ErogameScape -エロゲー批評空間-

s0meokさんのGardenの長文感想

ユーザー
s0meok
ゲーム
Garden
ブランド
CUFFS
得点
10
参照数
2460

一言コメント

同人と商業の境界が曖昧という、奇特な業界とはいえ、いくらなんでも無責任が過ぎるし、正直な話、詐欺。まさに「金払って…」というやつだ。5年かけても「全部書き直すのは(予算的に)無理でした」ということらしいが、2年で全部書き直した作品が存在するのに、その言い訳が通るかよ、とツッコミたくなる。しかも、3年間完全放置で、しれっと新作出して、姉妹ブランド2つも立てて5,6本新作出して、うち1つはアニメ化までして荒稼ぎしたあげくって、借金を踏み倒すも同然です。代わりに新作(ボイスなし)出すから許してね、って徳政令かよ。斬新すぎて呆れ果てて開いた口が塞がりません。実際にそこで働いている人がいる以上、言いたくはありませんが、それでも、当時に新品で購入した身としては、経営もクリエイターも頭沸いてんじゃねえの?CUFFS系列は全部潰れろ!と暴言を吐くくらい許して欲しい。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

まったく一言ではない一言感想に留めるつもりでしたが、予想外に投票があったので、
返答も含めて書かせてもらいます。
正直、一言感想のほうでも要所以外はかなり削って、暴言を吐きつつも、まだオブラートにしたつもりです。
以下では、好き放題書くので、ご了承ください。






「絶望してるんじゃない。怒ってるんだ!!」

開発凍結の告知を見た後、エロスケや、2ch(見方を知らないので、まとめサイト見ただけですが)の反応を見て、
最初に頭に浮かんだのが、装甲悪鬼村正の第1章の少年の台詞でした。(たしかそんな感じだった気がする)

正直、荒れに荒れるだろうと予想していたのに、それに反して、皆さんの反応はまさにお通夜ムード、
開発凍結に対する反応は”怒”ではなく”悲”でした。 なんで?


76421 様は同意いただけたようでありがたいです。
酷評との指摘はごもっとで、私自身、かなりきつい書き方をしている自覚はあるのですが、
現状のお通夜ムードを見過ごすわけにはいかないという思いがあります。

bokunikudasai 様、のおっしゃりたいことはわかるつもりです。

突然ですが、私は、「怒りの庭」事件として本作とセットで話題に上がる、Dies irae(以下、Dies)の大ファンです。ぶっちゃけ信者です。
ご存知かもしれませんが、一言感想で書いた「2年で全部書き直した作品」というのはこのDiesのことです。
こちらの経緯を説明させていただきますと、まず、無印版での紹介では、当初、4名のヒロインがいました。(一部、5名と言う人もいますが無視です)
このうち、無印版には2名しか収録されておらず、他ヒロインの公開サンプルCGも無断削除、
そのうえ、収録された2ヒロインのルート後半のシナリオは当初スタッフとして名前の挙がっていなかった外注?ライターが担当しており、
シナリオの質が大幅に劣化していました。
さらには、代表取締役か社長か忘れましたが、妄言を吐いて、火に油という始末。
その後、Diesは他ヒロイン収録の完全版を出す、と告知するのですが、「なんで有料なんだよ!!」とユーザーはまた切れます。
Lightは、ユーザー登録していれば、無料で完全版プレイできると言いますが、「中古で売り払ったに決まってんだろ!!」という感じです。
この時点では、私も上と同じような反応で、正直、完全版になど露ほど期待しておりませんでした。
そして、間に1,2本の作品を挟むことになるのですが、無印で収録されていた、2ヒロインについて加筆修正されたもの(以下、クンフト)が発売されました。
内容については深くは触れませんが、当時、Fate、デモンベイン等はプレイ済みだったのですが、
とにかく圧倒的で、私は完全にDiesというか、正田ワールドに引きずり込まれました。
そして、完全版への期待もうなぎのぼりだったのですが、この時の心境はきっと、bokunikudasai 様の今のそれと似ていると思います。
当時、完全版が出る前は、クンフトがどれだけ評価されていて、私個人が完全版に期待していても、
無印版の事件で批判する人は後を絶ちませんでした。(今もかもですが)
最終的に、アクチや販促展開等で批判されることはあるものの、完全版は評価され、正田(以下、敬称略)本人も、禊は済んだ、と言っていますし、
私自身、そのように思っています。
正田は完全版を出すまでに2年かけましたが、当然、その間の風当たりは凄まじいものだったと想像できますし、
正直な話、無印収録の2ヒロインなんか加筆修正せずに、他2ヒロインのシナリオとエロシーンを適当に半年程度で済ませて、お茶を濁すこともできたはずです。
それをしなかったのは、ひとえにDiesという自身の作品に対する愛と、そして、シナリオライターとしてのプライドゆえだと私は思っています。
2年間、自業自得の面があるとはいえ、ユーザーからの批判を真摯に受け止めたからこそ、一部で、正田神などと崇拝されるまでになったのだと思います。
私は、一度は自分でドブに捨てたかに見えた、作品への愛とライターとしてのプライドを守りきった氏を純粋にカッコいいなと思い、
だからこそ、私自身、無印版のことを許して、正田信者の仲間入りをしました。

