じられるだけに、
なんか消化不良な感じです。
とはいえ、全体として見れば十分に良作の範囲。
厨二的展開に抵抗が無い方になら広くオススメ出来る作品です。
しかし最後に一言。
羽音さんを見てたら
小学生の頃、じゃんけんで親指・人差し指・中指を出して
「これグー・チョキ・パー全部持ってるから俺の勝ちー!」
って言ってはしゃいでいた事を思い出して少し憂鬱な気分になりました。
私だけでしょうか。