チャプター5の学級裁判のストーリー展開が素晴らしい。
前半まではわりと退屈でした。
前作をプレイしたときは、細部作りこまれたオリジナリティ溢れるゲームシステムに無我夢中でゲームを楽しんだ記憶があるのですが。
今回プレイして思ったのが。ただの前作の焼き増しという印象でした。
ゲームの続編物なんて結局はそんなものだしシステムに飽きてしまったら終わりなんですよね。
だからシナリオに期待するしかないわけですが途中までは、ごくありがちなちゃっちい只の推理物のゲームをプレイしている感覚で読ませるシナリオゲーとは違うんだなと思ってました。
キャラクターも最初下ネタ全開でいいなって思った花村輝々もチャプター1で即リタイアしちゃうし。
微妙なキャラばっかり残ってるなあって思っていたんだけど、お気に入りの七海千秋がずっと残っていればそれでいいやって思ってました。
しかしチャプター4で狛枝の魅力がストップ高!
ロシアンルーレットで一発だけ弾を抜いて1/6の確率で生き残ってしまう狛枝。
超高校級の幸運を持っている彼だからこそ出来る芸当に畏怖の念を抱かずにはいられない。
そんな狛枝が次の章で惨殺されたのを見てどんだけ良いキャラが死にまくるんだよこのゲームは・・・と裏切られました。もちろん良い意味で。
でももしかしたらこれって自殺じゃないのかな?と思っていたら予想通り話の展開が自殺というオチに決まりそうで「あれあれ?」と逆に拍子抜けしてしまいそうになりました。
だけどそこで簡単に終わらせないのがダンガンロンパ。
主人公の日向創が「こいつの悪意はこんなものじゃないはずだ!」と発言した瞬間久しぶりにゲームでぞくぞくっとしました。
おいおい、マジでこの後どうなるんだよとまったくここからの話の展開が読めない。
自殺で間違いないはずなのにそれでもなにかおかしいと思いながらも裁判を続行するメンバー達。
そこから発覚した事実が自分たちが投げた消火弾の中に毒薬が仕込まれておりなおかつだれが狛枝を殺したかが『犯人さえもわからない』という最悪な結果に。
学級裁判というシステムを理解した上で逆手に取った一番やられたら困るであろう最悪な禁じ手。
それをあっさりやってのけてしまうのが狛枝という男なんですよねえ。素敵すぎます。
こんなんでどうやってこの裁判に決着をつけるんだよと読んでいる自分はもう無我夢中。
まさかここで『超高校級の幸運』という彼が唯一持っている才能を計画の一部に取り込んでくるとは予想もしないでしょう。
幸運だけで自分たちの裏切り者をあぶりだすなんてそんなことを考えるシナリオライターさんはもう鬼才としかいえないですよ。
もちろん一瞬これはゲームや漫画でありがちなご都合展開ではないのか?と思いがちな落ちではあるが。
彼は超高校級の幸運という才能を一番最初の事件の掃除当番のときで既に発揮し、なおかつ前述したように5/6の確率で脳漿が飛び散るような高難易度のロシアンルーレットを簡単にクリアして生き残ったのです。
自分たちプレイヤーを納得させるため彼が本当に『持っている』ということをあらかじめ描写したかったのでしょう。
前もってこのチャプター5のこの落ちのために布石を打っておいたというわけです。
すべてはこのときのために!!!