一方のGarden、トノイケはどうかというと、私は、氏の過去作である「さくらむすび」も「ワンコとリリー」も未プレイで、氏に対する思い入れは特にありません。
どうもこの過去作をプレイ済みの方々は、開発凍結に怒っているというより、悲しんでいるようですが、
少なくとも、クンフトで期待した私は、正田が完全版の開発を凍結していたら、今回と同じことを書いたと断言できます。

さて、
bokunikudasai 様の指摘についてですが、
>正直トノイケ以外のCUFFSスタッフは他の作品の仕事などで手一杯だったはず。システムや色々トノイケ1人では無理があるし
とのことですが、トノイケ一人でGarden完結させろよなんて無茶振りはしません。

>手伝ったとしてもお金にならないから他のスタッフに助けてもらうのも難しかったんじゃない?
むしろ重要なのはこちらです。

そもそも、ゲーム会社っていうのは
メーカーは自前かそれか流通や銀行から借りた開発費でゲームをつくり、それをユーザーに売って、利益を得る
っていうのが、本来のあるべき姿ですよね。

じゃあ今回はどうなっているのかっていうと
メーカーはユーザーに未完成品を売って、利益(開発費)を得て、それを元に、完成品(パッチ)を作る
っていう状況なんです。

これをして私は、一言感想で「借金」と書きました。
明らかにおかしいですよね?

>システムや色々トノイケ1人では無理があるし
まさにその通りですよ、なら、「利益」を前借した会社は当然、完成に必要なスタッフを配置するべきなんです。
場合によっては、遅筆極まるトノイケを更迭するなり、企業として完成させるべく何らかの対応をするべきでした。

>手伝ったとしてもお金にならないから他のスタッフに助けてもらうのも難しかった
なんて発言は正直ナンセンス。
儲けはすでに受け取っているのに、儲からないから金を出さないなんて、筋違いもいいところではないでしょうか?

私は、借金をして返せなくなった時に「破産」するというのは、他人に迷惑をかけることではありますが、個人であれ会社であれ1つの権利だと思っています。
しかし、今回は違いますよ。
CUFFSがやったことっていうのは書いたとおり、姉妹ブランドに鞍替えして、新作バンバン出して、一部アニメ化して、荒稼ぎしたあげく、
それに飽き足らず、本家でもGarden放置で新作出したんですよ。
破産は権利だとは言いましたが、当然それに伴って、諸々の義務やハンデも発生しますが、
今回、CUFFSはそれもなしに、ユーザーから前借した利益を踏み倒したんです。
だから、私は「徳政令」だと書きました。
正直、こんなの許せるというほうが私はどうかしていると思います。
だからこそ、
 実際にそこで働いている人がいる以上、言いたくはありませんが、それでも、当時に新品で購入した身としては、
 経営もクリエイターも頭沸いてんじゃねえの?CUFFS系列は全部潰れろ!
と書いたんです。

ちなみに、姉妹ブランドについてですが、そのうちの1つCUBEから去年発売された「イモウトノカタチ」
これも詐欺臭い商法で、公式ページで大々的に紹介しているヒロインのうち一人が後ほど公開された隠し?ヒロインのルートに吸収され、
実質、攻略不可という有様です。
Gardenでやらかしておいて、反省もくそもありませんよ。完璧にユーザーを舐め腐ってます。


以上が、企業という面から見た私の批判ですが、一方、クリエイターの面はどうかと言うと、
先ほど書いたとおり、2年越しに禊を果たした正田はカッコいいと、私は思っています。

じゃあ、この場合、トノイケはどうするべきだったのか?
まず1つ、なにが何でも、予算とスタッフを会社から引っ張ってきて、Gardenを完成させること、
これは氏のメインライターであり当作品の主要スタッフとしての責任だと思います。(会社もそれに応じるのは当然だと思っています。)

