ほぼ茉優先輩ルートのことしか喋っていませんのでご注意ください。
ここ半年ほどエロゲを買っていなかったのですが、楽しませてもらっているゆずソフトから新作が出る、ということで流れ作業で買いました。やはりここは外さない…こちらの予想を裏切らない形でキャラたちが動いてくれるストレスフリーな展開はいつも通りです。
本作は一応異能力ものをうたっていますが、お話の殆どが学校内で収まりますし、大規模なストーリー展開はありません。キャラゲーと見たほうが良いでしょう。
そのキャラは今作もとても魅力的です。沢澤さんの多彩な演技が光るあやせ、金髪+巨乳+エロい+妹の属性盛りだくさんな七海、一たび惚れてしまえば旦那様にべったりな羽月、甘やかし&甘え上手(地味に幼なじみ要素も有)という相反する特性をもつ茉優…皆さんも誰か一人くらいはお眼鏡にかなう子がいるのでは。
個人的には茉優が(ルート構成も含めて)ダントツで一番でした。
お互いの立場の違いから、自分の想いを押し殺して相手との駆け引きに臨むも、最後はどちらも相手への気持ちに嘘をつけず…という展開で結ばれる。茉優ルートで一番シリアスなのはここなんですが、中途半端な悪役が出てメインの出番が削がれるくらいなら、二人が結ばれる過程を充実させるこのようなやり方が個人的には嬉しいです。
そして結ばれてからの糖度の高さ…ものすごい頻度でキスしてますね…。というかこれまでのゆずソフトでも1,2を争うくらいの甘々っぷりでは?初めてに至るまでに結構時間を要するルートではありますが、その間もイチャイチャ。終わってからはさらにイチャイチャ。茉優先輩も可愛いけど、暁君の男らしさも必見。初めてのシーンで先輩の白衣を脱がす等全年齢版の男主人公では凡そ見られない積極性を披露してくれます。そういうところも含めて、二人のやり取りにディスプレイ越しでニヨニヨできること請け合いです。
とまあ、甘さもそうなのですが、個人的には「アストラル能力の暴走」という本作ではかなり重めのテーマを扱っているにもかかわらず、終始苦さを感じさせずに心地よくお話を締めくくれている点がすごいな、と感じました。
一番の要因としては、上にも書いたシリアスの山場を思い切ってフラグ構築の部分にシフトしたこと。これにより、後に続く、「暴走をどうやって解決するか」という問題も、恋の障害を取っ払った二人の共同作業によりテンポよく消化されていきます。
※このテンポの良さ、というのはチャプター8-2「まさかの、実験成功!?」で茉優先輩が種明かししてくれますが、
暴走対処用のパッチが、二人の仲が深まりゆく過程で生まれたモノ同士が絡み合って出来ていく、というシナリオ
構成の巧さに起因しているのかもしれません。
正直、ご都合主義な要素が多分に含まれていることは否めません。最初のフラグ構築の部分なんか暁君が独断で突っ走りすぎですし、あと、このルートだと「悪役」が残っちゃってますよね…?折角画期的な解決法を編み出したのに、少しもにょる部分もあるのは残念です。いっそのこと茉優先輩ルートではフェードアウトさせちゃってもよかったかもしれませんね。(アフターで普通に出てきてるのがなぁ)
この他、アフターシナリオの増加や相変わらずの便利な機能も加味して、甘めなのは重々承知の上で題目通りの点数をつけさせていただきます。
ただでさえ不安定な業界の中で、「安定した」面白さを提供し続けてくれるゆずソフトをこれからも微力ながら応援していきます。