癖になるテキストなんだけれども
文体が”だけども””だけれども”の多用で序盤は気になるのだが、中盤に差し掛かった頃には癖になってしまっているという恐ろしい中毒性の高さを誇る
純朴で天然女殺しの主人公が生徒会長を主とした実行委員会に所属して学園でのクリスマス会の企画運営をし、その中でのヒロインとのふれあいを描いていくストーリー
森崎亮人さんが真面目に考えたシナリオは煮え切らない主人公の心情を延々と読まなければならないストーリーが多く
はっきり言うとめんどくさいのである
但し、どの作品も強いヒロインとそれが醸し出すかわいさはオンリーワンの絶品であり
そのヒロイン成分のみを堪能できる作品があれば最高なんだけどなぁ
と思っていた矢先に、本作”キスベル”である
めんどくさい主人公成分はほとんど無く、まさに僕の要望に見事に応えたゲームだったと言えるだろう
登場人物の主観、第三者視点に近い主人公の視点、会話文を交えて進行するテキスト、混乱しがちかと思いきや割りと読みやすくなかなかに上質
その為、登場人物の心情描写もわかり易く主人公とヒロインの距離感がつかみやすい
この様な普通の学園モノで群像劇として要所要所の立ち位置を読める物語は貴重なのでは
元々はみことあけみキャラの彩乃、ちはる目当てだったが、長津田さんが可愛い
序盤の警戒心の高さから好意を認識する場面、そしてデレデレへの変化がよかったのだろう
ちはるルートでの夕美の立ち振舞いなんかを見てると余計に可愛く見えたりする
長津田さんルートは「ダメだこいつら、はやくなんとかしないと」という心境を持ちながらも生暖かい目でそのバカップルぶりを楽しめた
エリルートのお互い好きなんだけどきっかけが掴めない状態で続く付き合う前の感じが上手く表現できたシナリオも甘酸っぱさを堪能できた
共通の雰囲気が楽しめたならば、ちはる、エリ、夕美ルートどれも楽しめると思う
ただし彩乃ルートだけはライターの違いがあからさまに出ていて素の文体や主人公の性格も違ってしまっているのが残念だった
システム部分はおなじみのGIGAシステムなので概ね使いやすい
回想関係の部分を全部まとめてじゃなくてキャラ毎で仕切ってくれればベストなんだけれども
CGはCGモードに出てくるのが基本80枚
Hシーンは4人x3シーンずつ、1シーン毎に3枚ずつで計27枚
シーン自体はキャラがかわいかったせいもあるが淫語を使わないような純愛ゲーの中ではなかなかエロい方だったと思う
特に宮前エリの水着でお風呂場エッチだったり、体調不良なのに座薬入れてアナルプレイなど良好だった
みことあけみキャラの服を着ている時のわがままボディ、ブルマやサンタコスを見られる立ち絵もよい
同時にみことキャラの服を脱いだ時のがっかり感ったらない
あとはHシーンへの導入はやっぱりエロゲー的展開なのが残念
エロゲーの中ではシナリオは平坦だけども、それでも出会いや葛藤、告白のシーンはドラマチックで
終始落ち着いた雰囲気で読めるこのゲームが僕はとても好きである