では、必要なもろもろを引っ張ってきた後、氏はどんなシナリオを書くべきだったのか?
私はプレイ当時、トノイケというライターを知りませんでしたので、儚げなピンクっ娘といちゃラブエッチできたら楽しいな、程度にしか考えていませんでしたし、
正直、当時、Gardenをプレイ(購入)したユーザーの大半もそうで、トノイケのシナリオ引かれてというのは割と少数派だったのではないかと思います。
とすると、氏が書く内容の1つとしては、そういうライトユーザーが少なくとも満足できる、もしくは納得できるようなシナリオを書くという選択肢があったはずです。
もちろんこれは先ほどDiesでかいたように、
 無印収録の2ヒロインなんか加筆修正せずに、他2ヒロインのシナリオとエロシーンを適当に半年程度で済ませて、お茶を濁すこともできたはずです。
と同義です。
私は、最悪、この結末でもかまわないと思っていました。
しかし、それを氏は選ばなかったんですよね。
お茶を濁すのではなく、何とかして、本来のGardenを取り戻そうとした、とそう公式ページでは書かれていますが、
開発凍結が決まった今となっては、「何、プロのシナリオライター面してんの?」というのが私の感想です。

はっきり言って、
自分でドブに捨てたプライドと作品への愛情、必死になって抱え込んで、泥まみれになってる姿なんてさらされても、滑稽を通り越して不快でしかありません。

そんな自己満足に付き合わされて、1万近く払った挙句、5年も待たされた身にもなれよと、言いたくもなります。
ましてや、代わりに新作書くから、なんてのは、笑止千万ですよ。まさかこんなフレーズ使うことになるとは夢にも思いませんでした。

しかも、ここにいたって、ボイスなしとか、会社の不誠実をさらけ出すようなものですよね。
会社の都合なのか、トノイケの遅筆なのか、仕様の変更?の原因がなんなのか知りませんが、
CUFFS名義で出した以上は、CUFFSが最後まで面倒見るのが筋ってもんでしょ。


さて、なら、CUFFSが企業責任すら放棄するなら、トノイケはどうするべきだったか。
私は、とっとと退社して、同人に行って、元のプロットでどんな形でもいい、本来のGardenを出すべきだったと思います。
もし、彼が、ライターとしてのプライドと作品への愛情、両方を真に兼ね備えていたなら、そうすべきだったと思います。

これをご覧の方々は、社会の厳しさも碌にしらない若造のたわごと、なんておっしゃるかもしれませんが、
私は、そうすることがカッコいいし、尊敬できる、たとえ出来が悪かったとしても、一定の評価は示して、まあ次がんばれよと声援を送れたつもりです。
少なくとも、プライドを犠牲にお茶も濁せず、自分のプライドに執着しているみっともない姿なんてのは見たくありませんでした。

勘違いされると困るので言っておきますが、私はGardenという作品そのものは、5年も前なのでうろ覚えではありますが、面白かったと記憶しています。
攻略したのは、絵里香(非追加版)、撫子、桜子の3人のみでしたが、閉鎖的でどこか儚げな雰囲気がとても印象的でした。
また、私がDucaという歌手を始めて知ったのもこの作品で、当時はアイの庭をヘビロテするほどはまっており、
今現在でも、大のDucaファンで、予約特典や初回特典にボーカルCDがあるとそれ目当てでゲームを買うくらいです。
だからこそ、辛抱強く、この5年間待ち続けたのですが、その結果がこれでは、たまりません。

繰り返しますが、私は「絶望しているのではなく、怒っています」。

今更、怒っても仕方ないという意見も理解はできますが、いまユーザーが揃って、ぶち切れておかないと、
今後、この業界はきっとひどいことになるというか、すでに、「イモウトノカタチ」という二の矢が放たれているんですよ。


今、CUFFSで働いていて、当時には関係のない人間には本当に悪いと思いますが、繰り返します。
1度、CUFFS系列は絶対に潰れるべきだと思います。

やったもん勝ちの前例を容認するような現状は、絶対に見過ごせないと強く思っています。


とにかく、皆さん、トノイケの新作に喜ぶでも、開発凍結を悲しむでもなく、怒ってください。


以上が今回の開発凍結に関する私の率直な意見です。









変な投票があって反論を書いていたのですが、投票のほうがなぜか消えていたので、
見苦しいので、全て消しました。