恋愛ものというよりホームドラマもの
お話の構成としては共通5章+個別2章。
共通では各章につき1人のヒロインに焦点を当てるスタイル。
共通の段階からそれぞれのヒロインの家庭環境が語られ、ちょっとしたイベントも交えながら緩やかにノーブルな生活が送られる。個別に入っても渚とヒロインの掛け合いもあるが、ヒロインの家族との交流も軸となっている印象を受けた。なので、個別に入ったからといって糖度が高まるかと言うと…個人的にはそれほど濃くは感じなかった。それよりかはホームドラマの延長線上、と思ってやった方がすんなり来ます。
立花グループの御曹司ということでメガネっ子のボディーガードがつくくらいの庇護を受けている渚ですが、きな臭い、どろどろとした話はほぼないです。一つ言うなら、透子ルートでは渚の両親が亡くなった海難事故についての真相が語られますが、なぜ彼女のルートだけこの事実が語られるのかいまいち分かりません。あと、この記述のせいでepisode00との整合性もあやふやになっているのは減点。
結婚、婚約をかなり意識していますが、やっていることは普通の学園ものです。「結婚を前提としたお付き合いをしませんか」の口説き文句から少しイチャイチャしたらヒロインの家族が抱える問題に巻き込まれ、それが終わったらいつの間にか指輪が渡されていてウェディングドレスを着ている、ただそれだけです(なお、指輪やドレスのシーンはヒロインによってあったりなかったり)。上にも書きましたが、良くも悪くもホームドラマ仕立てでまとまっているのでヒロインとの甘やかなやりとりを期待しているとしっぺ返しをくらいます。
例外として、玲の場合はコンクールでいい成績残すぞーというスポ根風の仕上がりになっています。いや、まとまってはいたのですが…。せっかく共通ルートでパトロン目当てで渚に近づいたのだから、個別に移行して「お金⇒愛情」というお誂え向きの転回を所望した身としてはどうも浮いているようにしか思えませんでした。