うーん。和香様好き。お仕えしたい。
ギリシャ神話みたいな派手な神々だと二次創作もクリエイトしやすい印象があるが、
決して派手さがあるとは言えない日本の神々・日本神話をベースに、
こんな形の物語として再構成し、意味を与えるとは・・・。
和香様の正体がこの物語のキモだと思われるが、
優しく救いに満ちた解釈だと感じた。震えが止まらない。
(PCに対する配慮のくだりはギャグ的に昇華されていたが、こちらもツボ)
また、創造神に他者性が伴わないがために・・・という解釈がとても好きだ。
最果てのイマやrewriteにおける高次知性の概念を思い出しつつも
日本神話をそう解釈するかあ・・・と感心することしきり。
ゴールデンウィーク商戦を睨んでの発売日なのだろうと思っていたが、
(それもあるのだろうが)
最後のふることぶみの締めくくりの意味するところの美しさたるや。
神様は、この現代社会においても、
数多の争いや時代の変遷を経て纏う意味合いが変わりつつも、
優しく傍らに座し続けてくださるのだという感覚がそこにはあった。
日本という国が今なお紡ぎ続ける、正に霊的なものの発現だと考えて差し支えはないだろう。
この作品に改元のタイミングで出逢えたことは幸福以外の何物でもない。
本作は全体を乱暴に言ってしまえば日本神話版シュタインズ・ゲートなのだが、
「何が正しい歴史であったか」は今となっては解釈の問題にすぎない部分が大きい。
あの聖徳太子ですら歴史の教科書から消え、鎌倉幕府の成立についても曖昧な世界だ。
根津が最後に見せた心の発露は結果正史としては記されなかったが、読み手の心には残ったはず。
キバくんも傀儡ではあったが自分なりに妖怪と人間の繁栄を願って行動した。
等々の理由で、本作は神のパワーが圧倒的な話であったのは間違いないが、
神ではない立ち位置の人妖らを勿体無いという目線で捉えてしまうのは、それこそ勿体無いように思える。
取るに足らないとも思える無数の生き様が幾千年積み重なって今の現代社会がある。
才能や運など抗えないものも多い世界だが、一個人にしかすぎないのだが、
生きたいと願い、生き抜いていけばいいのだ。
「日本は面白い国になっている!褒める!あと千年栄えてよし!」